生活の足と休日のアウトドア用など一人で2台の車を持つことを検討している、すでに持っているという人もいると思います。車を2台持つとその分維持費がかさみますが、2台とも運転するのであれば自動車保険の加入は必要です。2台目の自動車保険に関する知識や保険料を安くするための方法について解説します。
もくじ
自動車保険は1台1契約
自動車保険は「車」に対してかける保険であり、車1台につき1つの契約が必要となります。そのため、一人で2台の車を持っている場合であっても1台ずつそれぞれの車で自動車保険に加入する必要があります。
逆に、運転者を限定する特約をつけていなければ、その車を別の人が運転しても補償の対象に含まれることになります。
1日自動車保険や他車運転特約は使えない
2台のうち1台の運転頻度が低い場合、1日自動車保険やメインの車で契約している自動車保険の他車運転特約で済ませられないか考える人もいるかもしれません。しかし、これらは自分が所有している車については対象外となっています。自分の車については自分で1台ずつ自動車保険に加入するしかありません。
2台目の等級はどうなる?
2台目の自動車保険の等級について、1台目の契約の等級をそのまま使える、というわけではありません。上で説明した通り1台1契約ですから、2台目は新規契約となって6等級からの開始となります。
ただし、1台目の車の等級が11等級以上などの条件を満たした場合、セカンドカー割引により6等級からではなく7等級から契約を開始することができます。たった1等級かと思うかもしれませんが、等級が低いうちは1等級ごとの割引率の差が大きいので大きな割引となります。
6等級新規 | 7等級新規 | |
---|---|---|
割増引率 | +3% | -38% |
新規契約の6等級は3%の割増、新規契約の7等級は38%の割引なので40%ほどの割引率の差がつくことになります。なお、保険会社によっては記名被保険者の年齢などによってこの割引率と異なる場合がありますのでご注意ください。
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同じ保険会社にする?別々の会社にする?
2台目の自動車保険について、1台目と同じ保険会社で契約するという方も多いと思いますが、別々の保険会社で契約しても問題はありません。上で紹介したセカンドカー割引も保険会社がわかれている場合であっても適用されます。
同じ保険会社で契約する場合と別々の保険会社で契約する場合のそれぞれについてメリットを紹介しますので、契約する保険会社を決める際の参考にしてみてください。
同じ保険会社で契約するメリット
窓口が1つで済む
契約する保険会社が同じであれば窓口も一つで済むので、契約の管理や事故時の連絡などが多少スムーズになります。満期日が異なっていればそのたびに更新の手続きが必要なのであまり大きな違いはないかもしれませんが、少なくとも、事故という非日常の事態に焦って、契約していない方の保険会社に連絡するというような間違いは起こりません。
割引やキャンペーン特典を受けられる場合がある
保険会社によっては1社でまとめると保険料の割引を受けられたりギフト券のプレゼントを行っていたりすることがあります。金額はあまり大きくないのですが、他の保険会社と保険料に差がほぼない場合は、この割引がある分だけ同じ保険会社にまとめた方が得となることがあります。
別々の保険会社で契約するメリット
運転スタイルに合わせた契約をしやすい
自動車保険の基本的な補償内容については各社ともに違いはほぼありませんが、特約や走行距離区分、ロードサービスなど細かな部分では様々に違いがあります。あまり乗らない方の車については走行距離によって保険料が変わるダイレクト型で契約する、長距離のドライブに使う車はロードサービスが手厚い会社にするなど、別々の会社で契約すれば車ごとの運転スタイルに合わせた契約をしやすくなります。
最安の保険料を目指せる
同じ会社だと割引やキャンペーン特典を受けられる場合があると上で書きましたが、金額としてはあまり大きなものではないので別々の会社で契約した方が安くなる可能性も十分にあります。保険料は契約車両や補償内容などによってどこの保険会社が安いのか変わるので、それぞれの車で最安の保険会社を探して契約すれば2台とも同じ保険会社で契約するよりも保険料が安くなります。
自動車保険料を安くするには?
