全国で自転車保険の義務化が進んでいます。自転車保険に入る場合、どのように加入すればよいのでしょうか?また、さまざまな保険会社が自転車保険を販売していますが、どのように選べばよいのでしょうか?自転車保険の入り方について紹介します。
自転車保険の加入方法
自転車保険はインターネットやコンビニ、自転車屋などで加入することができます。インターネットやコンビニであれば自分が都合の良い時に申し込みができるので便利です。
どこから申し込んでもよいのですが、コンビニや自転車屋などではそのお店で提携している保険会社の自転車保険しか契約できません。目当ての保険会社があるのであれば、その保険会社のWebページから申し込むか、コンビニや自転車屋などで提携している保険会社を事前に確認したうえで申し込みに行くのがよいでしょう。ちなみにコンビニについて、セブンイレブンで加入できるのは三井住友海上、ローソンで加入できるのは東京海上日動、ファミリーマートで加入できるのは損保ジャパンのものです(2020年4月時点)。
また、加入場所や保険会社によっては保険料の支払方法が限定されていることがあります。クレジットカード払いにしたいなどの希望がある場合は、事前にその支払い方ができるのか調べてから申し込みに行くようにしましょう。
自転車保険を選ぶ際のポイント
さまざまな保険会社から販売されている自転車保険について、どのように選べばよいのかポイントを紹介します。
相手への賠償は十分か
自転車保険で重要なのが事故相手に十分な賠償ができるのかという点です。自転車で他人にケガを負わせてしまったり死亡させてしまったりした場合、多額の賠償責任が発生する可能性があります。実際、数千万円から1億円近い賠償が命じられた事例もあります。
賠償額 (万円) |
裁判所 | 判決日 | 被害者 | 被害内容 | 加害者・過失 |
---|---|---|---|---|---|
9,521 | 神戸 | 平成25年7月4日 | 女性62歳 | 歩行者 後遺症害 |
小学生(11歳) 無灯火 |
9,266 | 東京 | 平成20年6月5日 | 男性24歳 | 自転車運転 後遺症害 |
男子高校生 通行違反 |
6,779 | 東京 | 平成15年9月30日 | 女性38歳 | 歩行者 死亡 |
男性 交差点進行 |
5,438 | 東京 | 平成19年4月11日 | 女性55歳 | 歩行者 死亡 |
男性 信号無視 |
4,746 | 東京 | 平成26年1月28日 | 女性75歳 | 歩行者 死亡 |
男性 信号無視 |
出典:一般社団法人日本損害保険協会
自転車保険に加入する場合はこうした高額な賠償に備えられるものか確認しましょう。相手への賠償に備える補償は自転車保険の補償の中の個人賠償責任補償(名称は保険会社によって異なる場合あり)です。これの保険金額に注目して選ぶのがよいでしょう。
示談交渉サービスはついているか
事故を起こしてしまったときに保険会社が示談交渉をしてくれるサービスがついているか否かも注意すべき点でしょう。示談交渉サービスがついていない場合、事故相手との交渉は自分で行うか自分で弁護士を立てて行うなどする必要があり、大変な労力がかかります。もしもの備えとしては示談交渉サービスがあると安心できるでしょう。
自分のケガはどこまで補償するか
自分のケガに対してどこまで備えるかによって保険料が大きく変わってきます。もちろん、補償が大きくなるほど保険料も高くなります。補償が限られたものでは死亡・後遺障害時のみ保険金が支払われてその額も小さいです。手厚いものでは通院時や入院時にも日額で保険金が支払われ、補償額も大きくなっています。自分のケガについては医療保険や生命保険で備えがある人も多いと思います。どこまで備える必要があるのか考えて自転車保険を選びましょう。
他の保険との重複はないか
自転車保険の補償内容は他の保険の補償内容とかぶっていることが多いです。個人賠償責任補償は火災保険や自動車保険などの特約で入っていることも多く、自分のケガや死亡時の補償は医療保険や生命保険で備えられている人もいるでしょう。個人賠償責任補償は複数の保険を契約していても重複して保険金を受け取れるわけではなく、合わせて実際の損害額までしか受け取れません。他で入っている個人賠償責任補償の保険金額が小さい場合は追加で入る意味もありますが、そうでなければ保険料の無駄払いとなります。自分が入っている他の保険の補償内容を確認したうえで、どこまでの補償内容が必要なのか考えるようにしましょう。
付帯サービスや特約は必要か
自転車保険は他人への賠償と自分のケガの補償が基本ですが、ロードサービスなどのサービスがついていたり弁護士費用特約のような特約をつけられたりするものもあります。こうしたサービスや特約はあると便利ですが、その分の保険料が必要となります。自分が自転車を使う状況を思い返し、そうしたサービスや特約が必要であるのであればついているものを、必要でないのであればシンプルなものを選ぶとよいでしょう。
まとめ
自転車保険はインターネットやコンビニ、自転車屋などで加入することができます。コンビニや自転車屋は提携している保険会社の保険にしか加入できないので、事前に目当ての保険会社と提携しているか確認するようにしましょう。また、自転車保険を選ぶ際には相手への賠償額の上限や自分のケガに対する補償、他の保険との重複などをもとに決めるとよいでしょう。