優良運転ドライバーであることの証明にゴールド免許は広く知られていますが、運転経歴に関わる証明書に「運転記録証明書」や「無事故・無違反証明書」なども存在します。これらの書類は、どんな時に必要でどこで発行してもらえるのか、無事故・無違反であった場合の優遇措置などについて紹介します。また、自動車保険でも運転記録証明書や無事故・無違反証明書は優良ドライバーの証明として割引などの適用はあるのか確認してみましょう。
もくじ
「運転記録証明書」とは?
運転記録証明書は、ドライバーの運転免許の行政処分、交通違反、交通事故の記録を証明する公的な書類です。過去5年、3年、1年にさかのぼり交通違反や交通事故の記録を証明してくれます。
「運転記録証明書」に記載されていることは?
運転記録証明書には、取得の選択をした期間(過去5年、3年、1年)の運転免許の行政処分、交通違反、交通事故の詳細が記載されています。
- 申請者の情報(氏名、生年月日、免許証番号)
- 現時点での行政処分の前歴回数、累積点数
- 運転免許の行政処分があった場合の内容(年月日)
- 交通事故の場合の内容(年月日、事故の種別と原因、点数)
- 交通違反の場合の内容(年月日、交通違反の内容、点数)
運転記録証明書には、軽微な違反などもすべて記載されます。しかし、点数が加算されない物損事故(酒気帯びでの事故を除く)は、記載されません。人的被害のない物損事故や自損事故は行政処分上は、無事故の扱いとなるためです。
どんな時に役に立つ?
運転記録証明書は、タクシーやトラック、バスのドライバーなど車を運転する職業に就く際に、その人が優良なドライバーであるかを証明する書類として広く利用されています。仕事で車を運転する際に必要となる書類となっていますが、多くの現場で安全運転管理に運転記録証明書が活用されていることで企業内だけでなく社会全体の交通安全意識の向上に貢献していることが報告されています。(自動車安全運転センター_運転記録証明書の活用効果より)
「無事故・無違反証明書」とは?
無事故・無違反証明書は、無事故・無違反ドライバーである期間を証明する公的な書類です。「○年○月○日以降(昭和44年10月1日(沖縄県交付は昭和47年5月15日)以降の期間に限る)、○年○月○日まで交通事故及び交通違反について記録されておりません」といった内容の書面になっています。
運転記録証明書は、運転免許の行政処分、交通違反、交通事故の記録が詳細に記載されますが、無事故・無違反証明書は期間に絞って事故がないことに絞って記載となります。無事故・無違反を証明する期間は、運転記録証明書と違い、昭和44年10月1日(沖縄県交付は昭和47年5月15日)以降から証明が可能と長い期間をさかのぼって証明してくれる書類です。
どんな時に役に立つ?
無事故・無違反証明書も運転記録証明書同様に、タクシーやトラック、バスのドライバーなど車を運転する職業に就く場合に優良ドライバーである事の証明として利用されています。
申請方法は?どこで発行してもらえる?
運転記録証明書や無事故・無違反証明書は、「自動車安全運転センター」に申請することで発行が可能です。自動車安全運転センターは、全国の都道府県に設置されています。証明書申込用紙は、全国の自動車安全運転センター事務所だけでなく警察署、交番、駐在所で取得することができます。
申し込みは、直接センターの事務所窓口に持参するか、手数料を添えて最寄りのゆうちょ銀行・郵便局から申し込む事も可能です。証明書の交付手数料は1通670円でゆうちょ銀行、郵便局から申し込む場合は、別途振込手数料も必要になります。どちらの場合も即時交付はしていないので余裕をもって手続きを行うようにしましょう。
運転記録証明書や無事故・無違反証明書のどちらも、車を運転する事の多い事業所などで利用されています。そのため、事業所で一括申請するケースなども多くあるようです。そのような時には、申請者本人の委任状を受け代理申請することが可能です。
SD(セーフドライバー)カードとは?
運転記録証明書または無事故・無違反証明書を申請すると証明日より前1年以上事故・違反などの記録がない場合は、証明書と共にSD(セーフドライバー)カードが発行されます。SDカードは、無事故・無違反の期間によって種類が分かれており、SDカード優遇店で提示するとガソリン代やカー用品などが割引となる優遇措置があります。SDカードがどこで利用できるかは、自動車安全運転センターのHPで確認出来ます。また、全国各地のSDカード優遇店にステッカーが貼ってあるのでステッカーを見つけたら利用してみましょう。
SDカードの種類
無事故・無違反の期間 | SDカードの種類 |
---|---|
1年以上2年未満 | SDグリーンカード |
2年以上4年未満 | SDブロンズカード |
4年以上10年未満 | SDシルバーカード |
10年以上20年未満 | SDゴールドカード |
20年以上 | SDスーパーゴールドカード |
「運転記録証明書」や「無事故・無違反証明書」は自動車保険料の割引に使える?
現在、運転記録証明書や無事故・無違反証明書を提出することで自動車保険料が割引となるといった保険会社のサービスはないようです。しかし、優良ドライバーであれば保険料の割引を受けられるサービスや制度があります。無事故・無違反であれば自動車保険料の割引も受けられるため、交通ルールは守り安全運転で優良ドライバーを目指しましょう。
ゴールド免許割引を活用する
優良ドライバーであれば、多くの自動車保険会社のサービスにある「ゴールド免許割引」で保険料が割引になります。ゴールド免許割引は、保険始期日時点の記名被保険者の運転免許証の色がゴールドの場合、保険料が割引となるサービスです。割引率は保険会社によって異なりますが、優良運転ドライバーであることで受けられる自動車保険の割引サービスです。ゴールド免許は、過去5年間無事故・無違反であった場合に交付が受けられます。自動車保険の優良ドライバーである証明は、わざわざ運転記録証明書や無事故・無違反証明書を申請しなくても免許証がゴールドであれば優良ドライバーとして判断してくれるため手間がかかりません。
無事故よる等級への影響
自動車保険には等級制度があり保険料を決めるうえで重要な役割を果たしています。自動車保険の等級は1等級から20等級まであり、初めて契約する際は6等級からスタートします。1年間保険を使う事故を起こさなければ次年度に等級が1等級あがり、逆に保険を使う事故を起こした場合には、次年度に等級が3または1等級下がり、等級が高ければ高いほど保険料の割引率が高くなるため保険料が安くなるという制度です。自動車保険に新規で契約してから無事故・無違反の優良ドライバーであれば年数を重ねるごとに保険料の割引率が高くなり保険料は安くなります。安全運転を心がけ無事故・無違反であれば自動車保険でも保険料を安く抑えられるというメリットがあります。
まとめ
運転記録証明書や無事故・無違反証明書は、タクシーやトラック、バスのドライバーなど車を運転する職業に就く際に、その人が優良なドライバーであるかを証明する書類として広く利用されています。運転記録証明書は、ドライバーの運転免許の行政処分、交通違反、交通事故の記録の詳細が記載されています。無事故・無違反証明書は、指定した期間の事故の有無が記載されています。
自動車保険の申し込みの際に運転記録証明書や無事故・無違反証明書を活用することはありませんが、自動車保険では、ゴールド免許が優良ドライバーである事の証明として活用できます。多くの保険会社のサービスである「ゴールド免許割引」を活用したり、無事故・無違反を継続し等級を上げることで保険料を安くすることができます。無事故・無違反を継続することは自動車保険の保険料割引においてもメリットが高いため車を運転する時には安全運転を心がけましょう。