
業務の中で車を運転することがある場合、事故のリスクについて考える必要があります。個人で車を持っている場合と同じように法人向けにも自動車保険が用意されていますが、個人向けと比べて保険料が高くなりがちです。その理由と保険料を抑える方法について紹介します。
記事の要約
- 法人向け自動車保険は、運転者の範囲が限定できず、使用頻度や走行距離が多いため、個人向けより保険料が高くなる傾向がある。
- ネット型自動車保険や年齢条件の設定、補償内容の見直しなどによって、保険料を抑えることが可能。
- 複数社の保険料や補償内容を比較し、安全運転を徹底することで、さらに保険料削減につながる。
目次
法人向け自動車保険が高くなる理由
法人向け自動車保険の保険料が個人向けと比べて割高となる理由としては主に以下2つのことが考えられます。
補償対象の運転者の範囲が限定できない
個人向けの自動車保険では補償される運転者を「記名被保険者本人のみ」や「本人と配偶者のみ」などと限定することができます。運転者を限定することでリスクが抑えられ、保険料が安くなる仕組みです。
一方、法人向けの自動車保険では従業員のだれもが運転する可能性があり、運転者の範囲を限定するような特約が用意されていません。逆に言えば年齢に気をつければ誰でも運転できますが、保険料に関しては高くなります。
使用頻度や走行距離から事故リスクが高い
事業で車を使用する場合、個人で車を使うよりも使用頻度や走行距離は多くなる傾向にあります。使用頻度の高さや走行距離の長さは事故のリスクの大きさにもつながることから、保険料が高く設定される傾向にあります。
ネット型自動車保険で契約できる?
一般に、保険会社と契約者の間に代理店が入る代理店型自動車保険よりも、ネット等で直接契約するネット型(ダイレクト型)自動車保険の方が保険料が安くなります。しかし、ネット型は代理店型よりも取り扱う範囲が狭い傾向にあります。法人向けの契約もネット型で契約できるのでしょうか?
答えとしては、ネット型の中でも一部の会社は法人向けの契約を取り扱っています。ただし、車両の台数が9台以下であったり車の用途・車種が自家用8車種や営業用貨物に制限されていたりなど、契約できる条件が限られています。すべての場合でネット型の自動車保険が契約できるわけではありませんが、保険料を抑えることを考えるならばネット型で契約できる条件を確認してみましょう。
当サイトにおいても以下のページで一部の保険会社を紹介しています。ぜひご確認ください。
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法人向け自動車保険を詳しく説明!
法人向け自動車保険の基礎知識を解説します。お車の台数や用途・車種によっては代理店型だけでなくネット型の自動車保険でも対応している場合もあります。
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法人向け自動車保険の保険料を安く抑える方法
ネット型自動車保険への変更以外にも、法人向け自動車保険の保険料を抑える方法はいくつかあります。どのような方法があるのか紹介します。
年齢条件を設定する
運転者の範囲は限定できませんが、年齢条件については設定することができます。個人向けと同様に「全年齢補償」よりも「21歳以上補償」の方が、「21歳以上補償」よりも「26歳以上補償」の方が保険料が安くなります。20歳以下の方が運転するのであれば限定することはできませんが、そうでない場合は運転者の中で最も若い人に合わせて、「21歳以上補償」や「26歳以上補償」などと年齢条件を設定しましょう。
補償内容・特約を見直す
自動車保険は補償内容や特約を手厚くするほど保険料が高くなります。事故によってどのようなリスクが生じる可能性があるのか考え、必要以上の補償内容になっている場合は契約内容を見直してみましょう。
安全運転を徹底する
自動車保険は事故のリスクが低い契約者ほど保険料が安くなるようになっています。9台以下のノンフリート契約では無事故を続ければ各車の契約の等級が上がっていって保険料が安くなっていきます。10台以上のフリート契約では、契約全体での損害率が翌年度の保険料の割引率に影響します。
どれだけ気を付けていても事故が発生する可能性はありますが、安全運転の意識や管理で事故を防いだり事故による損害を軽減できたりすることができます。特にフリート契約では1台の事故が契約全体の保険料に影響してしまうので、なるべく事故を起こさないように、事故が起きてしまったとしても損害が小さくなるように注意を払いましょう。
複数の会社を比較する
保険会社によって保険料や特約の内容などに違いがあります。複数の保険会社の自動車保険を比較することで最適な保険料・補償内容の自動車保険を見つけることができるかもしれません。複数社の比較をするには一括見積もりサービスを利用するのが便利です。各社の見積もりを取って保険料や補償内容を比較しましょう。
まとめ
法人向けの自動車保険は事故リスクの関係で個人向けの自動車保険よりも保険料が高い傾向にあります。一部の条件ではネット型の自動車保険も対応しているので、その条件に当てはまる場合はネット型自動車保険も検討してみましょう。
その他で保険料を安くする方法としては年齢条件の設定、補償内容等の見直し、安全運転の徹底、保険会社の比較などが挙げられます。補償内容を必要以上に削るのは問題がありますが、各社の見積もりを取って保険料や補償内容を比較し、必要な補償について考えてみましょう。