
子供を車に乗せるとき、運転席から目が届く助手席に座らせてもいいのでしょうか。もし座らせられないなら、その理由が何なのか、座らせられるなら何歳から可能なのかも知りたいところです。
この記事では、小さな子供を助手席に座らせないほうがいい理由と、助手席に座らせていい年齢のほか、座らせる際の注意点について解説します。
記事の要約
- 法律上、子供を助手席に乗せること自体に明確な年齢制限はないが、できる限り後部座席に座らせるのが望ましい
- 6歳未満はチャイルドシート使用が義務
- 安全面を考えると、身長150cm以上、11〜13歳頃が助手席に座らせる目安
もくじ
子供を助手席に乗せていいのは何歳から?
助手席に子供を乗せることに対し、明確な法律上の罰則は存在しません。ただし、目安としてはシートベルトを適切に着用できる身長150cm、年齢にして11歳~13歳頃が基準となるでしょう。
車に子供を乗せる際の法律上の制限として、6歳未満まではチャイルドシートを使用しなければならないと定められています。チャイルドシートを助手席に取り付けることに法律上の制限はありませんが、助手席に装着していると事故でエアバッグが作動した際にチャイルドシートが弾き飛ばされる恐れがあり、チャイルドシートは後部シートでの使用が推奨されます。
また、エアバッグは成人の体格を基準にシートベルトを正しく着用することを想定して設計されています。そのため、6歳以上であっても事故の際にエアバッグの衝撃で首や腹部に大きなダメージを受ける可能性があります。事故時の危険性を考えると、シートベルトを適切に着用できる150cm、年齢でいうと11歳~13歳頃が助手席に座らせてもよい基準になるでしょう。
なお、身長150cmというのは、JAMA(一般社団法人日本自動車工業会)やJAF(一般社団法人日本自動車連盟)が、身長150cm未満の子供はシートベルトを適切に着用できない場合があることからジュニアシートの使用を推奨していることに由来します。もちろん、子供の成長は個人差が大きいため、発達段階や体格に応じた適切な判断が必要なのは、いうまでもありません。
小さな子供を助手席に座らせないほうがよい理由
小さな子供を助手席に座らせるのは、チャイルドシートやジュニアシートを使っていたとしてもリスクがあります。ここでは、小さな子供を助手席に座らせないほうがいい理由について解説します。
事故時に作動したエアバッグの衝撃を受ける
小さな子供を助手席に座らせないほうがよい理由として、事故時に作動した「エアバッグ」の衝撃を受けることが挙げられます。車が衝突した際に風船のように瞬時に膨らむエアバッグは、乗員がハンドルやダッシュボードにぶつかるのを防ぐ役割を果たすものです。
しかし、チャイルドシート装着時にはエアバッグの衝撃でチャイルドシートを弾き飛ばしたり、子供が助手席のシートとチャイルドシートの間に挟まれたりする危険性があります。
また、チャイルドシートを装着せず、助手席にシートベルトを着用して座らせていたとしても、リスクはあります。時間にして0.1秒以下、時速100~300km以上のスピードで急激に膨らむエアバッグは、あくまで大人の体格での衝撃吸収を想定しており、乗員の体を思いがけない力で圧迫する可能性もあるからです。実際に2016年には、助手席に座っていた3歳の子供が作動したエアバッグの衝撃で胸部を圧迫され、心臓挫傷によって亡くなる事故が発生しています。
気を取られて運転操作がおろそかになる
運転者が助手席に座っている小さな子供に気を取られて、運転操作がおろそかになるおそれがあるのも、子供を助手席に座らせないほうがいい理由のひとつです。
「子供がぐずったり、酔って具合が悪くなったりするときにすぐに対応できるから」と助手席に座らせたくなるかもしれません。しかし、それによってハンドルやアクセルの操作を誤ったり、周囲の安全確認を怠ったりするほうが、結果的に重大なリスクを引き起こす可能性があるでしょう。
助手席に小さな子供を乗せるときの注意点
さまざまな事情で助手席に小さな子供を乗せざるを得ない場合、いくつか気をつけたいポイントがあります。ここでは、助手席に子供を乗せるときの注意点について解説します。
チャイルドシートは前向きに固定する
助手席に小さな子供を乗せるときの注意点として、チャイルドシートを後ろ向きではなく、前向きに固定することが挙げられます。これは、事故の衝撃でダッシュボードから展開するエアバッグが、チャイルドシートを跳ね飛ばすことを防ぐのが目的です。子供が助手席のシートとチャイルドシートの間に挟まれてつぶされてしまう恐れもあります。
