2020年の年末、2021年にはいってからも大雪による車の立ち往生のニュースが続きました。なぜ、大雪で立ち往生は起こってしまうのでしょう。立ち往生を起こさないためにその原因を知って大雪の時に車を運転する時の心構えを確認しておきましょう。また、冬は交通事故が増えるシーズンです。冬の運転の注意点について紹介します。
もくじ
大雪による車の立ち往生の原因
ニュースで高速道路などで大雪が原因による車の立ち往生が起こってしまい、長時間動けないという状況になっている映像を見たことがある人も多いと思います。大雪による立ち往生は、いくつかの悪条件が重なって起こってしまいますが、雪の中を運転する時には立ち往生を起こさないように、巻き込まれないように、自己防衛の対策も必要です。
立ち往生の原因
2020年の年末に起こった関越自動車道での車の立ち往生は、大雪の予測が甘かったというネクスコの発表もありましたが、大規模な車両停滞が発生してしまったのは、高速道路内で大型車が大雪によって立ち往生してしまったことが原因のようです。高速道路で車が止まってしまい走行する道を塞いでしまうと渋滞がおこるのは容易に想像できます。更に、路肩には雪が降り積もり、渋滞で止まっている間にも積雪増加で車も雪に埋まっていくような状況となるわけです。
このような状況は一般道でも注意しなければいけません。特に雪があまり降り積もる事がないエリアに住む人は車のタイヤを冬タイヤに変えるという習慣がない人も多いです。しかし、普段雪があまり降らなくても積雪の予報や路面凍結など冬の車の走行には気を付けなければいけないことが多くあります。
降雪で起こりやすいトラブル
雪が降り積もる中、走行中の車が止まってしまっては立ち往生を起こしてしまうリスクがあります。車は寒さや雪に弱いです。雪道でのトラブルを防ぐための自己防衛として事前の備えはしっかり行ってきましょう。
フロントガラスの凍結やくもり
冬はフロントガラスの凍結が起こる事がよくあります。冷え込みが激しい日の朝方に車を運転しようと思ったらフロントガラスが凍結していて仕事に遅れてしまった、という経験がある人もいるかもしれません。寒い車外との激しい温度差でガラスが曇ってしまう事もあります。運転中の曇りは曇り除去機能を使えますが、車を駐車中にフロントガラスが凍結してしまった時のためにお湯を準備しておくなどは急な対応に有効です。また、フロントガラスに撥水コーティングをすることで凍結防止にもつながります。
バッテリー上がり
バッテリーが上がってしまうとエンジンがかからなくなってしまい車は動きません。バッテリーは寒さに弱いので冬はバッテリーが上がりやすい環境だといえます。冬が来る前にバッテリーの状態のチェックとメンテナンスをしておきましょう。
スリップ
雪道ではハンドルが重くなりますし、雪が固まって凍結した道路ではゆっくり走行していてもブレーキを踏んだ時に車がスリップしてしまうリスクがあります。冬の寒い時期は、慣れた道でもスリップしやすい状況になっているという事を認識し、車間距離をとって慎重な運転を心掛けましょう。
スタック
雪道で雪にタイヤがはまってしまい動けなくなる事をスタックといいます。アクセルを踏んでもタイヤが空転して前に進めなくなってしまう状態です。雪が降り積もった場所で起こりやすいです。
ガス欠
冬場は車の燃費が悪化すると感じている人も多くいるようです。冬場は暖房のため、エンジンを暖めるためのアイドリングやエアコンの使用、スタッドレスタイヤを履いていることなどが影響しガソリンの消費が早くなっていることがあります。こまめにチェックし給油をしましょう。
冬の運転装備に必要なこと
故意に雪道対策をせず事故やトラブルを起こした場合には安全管理義務違反となる場合があります。冬の運転装備は事前に用意しておきましょう。用意できない場合は、車の運転を控えるようにしましょう。
冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ)への履き替え
雪の降るエリアに住む人は冬の時期になればスタッドレスタイヤに履き替えるという事は常識となっているかもしれませんが、雪があまり降らないエリアで冬用タイヤを持っていないという人もいるでしょう。雪があまり降らないエリアに積雪予報などがある場合には、冬用タイヤを準備するか、車の運転は避けるようにしましょう。
冬に立ち往生してしまう車は冬用タイヤを装着していなかったケースも多いです。路面の凍結などもスリップしたりと危険なため注意しましょう。
タイヤチェーンの準備
冬用タイヤに履き替えているのにタイヤチェーンの装着も必要?と思う人もいるでしょう。しかし、大雪の状況で立ち往生してしまう車の多くは冬用タイヤは装着していたけれどもチェーンは未装着だったというケースが多いです。雪が多く降るエリアでは冬用タイヤだけでは不十分なこともありますので準備が必要と言えそうです。また、積雪予報からチェーン規制となる場合もありますので車に常備しておくようにしましょう。