2台分保険料がかかるのであれば少しでも安くしたいところだと思います。自動車保険料を安くする方法についていくつか紹介しますので、参考にしてみてください。
複数の保険会社を比較する
代理店との付き合いやしがらみなどあるかもしれませんが、保険料を安くしたいのであれば複数の保険会社を比較して安い会社と契約するのが大切です。特に代理店型とダイレクト型の保険会社を比較すると、代理店手数料などの中間コストが削減できる分、ダイレクト型の方が保険料が安いことが多いです。
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また、ダイレクト型の中でも保険料にいくらか差はあるので、保険料を安くしたいのであればダイレクト型の中でも保険料比較をしましょう。比較する際には一括見積もりサービスを使うのが便利です。一度の情報入力で複数社の見積もりを取れるので時短になります。ぜひ一度利用してみてください。
運転者限定や年齢条件が正しいか確認する
運転者限定や年齢条件が正しい設定になっているか確認しましょう。一人しか乗らないのに運転者限定がなしになっていたり、昔に契約した後に変えていなくて26歳以上なのに21歳以上補償で契約していたりした場合は保険料が無駄に高くなってしまっています。
新規契約のときには間違えないように設定する人が多いですが、更新のときには内容をよく確認しないで更新してしまう人が多くいます。すると、保険料を安くできるようになっても変更しないままになってしまう場合があります。今一度正しい設定になっているか確認してみましょう。
等級の入れ替えを検討する(購入時限定)
新しく車を購入するときなどタイミングは限られるのですが、1台目の車と新しく購入する2台目の車の等級を入れ替えることによってトータルの保険料を安くできる場合があります。
自動車保険の保険料は車種(より細かくは型式)によって変わります。例えば、軽自動車と大型のSUVを比べると軽自動車の方が保険料が安いというようなイメージは持っていると思います。保険料の高い車の方に高い等級、保険料の安い車の方に低い等級を割り当てるようにすれば2台の保険料合計が安くなります。
例:等級による割引前の保険料がA車:10万円、B車:15万円の場合
A車に60%割引、B車に40%割引→A車:4万円、B車:9万円→合計:13万円
A車に40%割引、B車に60%割引→A車:6万円、B車:6万円→合計:12万円
※例のための簡便な数値で、実際の保険料や割引率とは異なります。
等級を入れ替えるには車両入替を利用します。20等級のA車を持っていて、B車を新規購入する場合の手順は以下の通りです。
- 車両入替で契約車両を新しく購入したB車に変更する。
A車:20等級、B車:契約なし→A車:契約なし、B車:20等級 - A車を契約車両として新規契約する
A車:契約なし、B車:20等級→A車:7等級、B車:20等級
車両入替を利用するので、増車や廃車などを伴わないと等級の入れ替えはできません。後で入れ替えようと思ってもできないのでご注意ください。
補償内容の重複を解消する
一人であるいは家族で2台以上の車を持っている場合、補償内容が重複してしまうことがあります。その場合、一方の補償を外すことで保険料を安くすることができます。重複しやすい補償内容としては以下のものがあります。
- 人身傷害保険(車外での補償部分)
- 弁護士費用特約
- 個人賠償責任保険
- ファミリーバイク特約
人身傷害保険で重複するのは契約車両外での事故の補償部分のみです。1台に車外での補償もつけたらもう1台は搭乗中のみの補償だけでよいという意味であって、1台に人身傷害をつけたらもう1台にはいらないという意味ではないのでご注意ください。
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まとめ
車を一人で2台持つ場合、2台ともに自動車保険の契約が必要です。同じ保険会社で契約する必要はないので、各社の補償内容や保険料を比較の上で契約する保険会社を決めるとよいでしょう。2台持ちで追加でかかる保険料を安くするためにも保険会社の比較は大切です。一括見積もりサービスなどを利用して効率よく保険会社を比較するとよいでしょう。
著者情報
堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。