ただし、前向きでも座席がダッシュボードに近いと、エアバッグが子供の体を圧迫するおそれがあり、大変危険です。そのため、後述するようにダッシュボードと座席の間隔を空ける必要があります。
座席をできる限り後ろに下げる
小さな子供をチャイルドシートやジュニアシートなどを使用して助手席に座らせる際には、座席をできる限り後ろにスライドさせて下げ、ダッシュボードとの間隔を空けるようにしましょう。
座席を下げることは、事故時に作動したエアバッグによる体への圧迫を避けるための効果的な策です。なお、エアバッグの衝撃吸収効果が期待できないため、唯一の命綱であるシートベルトは正しく装着する必要があります。
チャイルドシートとジュニアシートの違い
チャイルドシートとジュニアシートは、対象となる子供の年齢や、機能などが異なります。
なお、チャイルドシートは、幼児期のベビーシートとジュニアシートを含んだ意味で捉えられることもあります。
| 種類 | 対象年齢 | 体格の目安 |
|---|---|---|
| ベビーシート | 新生児〜1歳頃 | ・体重:10kg未満 ・身長:70cm未満 |
| チャイルドシート | 1歳~4歳頃 | ・体重:9~18kg ・身長:65~100cm |
| ジュニアシート | 4歳~10歳頃 | ・体重:15kg~ ・身長:100~150cm未満 |
首がすわらない時期に使うベビーシートは、基本的に後ろ向きあるいは横向きに座席固定し、ハーネスというベルトで子供を固定します。一方で、ジュニアシートはハーネスではなくシートベルトで子供を固定する仕組みです。背もたれがあるものや、座面だけにできるものもあります。
チャイルドシートの正しい装着方法
チャイルドシートは、正しく装着しなければ意味がありません。ここでは、チャイルドシートの正しい装着方法について解説します。
装着推奨位置は後部座席左側
チャイルドシートを装着する際には、後部座席左側(助手席の後ろ側)が推奨される位置です。これは、左側が歩道側となるため、乗せ降ろしの際に安全性が高いのが理由です。また、信号待ちの停止中に振り返れば、座っている子供の様子がすぐに確認できる位置でもあります。
3列シートの車の場合も同じ理由で、2列目あるいは3列目の左側(助手席側)に装着するのがおすすめです。
座席に確実に固定する
チャイルドシートは、座席に確実に固定するのが正しい装着方法です。ぐらぐらと揺れ動いたり、単にシートに載せただけだったりすると、チャイルドシートは効果を発揮しません。
なお、一般的にチャイルドシートは固定する際、車のシートベルトかISOFIX(アイソフィックス)で取付けます。固定方法はメーカーや製品などによって異なるので、取扱説明書に記載されている内容をよく確認し、しっかりと固定しましょう。
正しい姿勢で座らせる
固定したチャイルドシートには、子供を正しい姿勢で座らせるのも、装着時に忘れてはならないポイントです。子供のお尻をチャイルドシートの奧に深く入れ、背中が背もたれとぴったり付くようにして腰掛けさせてください。また、ヘッドレストや締めたハーネスの位置にも注意しましょう。この際にハーネスのねじれや食い込みがないか、締め付けが緩くないかなども気をつける必要があります。
なお、体格に合わないチャイルドシートにも高いリスクがあり、事故の際には子供の首や腹部を圧迫しかねません。年齢だけでなく、体格に応じたチャイルドシートを選びたいところです。
まとめ
子供を助手席に乗せること自体に明確な罰則はありませんが、安全性を考慮すると、シートベルトを正しく着用できる身長150cm以上、年齢では11~13歳頃が目安となります。
小さな子供を助手席に座らせる場合は、エアバッグの衝撃や大人用シートベルトとの不適合などに注意が必要です。特に6歳未満の子供はチャイルドシートの使用が法律で義務付けられており、安全性を考えると助手席ではなく後部座席に乗せるのが望ましいでしょう。やむを得ず助手席に乗せる場合は、子供の年齢や身長・体格に合ったチャイルドシートやジュニアシートを正しく装着し、座席をできる限り後ろに下げてください。
子供を乗せて車を利用する機会が多い家庭では、万が一の事故に備えて自動車保険の補償内容も確認しておくと安心です。事故相手への対人・対物賠償だけでなく、自身や同乗者の補償である人身傷害補償なども含めて、現在の契約内容を見直してみましょう。自動車保険の見直しには一度に複数社の見積もりが取れる一括見積もりサービスを利用するのが便利です。複数の会社の保険料や補償内容を比較してみましょう。








