セカンドカー割引とは、2台目以降の車に自動車保険を新規で加入すると適用される割引サービスのこと。現在は、多くの保険会社がセカンドカー割引を採用しています。
セカンドカー割引は、2台目以降の車の保険料を安く開始できるメリットがあるものの、1台目の車と2台目以降の車がいくつかの条件に該当していないと割引の適用対象とならないので注意しましょう。
この記事では、セカンドカー割引のメリットと適用される条件のほか、注意点についても解説します。
もくじ
セカンドカー割引とは?
セカンドカー割引は、自動車保険にすでに加入している車の記名被保険者などが受けられるサービスです。2台目以降の車を所有し、その車で初めて自動車保険に加入すると、適用条件を満たしていた場合に6等級からではなく7等級から開始できます。
自動車保険を扱う保険会社は、事故歴に応じて保険料の割引・割増を適用する「等級制度」を導入し、共同運用しています。
主に個人が加入するノンフリート契約では、等級は1等級~20等級に分かれており、無事故の場合には翌年の等級が上がり、保険を使う事故を起こした場合には翌年の等級が下がります。等級が上がるほど保険料が安くなり、等級が下がるほど保険料は高くなる仕組みです。
初めて自動車保険に加入する際には、6等級からのスタートです。しかし、セカンドカー割引が適用されると7等級からのスタートとなるため、保険料が安くなります。
なお、セカンドカー割引については、1台目の車で加入する保険会社が2台目の車と別の保険会社でも関係がなく、割引が適用されるのが特徴です。
セカンドカー割引のメリット
セカンドカー割引のメリットは、「2台目以降の車が初めから」保険料が安くなることです。特に若いドライバーの場合、年齢や運転歴で保険料が高く設定されるため、親と同居の子供が車を購入して保険契約する場合、セカンドカー割引は保険料を抑えるのに効果的といえます。
具体的には、前述のように新規加入時において通常6等級からのスタートが、7等級スタートとなります。1等級分高い割引率が適用されるため、月々の保険料を抑えられるメリットがあるのです。
割引率の差は以下のとおりです。1等級の違いですが、新規6等級だと3%の割増なのに対して新規7等級だと38%の割引なので、保険料の差は意外と大きくなります。
6等級新規 | 7等級新規 | |
---|---|---|
割増引率 | +3% | -38% |
出典:損害保険料率算出機構「自動車保険参考純率」
セカンドカー割引の適用条件
セカンドカー割引を利用するためには、適用条件をすべて満たす必要があるので注意が必要です。ここでは、セカンドカー割引の6つの適用条件についてご紹介します。
1台目と2台目以降の車が共に自家用8車種に該当する
1台目の車と2台目以降の車に共通する条件として、用途・車種が「自家用8車種」に該当している必要があります。
「用途・車種」は、自動車保険の保険料算出のための区分として扱われています。自家用8車種は、次のとおりです。併せてナンバープレートの色や分類番号についても紹介します。
種別 | ナンバープレートの色と文字 | 分類番号 |
---|---|---|
自家用普通乗用車 | 白色+緑文字 | 3ナンバー |
自家用小型乗用車 | 白色+緑文字 | 5・7ナンバー |
自家用軽四輪乗用車 | 黄色+黒文字 | 5・7ナンバー |
自家用小型貨物車 | 白色+緑文字 | 4・6ナンバー |
自家用軽四輪貨物車 | 黄色+黒文字 | 4・6ナンバー |
自家用普通貨物車 (最大積載量0.5t以下) | 白色+緑文字 | 1ナンバー |
自家用普通貨物車 (最大積載量0.5t超2t以下) | 白色+緑文字 | 1ナンバー |
特種用途自動車 (キャンピング車) | 白色+緑文字 | 8ナンバー |
1台目の車が11等級以上である
セカンドカー割引が適用されるには、自動車保険にすでに加入している1台目の車が、2台目以降の車の自動車保険加入時点で、11等級以上となっている必要があります。
