
車のメンテナンスパックは、車を購入したり点検したりした際に加入をすすめられることの多い点検・整備のパッケージ商品です。加入するとどのようなメリットがあるのか、必要性を知りたいと感じている人も多いのではないでしょうか。前払いの初期費用を高いと感じたり、サービス内容を不要に思ったりして、加入に消極的な人もいるかもしれません。
この記事では、車のメンテナンスパックの必要性やメリット・デメリットのほか、加入が向いている人の特徴について解説します。
記事の要約
- メンテナンスパックに加入するメリットとしては、都度交換費用や点検費用等を払うよりも費用を抑えられる、定期的な点検・整備を忘れずに受けられるなどが挙げられる。
- デメリットとしては、乗り方によっては消耗品の交換頻度が高すぎる、点検・整備する業者が固定されるなどが挙げられる。
- 安全性を重視する人や車の使用頻度が高い人、車に詳しくない人などは加入のメリットが大きい。
もくじ
車のメンテナンスパックとは?
車のメンテナンスパックとは、車両の定期的な点検や消耗品交換をひとまとめにした、パッケージ商品のことです。メンテナンスパックは、カーディーラーやカー用品店のほか、自動車整備工場などが有償でサービスを提供しています。メンテナンスパックの代金は、基本的に前払いです。
一口に車のメンテナンスパックといっても、カーディーラーやカー用品店など、サービスを提供する事業者によって内容が異なります。サービス内容は下記のものが中心です。
<車のメンテナンスパックのサービス内容>
- 6ヵ月~12ヵ月ごとの車の定期点検
- エンジンオイル・オイルフィルターなどの消耗品交換
2年ごとの車検を含むコースを設けていたり、ワイパーゴム交換やタイヤローテーションなどをサービス対象にしたりする場合もあります。
多くのメンテナンスパックは、サービス提供店舗(系列店含む)で購入した新車・中古車が対象です。カーディーラーの場合、車の購入のタイミングで案内されることが一般的ですが、車検のタイミングでも加入可能な場合もあります。
また、不特定多数のメーカーの車を受け入れるカー用品店などでは、エンジンオイルの粘度に加入条件が設けられている場合があります。
車のメンテナンスパックの加入メリット
車のメンテナンスパックは、加入するとどのような利点があるのでしょうか。ここでは、車のメンテナンスパックの加入メリットについて解説します。
点検・整備や部品の交換費用を抑えられる
車のメンテナンスパックに加入することで、点検・整備や消耗品の交換費用が抑えられるのがメリットです。
代金はサービスを提供する業者によって異なりますが、メンテナンスパックに加入した場合、未加入で点検や部品交換をその都度行うより約20~30%、場合によっては50%程度安くなることもあります。加入年数が長くなれば長くなるほど、割引率が高くなるのもメンテナンスパックの特徴です。
代金は前もって支払うため、車を購入して経済的な余裕がない状況で、予期しない整備費用が発生するリスクも抑えることができます。
安心してドライブを楽しむことができる
車のドライブを安心して楽しむことができるようになるのは、メンテナンスパック加入メリットのひとつといえるでしょう。プロの整備士が行う定期的な点検や部品交換により、事故や故障の原因を早期発見できます。
特に最近の車は電子制御の複雑化が進んでおり、電子系統の検査には専門的な知識と専用診断機器が不可欠です。メンテナンスパックに加入することで、これらのチェックを定期的に受けられます。
車の市場価値が維持できる
メンテナンスパックに加入することで、車の市場価値が維持できるのもメリットです。こまめにメンテナンスを受けた車は点検・整備の記録がしっかりと残されるだけでなく、各所の劣化も抑えられるため、買取査定の際にもプラスの評価を受けやすい傾向があります。
使用状況によりますが、メンテナンスパックに加入していた車は「大事に維持されていた車」として中古車市場で高値で買い取られる可能性があるのです。
通知が届くので定期的なチェックを忘れずに受けられる
メンテナンスパックに加入することで、カーディーラーなどから定期点検前に通知が届きます。この通知によって、日々の忙しさにかまけて定期点検を受けるタイミングを逃さずに済むのは、メリットといえるかもしれません。
車のメンテナンスパック加入のデメリット
車のメンテナンスパックの加入は、メリットだけではないことに注意が必要です。ここでは、車のメンテナンスパック加入のデメリットについて解説します。
消耗品の交換頻度が高い
車のメンテナンスパック加入によってエンジンオイルなどの消耗品の交換頻度が高くなるのは、ユーザーによってはデメリットといえるかもしれません。
エンジンオイルの交換目安はガソリン車の場合、距離として5,000~1万kmごと、また期間としては6ヵ月~1年ごとが一般的です。メンテナンスパックによってはエンジンオイルを6ヵ月ごとに交換することになるため、普段あまり長い距離を乗らないユーザーにとっては、交換頻度が高すぎて、コストに見合わないように感じられる可能性があります。
ただし、短距離走行の繰り返しや渋滞が多い都市部で車を使用している場合、自動車メーカーが定める厳しい使用状況である「シビアコンディション」に該当する可能性があり、短いスパンでのオイル交換が必要となる場合があります。
