保険会社の営業時間はほぼ平日9時～17時ですが、事故は24時間365日いつ起こるか分かりません。保険会社の担当者が不在の土日･祝日･夜間に事故対応が必要になったらどう対応すればよいのでしょうか。

そんな時に頼りになるのが「夜間･休日窓口」です。保険会社営業時間外でも保険会社同様に事故対応をしてくれる臨時の窓口です。「夜間･休日窓口」の役割、事故当事者としての対応を紹介します。

交通事故は24時間起きている！

曜日別に事故発生率を見ると、週末に向けて減少していますが、平日はほぼ平行して発生しています。

出典：警視庁「東京都内の交通人身事故発生状況」

時間帯別で見ると、16時～18時が最も多く、2番目に8時～10時の時間帯が多くなっています。
日中の時間帯が多く、夕方以降夜にかけて減ってはいますが、交通事故は24時間発生しています。

出典：警視庁「東京都内の交通人身事故発生状況」

夜間･休日窓口について

100:0の事故を起こしてしまい、相手方から「修理期間中の代車を今すぐ用意してほしい」等の要望があれば、契約者の対物賠償責任保険を使って対応することになるので、担当者は契約者と打合せ後に相手車の修理ならびに代車の打合せ等の相手対応を進めます。
しかし、保険会社の営業時間外である土日･祝日に事故が発生してしまった場合、この事故対応は誰が対応するのでしょうか。

土日・祝日・平日の夜間に事故対応するのが、「夜間･休日窓口」です。
「夜間･休日窓口」では、保険会社営業時間外に臨時の窓口として、本来は保険会社の担当者が行う事故対応を担っています。
また、この「夜間･休日窓口」が担当者の代わりに行っている契約者との打合せなどを「初期対応」といいます。

	保険会社営業時間 （保険会社によって異なりますが、大体平日9時～17時）	保険会社営業時間外 ・土日･祝日 ・平日17時以降（保険会社によって異なります）
担当者	事故受付後担当者から連絡があり、今後の流れについて説明があります。 お客様の専任担当者として事故解決までサポートします。
夜間･休日窓口		担当者が不在の間、担当者同様の働きをします。 （以下の対応範囲は保険会社によって異なります） 自車入庫先への連絡（修理の打合せ）･代車手配 事故の相手方へご挨拶の一報 100：0の相手方へ代車手配 負傷者の病院へ治療費の打合せ

担当者の営業時間外でも夜間･休日窓口の事故対応が充実していれば、契約者･相手方双方が安心できますね。

事故の「担当者」って？

事故の案件窓口として、最後まで案件解決をする人が「担当者」です。
事故受付員、ロードサービス担当、夜間･休日担当、代理店、修理工場、相手方の担当者等登場人物が多く出てきますが、分業していることにより各々が専門性を高めて、お客様に最適なサービスを提供しています。それらをまとめてお客様の事故案件の窓口になるのが「正式な担当者」です。

夜間･休日窓口の事故対応力

最近はどの保険会社も24時間･365日事故受付が可能な体制であり、夜間･休日窓口が行う事故対応の内容も充実しています。
しかし、保険会社によって規模や体制が異なるため、夜間･休日窓口の営業時間や事故対応の範囲は異なっています。

事故はいつどんなことが起きるか計り知れない為、24時間･365日稼働していて、かつ事故対応の範囲が一番広い保険会社をお勧めします。

A保険会社　事故対応実施時間：土日・祝日17時まで　対応範囲：相手方への連絡のみ
→事故対応実施時間は17時までなので、その日は事故受付しかしてもらえません。また、対応範囲も相手方への連絡のみの為、相手方へ代車を用意できるのは、翌営業日の担当者にて手配することになります。万一、事故当日に首が痛くなっても治療費は立て替えるしかありません。

B保険会社　事故対応実施時間：土日・祝日24時間　対応範囲：相手方への連絡・代車手配・病院連絡
→保険会社の営業時間外であっても事故受付、相手方への連絡、代車手配はすぐに実施可能です。また、病院に連絡をして治療費の打合せも可能です。

A保険会社よりB保険会社の方が、契約者も相手方も安心するのではないでしょうか。
いつ何が起きるか分からない事故だからこそ、一番頼りになる事故対応力を備えてる保険会社選びが大切です。

夜間・休日窓口でできないこと

事故の案件窓口となる担当者は1人であり、その一件は担当者に一任されていることからも、夜間･休日窓口が対応できる範囲は限られています。
例えば、責任割合や賠償金額の話は基本的に担当者しかできません。
責任割合が割れる場合、一般的には担当者が双方の間に立ってお互いの話を聞いたうえで担当者間で責任割合を判断することになります。

