2007年6月の刑法改正でなにが変わった?(1)

「自動車運転過失致死傷罪」新設

交通事故はこれまで、ドライバーの“過失”として扱われ、「業務上過失致死傷罪」(5年以下の懲役・禁錮または100万円以下の罰金)として処理されてきました。しかし、「飲酒」「薬物」「過剰なスピード超過」「無免許」といった悪質運転は、ドライバーが法律を守ってさえいれば防げる行為です。それを単なる「過失」ととらえて処理してよいのか?と、交通事故の被害者や遺族からは大きな疑問の声が上がっていました。 そうした声を受け、2001年、「危険運転致死傷罪」(被害者死亡時は懲役20年以下)が作られたわけですが、実際にはかなり悪質な事故でもこの罪で起訴されるケースは少なく、「かたちだけの法律では意味がない!」と、再び大きな疑問の声が上がっていました。

そこで2007年、多数の死傷者を生む危険性を常にはらんでいる交通事故に対しては、医療過誤や機械の操作ミスなどとは別に、「自動車運転過失致死傷罪」(7年以下の懲役・禁錮または100万円以下の罰金)という法律を新しく作り、これまでの「過失」という考えとは切り離して処罰されることになったのです(6月12日の午前0時から施行)。 被害者や遺族の団体からは、「最高懲役を10年までは引き上げるべきだ」という声も強く上がっていましたが、交通事故はドライバーの過失だけでなく、道路の環境やクルマの構造もからみ、不幸が重なるといつ誰が「加害者」の立場になるかもしれないということで、結果的に、緊急立法的措置で「最高懲役7年」に落ち着きました。 以下が、その条文です。

自動車運転過失致死傷罪
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

つまり、車の運転に起因する人身事故の場合「業務上……」という言葉は使われなくなったということです。

ジャーナリスト:柳原三佳

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