普段、雪があまり降らないエリアに住む人が急な積雪に備えるためにはタイヤチェーンを準備しておくと便利です。冬用タイヤは雪道やアイスバーン用のタイヤの為、通常の乾燥した道路を走るとタイヤの劣化が早くなります。雪があまり降らないエリアで急な積雪でも運転できるようにしておくために、タイヤチェーンを準備しておけば普通タイヤに装着して走行できるため便利です。
冬用ワイパーと冬用ウォッシャー液への交換
通常のワイパーは、凍結や雪に弱いです。錆や故障で性能が低下することがあるため雪が降るエリアに住む人は冬に適したワイパーの準備をしておくとよいでしょう。冬場は日没も早く、天候の悪化により視界も悪くなります。天気が悪い中でも出来るだけフロントガラスをクリアに保つために冬用ワイパーに交換してくとよいです。
また、ウォッシャー液も凍結につよい不凍タイプのものに変更しておくとフロントガラスの凍結防止に便利です。
寒さに強いエンジンオイルへの交換
豪雪地域では、エンジンオイルを寒さに強い低粘度のオイルに変更するとよいです。低粘度とは、エンジンオイルの硬さのことです。低粘度オイルに変更しておくとエンジンが低温時でも始動性が良くなります。
豪雪地帯で車に装備しておきたいグッズ
スコップ
豪雪地帯では一晩で雪が降り積もることも多くあります。1日中雪が降り続けて外出先で駐車中の車の周りに雪が降り積もっているような状況の時には、スコップがあると便利です。スタックを起こしてしまった時の脱出用でもスコップは役立ちます。車の周りの雪をどかして発進させなければいけない状況となることが多ければスコップは必需品となるでしょう。
雪かき棒
車のフロントガラスや屋根に降り積もった雪を落とすことができます。豪雪地帯では、外出先でも必要になる事が多いので常に車に常備しておくアイテムとしてもあるとよいでしょう。
解氷スプレー
氷を解かすことができるスプレーです。鍵穴が凍ってしまっている時、フロントガラスが凍結している時などに便利です。
手袋・長靴
外出先での車の雪かき用に冬用のゴム手袋・長靴が車に常備されていると助かります。
ブースターケーブル
バッテリー上がり対策用のブースターケーブル。冬はバッテリー上がりを起こしやすいので臨時の対策用にブースターケーブルが車にあると安心です。寒さでバッテリーが上がってしまいエンジンがかからなくなってしまっても車にブースターケーブルが常備されていればエンジンを動かすことができて立ち往生防止に役立ちます。
けん引ロープ
車のタイヤがスタックした時にけん引ロープで引っ張り雪に埋まったタイヤを脱出させます。けん引ロープで周りの車に救助をお願いして助けてもらう事ができるかもしれません。
タオル・毛布など
不用になったタオルや毛布を車に常備しておくと何かと便利です。フロントガラスを拭いたり、タイヤが雪にはまってしまった時(スタック)の脱出のためにタイヤの下に敷いたりできます。冬だけでなく車の清掃などにも使えるのでタオルなどの布類は常備されていると助かります。
大雪での車のトラブル!ロードサービスは使える?
雪道で雪にタイヤが雪にはまってしまい動けなくなるスタックを起こしてしまった時には、JAFや一部の自動車保険のロードサービスでは利用可能です。自動車保険のロードサービスは、現在、ほとんどの保険会社で自動付帯になってるため自分の自動車保険のロードサービスの内容を確認してみるとよいでしょう。スタックをロードサービスの対象外としている自動車保険会社や普通タイヤでのスタックは対象外としている自動車保険もあるようです。そのような場合は、自動車保険のロードサービスを利用することはできないので別途JAFなどのロードサービスに依頼をすることになります。
自動車保険をロードサービスの内容で選ぶという人もいます。利用回数なども自動車保険によって異なる事もあるようです。ロードサービスは自動車保険会社のサービスのためそれぞれ差別化をはかっているところでもあります。自動車保険を選ぶときにはロードサービスの内容も比較してみるとよいでしょう。
まとめ
車は寒さに強くありません。豪雪地帯は、地方に多く北海道などでは特に車がない生活は考えられないというようなエリアも多いです。もともとそのような地方に住む人は雪の対策は習慣となっており、冬場の運転に備えた準備は常識となっているかもしれません。しかし、普段、雪に慣れていないエリアに住む人は降雪の予報などがある時には、車の運転にはいつもと違う状況になるという事を理解し事前に対策をしておく事が大切です。また、雪の降るエリアに出かける際にも注意しましょう。