したがって、土日･祝日の保険会社営業時間外に今すぐ責任割合を知りたいと思っても、担当者からの連絡を待つことにしましょう。

相手方への対応

休日中に事故を起こし、正式な担当者からの対応は翌営業日となりました。その際、事故の当事者として相手方へはどう対応したらよいのでしょうか。よくあるケースをまとめてみました。

連絡

基本的には相手方へ連絡することは問題なく、連絡した方がイメージも良くなり、その後の円満な事故解決にも繋がります。明らかな100：0の事故で加害者となってしまったら、まずは保険会社へ連絡して、その後に相手方へ連絡した際に保険会社へ連絡した旨を伝えてあげると相手方も安心されるでしょう。

よくある質問

●現場で相手方と口論になった、もしくは相手方が高圧的だったが、相手方へ連絡した方がよい？
　→今後の対応が難航する可能性もあります。示談交渉については保険会社へ全てお任せしましょう。
　　迷った場合は夜間･休日窓口に相談してみましょう。

相手方と賠償に関する話は控えて、何かしら返答を求められた場合は、「保険会社から連絡させる」「一度保険会社と相談してから返答する」等にとどめ、口約束はしないようにしましょう。

お見舞い

相手方が入院された場合は、お見舞いに行ってあげた方が相手方の心象が良くなりますし、その後の円満な事故解決にも繋がります。

よくある質問

●菓子折りは持参した方が良いの？また、持参する場合はどのくらいの物を持参すればよいの？
　→お気持ち次第なので、持参するかしないかはご自身の判断にお任せします。
　　菓子折りですが、2,000円~3,000円程度が相場です。

治療費

相手方に治療費が発生した場合は、基本的には負傷者本人が立て替えていただくことがベストです。しかし、明らかな契約者側の加害事故だった場合、相手方も立て替えたくないでしょうし、また、突然の事故で高額な治療費を持っていない場合もあります。その場合は加害者側が立て替えてあげましょう。
すでに両者とも離れてしまって加害者側も立て替えることが難しい場合は、夜間･休日窓口へ連絡してください。夜間･休日窓口から病院へ連絡して治療費が発生しないよう打合せしてくれることもあります（※保険会社によって対応可能可否は異なります）。

よくある質問

●事故後数日経ってしまったが、首に違和感を感じる。病院に行ってもいいの?
　→事故の緊張がほどけてから痛みを感じる方もいらっしゃいます。無理せず病院へ受診しましょう。
　　その際にも治療費は立て替えするか、または、事前に保険担当者もしくは夜間･休日窓口に連絡しましょう。

修理費

相手方自転車と接触し、相手方が休日中も自転車を使用する為に‟今すぐに修理に出したい"と言っている、または、‟新しい自転車の購入を希望している"場合、相手方にどう対応してもらうのがベストでしょうか。

基本的には、購入･修理に出すタイミングはいつでも問題ないですが、担当者からの連絡がきて賠償についての打合せ後の方が良いでしょう。
責任割合が割れる場合は、購入･修理費用は責任割合に応じた金額になる為、具体的な賠償金額は担当者からの案内となり、費用全額補償可能かどうか約束できないためです。

よくある質問

●どうしても担当者から連絡がくる前の連休中に修理に出したい、もしくは全損してしまった為、新しい物を購入したい。
　→新しい物の購入を希望される場合、まずは修理を検討しましょう。購入費用全額補償可能か担当者でないと判断できない為です。修理を開始される場合は、破損部分と全景を写真に収めてから着手するよう業者に依頼しましょう。

入庫

入庫先に指定はないため、どの修理工場でも問題ないです。また、入庫するタイミングについてもいつでも問題ないので、入庫先と入庫する日程が決まったら担当者へ伝えましょう。
なお、100：0の被害事故の場合、修理期間中の代車が必要であれば事前に担当者が代車について打合せする必要がある為、入庫先が決まった段階で早めに伝えておくとよいでしょう。

まとめ

突然の事故で慣れない状況下において、どんな時であってもお客様のニーズを把握し、速やかかつ的確な案内をしてくれる保険会社の事故対応力は、評価するべきポイントです。
保険加入時の保険会社選びにおいて、保険商品の中身の比較ももちろん重要ですが、保険会社間で差がつきやすいのは事故対応力です。そこを比較する際の参考として💡口コミ💡をみてみるのも良いでしょう。
夜間･休日窓口の稼働時間･初期対応可能範囲を確認してみて一番ベストな保険会社が、いざ困った時に助けてくれる保険会社なのではないでしょうか。