自転車保険ってどんな保険?どうして必要なの?

投稿日:2020年2月26日 更新日:

2015年に兵庫県で自転車保険が義務化されて以降、自転車保険義務化の流れは全国に広がっています。しかし、昔はそれほど注目されていなかったため、どのような保険なのかよくわかっていない人もいるのではないでしょうか。自転車保険とは結局のところ、どのような保険なのでしょうか。また、どうして義務化が広がっているのでしょうか?

自転車保険とは

自転車保険とは、自転車運転中の自分のケガに備える保険(傷害保険)と相手への損害賠償に備える保険(個人賠償責任保険)がセットになった保険です。

自分のケガへの備えとしては、自転車事故によってケガをして、通院、入院をしたとき、死亡・後遺障害を負ったときに保険金を受け取れます。自転車運転中以外の交通事故でケガをしたときにも補償されるものもあります。

相手への損害賠償への備えとしては、自転車で事故相手にケガをさせてしまった場合や死亡させてしまった場合、相手のモノを壊してしまった場合などで損害賠償責任が発生したときに保険金が支払われます。補償内容としては個人賠償責任保険なので、自転車での事故に限らず、飼い犬の散歩中に犬が他人にかみついてケガをさせてしまったという場合や買い物中にお店の商品を誤って壊してしまい賠償することになった場合などでも補償を受けることができます。また、保険会社による示談交渉サービスがついているものもあります。

自転車保険はどうして必要?

自転車保険の義務化が広がっている背景としては自転車事故による高額賠償があります。自動車と比べて自転車による事故は軽く見られがちですが、被害者が死亡したり重い後遺障害を負ったりすることもあります。そうした場合、加害者側に1億円近い損害賠償責任が発生することもあるのです。全国で初めて自転車保険が義務化された兵庫県も、子供による自転車事故で約9500万円の賠償が母親に命じられたことがきっかけでした。

免許もなく気軽に乗れる自転車ですが、人を殺めてしまったときや重い障害を負わせてしまったときの責任は気軽に取れるものとはいきません。大きな賠償責任が発生したときに、被害者側がきちんとその賠償を受けられるように、また、加害者側もその後の人生を棒に振ってしまわないように自転車保険の義務化が広がっているのです。

自転車事故による高額賠償事例
賠償額
(万円)
裁判所 判決日 被害者 被害内容 加害者・過失
9,521 神戸 平成25年7月4日 女性62歳 歩行者
後遺症害
小学生(11歳)
無灯火
9,266 東京 平成20年6月5日 男性24歳 自転車運転
後遺症害
男子高校生
通行違反
6,779 東京 平成15年9月30日 女性38歳 歩行者
死亡
男性
交差点進行
5,438 東京 平成19年4月11日 女性55歳 歩行者
死亡
男性
信号無視
4,746 東京 平成26年1月28日 女性75歳 歩行者
死亡
男性
信号無視

出典:一般社団法人日本損害保険協会

自転車保険を選ぶ際のポイント

現在、自転車保険は数多くの保険会社から販売されています。どのような点に着目して選べばよいのでしょうか。

個人賠償責任保険の保険金額

個人賠償責任保険の保険金額(保険金が支払われる上限)がいくらなのかに注意しましょう。過去の自転車事故では1億円近い賠償を命じられたこともあります。各自治体で広がる自転車保険の義務化も個人賠償責任保険に加入することを重視する内容となっています。

示談交渉サービスがついているか

事故を起こしてしまったときに保険会社が示談交渉をしてくれるサービスがついているか否かも注意すべき点でしょう。示談交渉サービスがついていない場合、事故相手との交渉は自分で行うか自分で弁護士を立てて行うなどする必要があり、大変な労力がかかります。もしもの備えとしては示談交渉サービスがあると安心できます。

自分のケガにどこまで備えるか

自分のケガに対してどこまで備えるかによって保険料が大きく変わってきます。もちろん、補償が大きくなるほど保険料も高くなります。補償が限られたものでは死亡・後遺障害時のみ保険金が支払われてその額も小さいです。手厚いものでは通院時や入院時にも日額で保険金が支払われ、補償額も大きくなっています。どこまで備える必要があるのか考えて自転車保険を選びましょう。

他の保険との重複

自転車保険の補償内容は他の保険の補償内容とかぶっていることが多いです。個人賠償責任保険は火災保険や自動車保険などの特約で入っていることも多く、自分のケガや死亡時の補償は医療保険や生命保険で備えられている人もいるでしょう。自分が入っている他の保険の補償内容を確認したうえで、どこまでの補償内容が必要なのか考えるようにしましょう。

まとめ

自転車保険は自分がケガをしてしまったときの補償と他人に損害を与えてしまったときの補償が合わさった保険です。自転車事故での高額賠償に備えるために義務化の流れが全国に広がっています。自転車保険を選ぶ際は他の保険との重複を確認したうえで、個人賠償責任保険の補償額や示談交渉サービス、自分のケガに対する補償と保険料の兼ね合いなどから検討するようにしましょう。

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