このようなケースでは、長い距離を走行していなくても、メンテンナンスパックに加入する価値があるといえるでしょう。
点検・整備する業者を選べない
車のメンテナンスパック加入のデメリットとして、点検・整備する業者を選べないことが挙げられます。基本的にメンテナンスパックの対応が受けられるのは、カーディーラーであれば、同一メーカーの系列販売店のみです。他の都道府県に引越ししても同じ系列のカーディーラーで対応してもらえるものの、自動車整備工場の点検や整備は対象外となります。
また、車検が含まれるコースの場合、車検のみを他の安い車検取扱業者に依頼することもできません。
初期費用がかかる
車のメンテナンスパック加入のデメリットとして、数万円から十数万円の初期費用が前払いでかかることが挙げられます。車の購入時に加入することが多いためマイカーローンに組み込むこともできますが、それに伴って月々の返済額が多くなる点には、気をつけなければならないでしょう。
また、メンテナンスパックは一定期間の契約が基本となるため、途中解約には条件を満たす必要があります。解約時には、パッケージ料金の残額から「既に実施した点検・整備費用を通常価格(割引なし)で計算し直した金額」を差し引いた額が返金額となるのが一般的です。
メンテナンスパック加入者は通常価格よりも割引を受けているため、この計算方法の適用により、実質的に損をしたり、ほとんど返金されないケースがあったりすることに留意してください。
メンテナンスパック外の整備費用がかかることがある
車のメンテナンスパックのパッケージに含まれていない整備が必要となった場合、別途整備の工賃や部品代がかかる点もデメリットといえます。
また、車検の際に必要な自賠責保険料や自動車重量税などの「法定費用」は、メンテナンスパックには含まれていないのが一般的です。メンテナンスパックに加入したからといっても、メンテナンスにかかるすべての費用が不要になるわけではないことに留意してください。
車のメンテナンスパック加入が向いている人の特徴
車のメンテナンスパックは、どのようなユーザーが加入するとメリットが大きいのでしょうか。ここでは、車のメンテナンスパック加入が向いている人の特徴について解説します。
安心・安全を重視する人
車のメンテナンスパック加入が向いている人として、安心・安全を重視する人が挙げられます。電子系を中心に構造が複雑化する最近の車であっても、プロの整備士が最新の診断機器を使って点検することで、故障の原因となる部品の劣化・不調を早期に発見できるでしょう。
さまざまな機械の集合体である車の安心・安全は、定期的なメンテナンスで維持できるものです。車に命を預けるからには安全性が何より大事と考える人は、メンテナンスパックの加入向きといえるかもしれません。
車の利用頻度が多い、走行距離が長い人
車の利用頻度が多かったり、走行距離が長かったりする人は、メンテナンスパックに加入したほうが結果的に手間や費用が抑えられるため、効率が良いといえます。これは、長距離走行によって車の各部分が劣化しやすいのが理由です。
メンテナンスパックに加入していれば、エンジンオイルなど長距離を走ることで劣化しやすい消耗品を定期的に点検・交換してもらえるので、どれだけ車に乗っても、不安になることはないでしょう。
車に詳しくない人
車に関する知識があまりなく、点検や消耗品交換の適切なタイミングがわからないという人は、メンテナンスパックに加入すべきといえます。車に詳しくないと、点検や消耗品の交換時期などがわからないまま車に乗り続けてしまうため、故障の原因を見過ごしてしまい、車が走行中に異常をきたしたり停止してしまったりするリスクがあるからです。
その点、メンテナンスパックに加入していればトラブルの原因を早期発見できるため、車に詳しくなくても安心して運転できるでしょう。
予定外の出費を抑えたい人
予定外の出費を抑えたい人も、メンテナンスパックに加入することをおすすめします。例えば、メンテナンスを忘れて消耗品が破損・劣化し、結果的にエンジンなどの機関部分が故障すると、高額の修理代がかかる可能性があります。
メンテナンスパックで定期点検を行っていれば予防的な整備ができるので、大きなトラブルを引き起こす可能性は少なくなります。それは、予定外の出費に悩まされる機会を減らすことにつながるのです。
メンテナンスパックや自動車保険は定期的に見直そう
車のメンテナンスパックに加入していれば、定期点検や消耗品の交換を安く受けられるので、低コストで安心・安全なカーライフが実現する可能性があります。ただし、新車購入時に加入したものの、あまり距離を乗らない人にはメリットを感じられないかもしれません。更新のタイミングで契約を見直すことで、車の維持費を削減できる可能性があります。自動車保険の保険料などと同時にチェックし、維持費を抑えるのがおすすめです。
ちなみに、自動車保険の補償内容は、保険会社によって異なり、保険料も変わってきます。自動車保険は複数の保険会社に見積もりを依頼して、比較・検討してください。
難点としては、各保険会社のウェブサイトで見積もり依頼はできるものの、手間や時間がかかること。そこで、自動車保険の一括見積もりサービスを利用して、手軽に見積もりを依頼するのがおすすめです。
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