自賠責保険
被害者救済のために加入が義務付けられた自賠責
自賠責保険とは、「交通事故の被害者が泣き寝入りすることなく、最低限の補償を受けられるように」と国が法律で定めた保険制度です。 一般に「強制保険」と呼ばれているとおり、公道を走るすべての自動車やバイクに加入が義務づけられています。 自動車損害賠償保障法において、自賠責保険もしくは自賠責共済にの契約が締結されないで自動車を運行させた場合、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金を課すと定められています。
また、同法律の8条において「自動車損害賠償責任保険証明書の備付」という項目があり、自賠責の証明書を自動車に積まないで自動車を運行させた場合、30万円以下の罰金に処すると定められています。
車検のない250cc以下のバイクや原付は、自賠責保険切れに気づかないままうっかり乗り続けてしまうことがよくありますので、くれぐれも注意が必要です。
(平成22年4月1日現在)
自賠責保険の補償限度額
相手のケガの状況などに応じて支払われる保険金には、傷害・死亡・後遺障害・死亡に至るまでの傷害について、それぞれ支払限度額があります。
(1)傷害による損害の場合
- 支払限度額/被害者1名あたり
- 120万円
| 支払の対象となる損害 | 支払基準 | ||
|---|---|---|---|
| 治 療 関 係 費 |
治療費 | 診察料や手術料、または投薬料や処置料、入院料等の費用など。 | 治療に要した、必要かつ妥当な実費が支払われます。 |
| 看護料 | 原則として12歳以下の子供に近親者等の付き添いや、医師が看護の必要性を認めた場合の、入院中の看護料や自宅看護料・通院看護料。 | 入院1日4,100円、自宅看護か通院1日2,050円。これ以上の収入減の立証で近親者19,000円、それ以外は地域の家政婦料金を限度に実額が支払われます。 | |
| 諸雑費 | 入院中に要した雑費。 | 原則として1日1,100円が支払われます。 | |
| 通院交通費 | 通院に要した交通費。 | 通院に要した、必要かつ妥当な実費が支払われます。 | |
| 義肢等の費用 | 義肢や義眼、眼鏡、補聴器、松葉杖などの費用。 | 必要かつ妥当な実費が支払われ、眼鏡の費用は50,000円が限度。 | |
| 診断書等の費用 | 診断書や診療報酬明細書などの発行手数料。 | 発行に要した、必要かつ妥当な実費が支払われます。 | |
| 文書料 | 交通事故証明書や印鑑証明書、住民票などの発行手数料。 | 発行に要した、必要かつ妥当な実費が支払われます。 | |
| 休業損害 | 事故の傷害で発生した収入の減少(有給休暇の使用、家事従事者を含む)。 | 原則として1日5,700円。これ以上の収入減の立証で19,000円を限度として、その実額が支払われます。 | |
| 慰謝料 | 交通事故による精神的・肉体的な苦痛に対する補償。 | 1日4,200円が支払われ、対象日数は被害者の傷害の状態、実治療日数などを勘案して治療期間内で決められます。 | |
(2)死亡による損害の場合
事故の相手が、死亡したことによる損害は、葬儀費、逸失利益、被害者および遺族の慰謝料が支払われます。
- 支払限度額/被害者1名あたり
- 3,000万円
| 支払の対象となる損害 | 支払基準 | |
|---|---|---|
| 葬儀費 | 通夜、祭壇、火葬、墓石などの費用(墓地、香典返しなどは除く)。 | 60万円が支払われ、立証資料等によって、これを明らかに超えるなら、100万円までで妥当な額が支払われます。 |
| 逸失利益 | 被害者が死亡しなければ将来得たであろう収入から、本人の生活費を控除したもの。 | 収入および就労可能期間、そして被扶養者の有無などを考慮のうえ算出します。 |
| 慰謝料 | 被害者本人の慰謝料。 | 350万円が支払われます。 |
| 遺族の慰謝料は、遺族慰謝料請求権者(被害者の父母、配偶者及び子)の人数により異なります。 | 請求者1名で550万円、2名で650万円、3名以上で750万円が支払われ、被害者に被扶養者がいるときは、さらに200万円が加算されます。 | |
(3)後遺障害による損害の場合
自動車事故によってあいてが後遺障害が残った場合、障害の程度に応じて逸失利益および慰謝料等が支払われます。
- 支払限度額/被害者1名あたり
- 常時介護を要する場合(第1級)4,000万円
- 常時介護を要する場合(第2級)3,000万円
- ※神経系統の機能や精神・胸腹部臓器への著しい障害で、介護を要する障害
- 支払限度額/被害者1名あたり
- 75万円(第14級)〜3,000万円(第1級)
| 支払の対象となる損害 | 支払基準 | |
|---|---|---|
| 逸失利益 | 身体に残した障害による労働能力の減少で、将来発生するであろう収入減。 | 収入および障害の各等級(第1〜14級)に応じた労働能力喪失率で、喪失期間などによって算出します。 |
| 慰謝料等 | 交通事故による精神的・肉体的な苦痛に対する補償。 | 上記1.の場合、(第1級)1,600万円、(第2級)1,163万円が支払われ、初期費用として(第1級)500万円、(第2級)205万円が加算されます。上記2.の場合、(第1級)1,100万円〜(第14級)32万円が支払われ、いずれも第1〜3級で被扶養者がいれば増額されます。 |
なお、自賠責保険はどこの保険会社または共済で加入しても補償内容に変わりはありません。
詳細につきましては各保険会社または代理店に必ずご確認ください。


