外出先でバッテリーが上がってしまった、エンジントラブルで車が動かない、給油しそびれてガス欠になってしまったなど車のトラブルが発生したときに役に立つのがロードサービスです。昔からロードサービスと言えばJAFが有名ですが、今は自動車保険各社も自社の保険に付帯するロードサービスをアピールポイントの一つとして競い合っています。JAFと自動車保険のロードサービスにはどのような違いがあるのでしょうか?自動車保険に加入している場合、JAFにも加入する必要はあるのでしょうか?
もくじ
JAFと自動車保険のロードサービスの違い
JAFと自動車保険付帯のロードサービスにはいくつか違いがあります。どのような違いがあるのか紹介します。
JAFは「人」、自動車保険は「車」が対象
JAFと自動車保険のロードサービスの一番の違いはサービスが適用される対象でしょう。JAFは人にかかるサービスであるのに対し、自動車保険は車にかけるものです。つまり、JAFに加入している場合はレンタカーや会社の車、友人の車、バイクなど自分の車以外に乗っている場合もJAF会員向けのサービスを受けることができますが、自動車保険では契約車両以外でのトラブルには使えません。
自分の車以外に乗る機会が多い方はJAFにも加入しておくと安心できるでしょう。
バッテリー上がりやガス欠などの対応回数
自動車保険のロードサービスではバッテリー上がりの対応やガス欠時の給油などは年間1回までや2回までなどと回数制限がついていることが多いです。一方で、JAFのロードサービスでは利用回数の制限はありません。ただし、自動車保険の対象は契約車両だけなので、1年に何回もバッテリー上がりを起こしたりガス欠を起こしたりしている場合は車の運転の仕方を見直した方がよいと思います。
スタック時の引き上げやパンク応急修理等の対応
自動車保険のロードサービスでは保険会社によって雪道やぬかるみなどにはまって動かせなくなってしまったときの引き上げに対応していないことがあります。また、パンクしてしまった場合にスペアタイヤへの交換は対応していますが、応急修理には対応していません。その他、自走可能な状態での異音や異臭などのトラブル点検など自動車保険のロードサービスよりもJAFのロードサービスの方が対応範囲が広いです。
JAF会員向けの特典
JAF会員向けに全国約47,000カ所にあるJAF会員優待施設で割引・特典など会員優待サービスが用意されています。優待の情報については「JAFナビ」というサイトにまとめられているので、どのような優待があるのか一度確認してみるとよいでしょう。
JAF会員は自動車保険で優遇を受けられる場合も
自動車保険会社の中にはJAFと提携している会社もいくつかあります。JAF会員がそうした保険会社に加入した場合、ロードサービスの無料サービス範囲拡大などの優遇を受けられます。例えば、JAF単独で受けられるスタック時の引き上げやパンクの応急修理などの対応の追加のほかに、ガス欠時の燃料代の無料サービスが1年間に1回無料だったのが2回無料に拡大されるなどです。JAF会員限定の優遇サービスの内容は保険会社によって異なりますので詳細の内容はJAFの紹介ページをご確認ください。
JAFに加入するメリットが大きい人は?
一部の自動車保険ではロードサービスを外すことができますが、多くの自動車保険ではロードサービスを外すことができません。そのため、「自動車保険のロードサービスのみ」あるいは「自動車保険のロードサービス+JAFのロードサービス」のどちらかの選択となる人が多いと思います。JAFに加入するメリットが大きい人はどのような人でしょうか?
レンタカーや友人・知人の車に乗る機会が多い人
上で説明した通り、自動車保険のロードサービスの対象となるのは契約車両ですが、JAFのロードサービスの対象となるのはJAF会員です。そのためレンタカーや友人・知人の車に乗る場合、自分の車で契約している自動車保険のロードサービスを使うことはできませんが、JAFであればその場合でも会員向けの料金(基本的なサービス内容では無料)でロードサービスを受けることができます。レンタカーや友人・知人の車に乗る機会が多い人はJAFに加入するメリットが大きいといえるでしょう。
雪道やぬかるみを運転する可能性がある人
雪道やぬかるみで車がはまって動けなくなった場合、自動車保険のロードサービスではその引き上げには対応していない、対応している内容が限られている場合があります。雪の多い地域にお住まいの方や毎年スキーに行く方、砂浜に車で入り込むことがある方などはスタックしてしまった場合に備えてJAFに加入しておくと安心できるでしょう。
JAFの優待に普段使っている施設が含まれている人
さまざまな施設でJAF会員向けに優待サービスが行われています。上2つの内容にメリットを感じないのであれば「JAFナビ」に記載の優待情報を見てメリットを感じるかを判断基準とするのもよいでしょう。会員優待サービスをうまく使えば年会費相当の割引を受けられる可能性もあります。
まとめ
JAFと自動車保険のロードサービスの大きな違いは、JAFが「人」にかかるものであるのに対して自動車保険は「車」にかけるものであるということです。そのため、JAFに加入していればレンタカーや友人の車に乗っている場合でもJAF会員料金でロードサービスを受けることができます。そのほかスタックの対応や自走可能な状態での車の異音・異臭の点検などJAFの方が幅広く対応している傾向にあります。これらを踏まえて自動車保険のロードサービスのみで問題ないか、JAFにも加入するか判断するとよいでしょう。
著者情報
堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。