高速道路の本線上は、100km/h近い車が行き交っている空間です。一般道と同じ感覚で行動すると、思わぬ事故に巻き込まれる可能性があります。高速道路上で、事故や故障で停止した車の運転者や同乗者が、後方からきた車にはねられ死亡するといった事故も起きています。
高速道路ではどのような事に気を付ければよいのか、高速道路で発生しやすい事故の特徴や原因、対策ポイントなどをまとめました。
高速道路の交通事故死傷者数
コロナ禍による外出自粛の影響で死傷者数は一時大きく減少しましたが、交通量の回復に伴い死傷者数も増加しています。ただし、2019年の水準までは増加しておらず、上げどまっています。
| 区分 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 死者数 | 163 | 114 | 136 | 152 | 138 | 139 |
| 重傷者数 | 527 | 404 | 410 | 427 | 488 | 499 |
| 軽傷者数 | 11,702 | 7,166 | 7,423 | 8,947 | 10,124 | 9,735 |
| 死傷者数 | 12,392 | 7,684 | 7,969 | 9,526 | 10,750 | 10,366 |
※出典:警察庁交通局「令和6年中の交通事故の発生状況」
交通事故の傾向と安全運転のポイント
【ポイント1】 車両故障や渋滞に注意!
2024年に高速道路で発生した事故のうち、最も多い原因は車両への追突事故(4,449件)で、全体の70%以上を占めています。追突事故の中で最も多いのが事故や故障、渋滞などで停止している車への追突(2,115件)、ついで走行車への追突(1,296件)となっています。(出典:警察庁交通局「令和6年中の交通事故の発生状況」)特に高速道路ではスピードを出して運転するため、追突事故が重大事故に繋がりやすくなります。
また、2024年9月~11月におこなわれた国土交通省の調査の結果(「令和6年度路上故障の実態調査結果」)によると、高速道路で発生した車両故障のうち、タイヤの故障発生割合が61.8%と高い割合を占め、次いで潤滑油で4.0%です。一方で、一般道路では同じくタイヤの割合が1番高いですが、全体に占める割合は35.1%と高速道路ほど高くありません。また、タイヤに次ぐ故障部位はバッテリーで28.5%です。高速道路で2位の潤滑油は0.8%で7位となっています。
一般道路と比べても、高速道路でのタイヤによる車両故障トラブル(パンクや空気圧不足)が多い傾向であることが分かります。高速道路走行前には、タイヤの摩耗量や外観の傷の確認、空気圧の確認等の日常点検を確実に実施することで、故障防止および、渋滞の発生や追突事故の防止に繋がります。
【ポイント2】 歩行者に注意!
高速道路や自動車専用道路では人は通らないと思いがちですが、人が車にひかれてしまうという事故も少なくありません。警察庁交通局の発表によると、令和6年には高速道路上での人対車両の事故は94件発生しています。
人対車両の事故では、事故や故障の際に高速道路上に出てしまい、後続車にひかれてしまうというケースがあり、運転者側も路肩等に停止している車を見かけたら速度を落とすなど、注意して運転する必要があります。
また、もしやむを得ず停車した場合は路肩に移動し、一般の道路の感覚で路上で行動しないように注意しなければなりません。発煙筒や三角表示板などの停止表示器材を設置し後続車両へ注意を促しましょう。また、むやみに路肩を歩かず、ガードレールの外側など安全な場所に避難するようにしましょう。
【ポイント3】 シートベルトは必ず着用!
後部座席でシートベルト非着用時の致死率(死傷者数に占める死者数の割合)は、高速道路では着用時の約16.6倍、一般道路では着用時の約2.7倍も高くなっています(令和2年~令和6年合計、出典:警察庁)。
平成20年に後部座席のシートベルト着用が義務化になりましたが、令和6年におこなわれた警察庁とJAFの調査では、高速道路での後部座席での着用率は79.7%という結果になっています。運転席では99.6%、助手席では98.8%であることに比べて着用率が低くなっています。(シートベルト着用状況全国調査結果(令和6年))後部座席でシートベルトを着用せずに交通事故に遭った場合、車外放出の他に前席同乗者への加害などの危険性があります。シートベルトを着用することで、車外放出による死亡事故を減らすことができるでしょう。
高速道路で交通事故に遭わないためには、走行する前にタイヤ等の車両点検をおこない、車に乗る人はシートベルトを必ず着用し、普段走行している一般道路との違いをふまえて運転することが重要になります。








