事故が発生して自動車保険を使うときこそ、自動車保険本来の力を発揮するタイミングであり、その価値が生かされる瞬間です。
しかし、滅多に経験することのない事故現場で混乱している中、現場対応とは何をしたらよいのか、どのタイミングで保険会社に事故連絡をして何を伝えればよいのでしょうか。
基本的な現場対応と事故受付時の必要事項をまとめました。
事故発生後の流れ
事故発生後の流れについて説明します。
後ほど説明しますが、保険会社への事故受付は基本的に現場対応を終えて、全て落ち着いた段階での連絡で大丈夫です。
しかし、100:0の追突事故等明らかな加害事故となる場合は、今後のトラブルを避ける為にも早めに相手方の対応してあげないといけない為、早めに事故受付を済ませましょう。
①身の回りの安全確保 事故発生後、まずは身の回りの安全を確保しましょう。 自車・相手車共に運転者・同乗者に怪我をした人はいないでしょうか。 歩行者または自転車と接触して相手方が転倒。相手方に怪我はないでしょうか。 よくある質問 追突を受けて首に違和感がする。念のため、病院にいってもよい?→違和感を感じたらすぐに病院へ受診してください。 ●破損物が飛び散っている等往来するのに危険が及んでいる場合、万一その破損物を他の車や人が踏んだら大変です。 二次災害を避ける為にも警察へ連絡して現場対応・現場検証を優先してください。 接触した相手方トラックの荷台から落下物などはないでしょうか。 店舗に突っ込んでの窓ガラスが破損。周囲にガラスが飛び散ってないでしょうか。 標識に接触して標識が倒れたりしてないでしょうか。 自車は安全な場所に停車していますか。 よくある質問 ドライブレコーダーのSDカードは抜いた方がいいの? | |
②自車の安全運転確保 故障・事故で車が動かない等のトラブルが発生している場合は、JAFもしくはロードサービスを利用しましょう。 窓ガラス、サイドミラー、ウィンカーは割れていないでしょうか。 異音はしないでしょうか。煙も出ていないでしょうか。 事故受付の際にロードサービスが必要な旨を伝えればそのまま転送対応してくれる場合がありますので、事故受付時に申し出るのもよいでしょう。 | |
③必要情報の確認 相手方がいる場合は相手方と連絡先を交換し、必要な情報を確認してください。 よくある質問 忙しくてすぐに現場を離れないといけない・・・ 相手と直接話したくない・・・ | |
④事故受付 加入保険会社へ連絡して事故受付をしましょう。 保険期間は有効でしょうか。 自賠責保険と混同していませんか。 よくあるケース 加入保険会社が分からない。 | |
⑤担当者にて対応 事故受付をしたのが保険会社の営業時間内であれば、その日に担当者から折り返しの連絡があります。 繋がりやすい連絡先や時間帯を事故受付時に伝えましょう。 |
現場に駆けつけてくれる?!
現場急行サービス等駆けつけてくれるサービスもありますが、基本的に保険会社は事故現場に駆け付けません。事故現場でのお困りごとを事故受付時に伝えたり、代理店さんに相談してみましょう。
よくあるお困りごと
●駐車場で無人駐車中の相手車に接触したが、相手方が帰って来ず相手の連絡先が分からない。
→駐車場の管理人さんに相談するか、警察へ連絡しましょう。
●現場で揉めている。
→警察へ相談しましょう。
●相手方が保険会社と話したいと言っている。
→保険会社の担当者もしくは事故受付員へその旨お伝えください。
事故受付をするタイミングは?
事故受付は現場対応を終えて、落ち着いた段階での連絡でも大丈夫。
怪我人がいたり、事故車で道路を塞いでいる等の場合は、二次災害を防ぐ為にも現場対応を優先してください。
相手方がいる事故はお互いに保険会社に連絡しましょう。
自分は責任がないから保険会社に連絡しなくてはよいのではないか等ご自身の主張があるかもしれませんが、責任割合の判断は専門知識をもった保険会社担当者にお任せして、お互いの保険会社に事故受付を済ませましょう。
保険を使うかどうかまだ決めていなくても事故受付をして大丈夫。
保険を使うかどうかの判断は、事故受付をして担当者が修理工場との打合せ後でも問題ないです。次年度の等級・保険料変化後を担当者に相談してみましょう。
警察への届け出
道路上で事故を起こした場合は、警察への届け出をしましょう。
警察対応と保険会社の対応は別である為、警察への届け出がないからといって「保険金が支払われない」「対人対応はできない」等はないですが、道路上で事故が起きた場合は警察へ連絡するよう道路交通法で定められていますので、速やかに警察へ連絡しましょう。
事故受付時に必要な情報
事故受付時に必要な情報です。
全て完璧に分からなくても大丈夫です。落ち着いて情報を整理して事故受付をしましょう。
証券番号
分からない場合は、登録上のナンバープレート、住所、連絡先等で照会できるので、事前に登録情報を確認しておきましょう。
事故車両が契約車両であるか
他車運転特約・ファミリーバイク特約が付帯されている場合は注意。
ロードサービス必要可否
道路交通法上で違反にならない為にも安全運転できる状態にしましょう。
運転者情報
配偶者限定や年齢制限など運転者条件が付帯されている場合は注意。
事故発生日時・場所
時間は分かる範囲で問題ないです。場所は目印になる建物等も確認しておきましょう。
警察届け出有無
事故発生状況
事故形体、自車・相手車のおおよその時速、動き、相手車がどこから来たのかを覚えておきましょう。
対物・対人情報
壊れた物、怪我をした方全ての情報が必要です。
例えば・・・
●高速道路上で居眠り運転をして3台の玉突き事故を起こしてしまった。
→全車両情報、全ての相手方ならびに怪我人の情報を確認しておきましょう。
●電柱に接触し、倒れた電柱が民家の花壇を破損させてしまった。
→電柱、花壇の相手方情報を確認しておきましょう。
●相手方自転車と接触し、自転車が壊れ怪我をさせてしまい、また、携帯も壊れてしまった。
→怪我をした相手方、壊れた自転車と携帯の情報を確認しておきましょう。
加害者になったら確認しておくべきこと
追突事故や単独事故でものを壊してしまった等明らかに自身が100%の賠償責任を負わないといけない場合、対物・対人賠償責任保険を使って賠償しないといけません。事故をすみやかに円満解決する為にも以下の項目をあらかじめ確認しておきましょう。相手方の様子をうかがって、分かる範囲で問題ないです。
相手車情報
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対人情報
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対物情報
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被害者でも事故受付が必要?!
被害者だから自身加入の保険会社への事故受付はいらないと判断されると思います。お気持ち的にも‟被害者″だから加害者側が責任をとり、自身の保険を使うことに気が引けるのは当然です。
しかし、次にあげるサービス・特約は次年度の等級・保険料の影響なく利用可能、いわゆるノーカウント事故扱いです。相手保険会社がすぐ動いてくれなくて困っている等のお困りごとがあれば、まずは自身加入の保険会社に事故受付をしましょう。
ロードサービス
被害事故だけど、車が動かないから今すぐレッカーをしてほしい。
→至急で契約車両が動かない場合は自身加入の保険会社へ連絡しましょう。
人身傷害特約
被害事故だけど今すぐに病院に行きたい。
→次年度の等級・保険料の影響なく利用可能です。
怪我をした場合はすぐに病院へ受診して自身加入の保険会社へ連絡しましょう。
弁護士費用特約
相手保険方と揉めていて弁護士をたてたい。
→ノーカウント事故扱いであり、契約車両に関係なくても、車に関するトラブルであれば利用可能です。