また、1台目の保険契約期間内に、2台目以降の車の保険契約の補償がスタートする保険始期日が含まれていなければなりません。
1台目の所有者が個人である
自動車保険にすでに加入している1台目の車の所有者は、個人であることもセカンドカー割引の適用の条件のひとつです。所有者が法人名義だった場合には、セカンドカー割引は適用されません。
なお、カーローンで車を購入しており、車検証上の所有者がローン会社でも、使用者が個人であれば適用されます。
2台目以降の車が初めて保険に加入する車である
セカンドカー割引は、自動車保険の契約が有効期間内の車の場合、適用することができません。2台目以降の車は、所有者によって初めて自動車保険に加入する車でなければならないのです。
親や友人・知人から譲り受けた車などの場合は、それまでの所有者が加入していた自動車保険の契約を解除していれば、新規扱いとなる場合があります。
2台目の記名被保険者が一定の条件の範囲内である
自動車保険の「記名被保険者」とは、契約している車を主に運転する人のことを指します。記名被保険者は、契約者や車の所有者と必ずしも同一である必要はありません。
セカンドカー割引においては、2台目以降の車の記名被保険者は、下記の条件に該当する人が適用対象となります。
<2台目以降の車の記名被保険者の条件>
- 1台目の車の記名被保険者と同一である場合
- 1台目の車の記名被保険者の配偶者である場合
- 1台目の車の記名被保険者・配偶者と同居の親族である場合
この場合の同居の親族とは、6親等以内の血族および3親等以内の姻族を指します。ただし、「同居」の定義は保険会社によって異なる場合があるので、利用前の確認が必要です。
2台目の所有者が個人で一定の条件の範囲内である
セカンドカー割引が適用されるには、2台目以降の車の所有者が個人で、下記の条件のいずれかに該当している必要があります。
<2台目以降の車の所有者の条件>
- 1台目の車の記名被保険者と同一である場合
- 1台目の車の記名被保険者の配偶者である場合
- 1台目の車の記名被保険者・配偶者と同居の親族である場合
- 1台目の車の所有者である場合
なお、所有者がディーラーやローン会社、リース業者等になっている場合は車検証記載の使用者を所有者とみなします。
セカンドカー割引適用時の注意点
セカンドカー割引そのものの注意点ではありませんが、2台以上の車を持つ場合には1台目の車と2台目以降の車の自動車保険契約の補償内容の重複に注意が必要です。
例えば、下記の補償は1台目と2台目以降で補償内容が重複する可能性があります。
<補償内容が重複する可能性がある保険・特約の例>
- 人身傷害保険(車外の補償部分)
- 個人賠償責任特約
- 弁護士費用等補償特約
- ファミリーバイク特約
これらの保険・特約は、ひとつの契約で同居の親族分も補償するため、つけたい場合にはいずれかの内容を見直す必要があります。事前見積もりを取る際に、保険会社に確認しておきましょう。
補償の重複を解消して自動車保険料を安くしよう
家族内で複数の車を所有している場合、自動車保険の補償内容の重複が起こりやすくなります。また、自動車保険以外の保険と補償内容が重複することもあります。補償内容が重複しているとその分の保険料が無駄となって ...
2台目の加入保険会社を比較・検討しよう
セカンドカー割引は、2台目以降の車の自動車保険で7等級から契約を始められる制度です。1台目と2台目の保険会社が異なる場合でも適用されるため、同居の子供の車を購入し、新たに自動車保険に加入するといった場合には、1台目と同じ会社だけでなく他の会社もしっかりと比較・検討しましょう。
また、補償内容の重複についても注意が必要です。既存の保険や特約の補償内容について、2台目以降とかぶるところはないか確認しておいたほうが安心といえます。
なお、複数の自動車保険を比較・検討する際には、インズウェブの「自動車保険一括見積もりサービス」が便利です。複数社の見積もりが一度に取れるので、比較・検討がしやすくなります。ぜひ、「自動車保険一括見積もりサービス」をお試しください。