国土交通省は2018年12月10日、大雪時の車の立ち往生防止策として地域を限定し車のチェーン装着を義務づける発表を行いました。タイヤチェーンの装着を義務付ける道路の対象に、過去に大規模な立往生が発生した区間などを含め高速道路と国道の計13区間が指定となっています。大雪特別警報や大雪に対する緊急発表などがあった場合に限りますが全ての車が対象です。一部市街地などは規制の対象となっていませんが大雪の際に車を運転される方は注意しましょう。
もくじ
対象の範囲は?
7区間の高速道路
高速道路 | 範囲 |
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上信越自動車道 | 長野県の信濃町インターチェンジと新潟県の新井パーキングエリアの間の25km |
中央自動車道 | 山梨県の須玉インターチェンジと山梨県の長坂インターチェンジの間の9km |
長野県の飯田山本インターチェンジと長野県の園原インターチェンジの間の10km | |
北陸自動車道 | 福井県の丸岡インターチェンジと石川県の加賀インターチェンジの間の18km |
滋賀県の木之本インターチェンジと福井県の今庄インターチェンジの間の45km | |
米子自動車道 | 岡山県の湯原インターチェンジと鳥取県の江府インターチェンジの間の34km |
浜田自動車道 | 島根県の旭インターチェンジと広島県の大朝インターチェンジの間の27km |
6区間の国道
国道 | 区間 |
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国道112号線 | 山形県西川町志津から山形県鶴岡市上名川の間の27km |
国道138号線 | 山梨県山中湖村平野から静岡県小山町須走字御登口の間の9km |
国道7号線 | 新潟県村上市から新潟県大須戸と上大鳥の間の16km |
国道8号線 | 福井県あわら市熊坂から福井県笹岡の間の4km |
国道54号線 | 広島県三次市布野町上布野から島根県飯南町上赤名の間の12km |
国道56号線 | 愛媛県西予市宇和町から愛媛県大洲市松尾の間の7km |
大雪時の運転の注意点!
冬の道路の状況は走行する時間帯や場所など様々な条件によって路面状態が変化し危険です。昼間は濡れているだけの状態でも夜になれば滑りやすくなっていたり路面が凍結している場合もあります。朝晩の走行にはこまめに情報をキャッチしてスピードを落とし十分に注意しましょう。圧雪路面や凍結路面で車は乾燥した路面の何倍も滑りやすくブレーキの効きが非常に悪くなります。
スタッドレスタイヤ
積雪路や凍結路の摩擦が少ない条件下でも高い能力を発揮する冬用のタイヤです。普通のタイヤに比べて溝がでこぼこしておりグリップ力があります。0℃以下の条件でも固くなりにくく凍った路面でも凹凸に合わせて柔軟に対応できる特殊配合のゴムで作られています。
チェーンタイヤ
スタッドレスタイヤを装着すれば冬の悪条件の路面でも走行することは可能ですが雪道での走行パワーはタイヤチェーンの方が上回ります。
日本自動車連盟(JAF)によると、スタッドレスタイヤは、凍結している路面では、タイヤの溝に水の膜が入り込んで滑りやすくなるため、スリップが起きて立往生につながる可能性があるという実験結果も出ています。一方、タイヤチェーンは雪や氷に食い込むグリップ力が強いため、発進や停車がしやすく立往生を防ぎやすいといいます。
今回発表の指定区間では大雪特別警報や大雪に対する緊急発表などがあった場合にスタッドレスタイヤを装着していてもチェーン装着が必要になりますので注意しましょう。過去に各地で大雪による大規模な立往生が相次いだことへの強い危機感により立ち往生で何時間も動けなくなってしまうリスクを軽減するためにも天候の悪化が懸念される日の車での外出はチェーンタイヤの準備を忘れずにしておきましょう。
車の運転中の雪道・雪上トラブル
< トラブル事例 >
1. 普通のタイヤ(夏タイヤ)でスリップ・立ち往生
2. スタッドレスタイヤのパンク
3. 降雪による道路状況悪化での落輪
4. バッテリー上がり
5. 車の凍結(サイドブレーキ・ワイーパー・フロントガラス・ウォッシャー液 等)
6. ハンドルが重くなる・切れなくなる
7. 長時間のアイドリングによる一酸化炭素中毒
(雪でマフラーが塞がってしまい車内に一酸化炭素が侵入)
車でのお出かけは、早めの冬支度が大切!
突然の降雪予報、週末のドライブ予定が台無しにならないように早めに冬支度を行っておくことが効果的です。降雪・凍結地域においては、スタッドレスタイヤへの履き替えをはやめに行いチェーンの準備もしておきましょう。また、冬場の悪条件下では様々なトラブルが心配されます。車の日頃の点検も忘れずに行っておきましょう。
もしも、雪道で立ち往生してしまったら?
JAFや自動車保険(任意保険)についているロードサービスなどで対応が可能な補償など様々です。積雪などによりタイヤが空回りしてしまい抜けられなくなってしまうことを「スタック」といいますが自動車保険のロードサービスでは対応外の保険会社も多くありますので自動車保険加入の際にはロードサービスの内容もしっかりチェックしておきましょう。また、雪道走行には乾燥した路面より多くのトラブルが予想されます。自動車保険についているロードサービスの補償内容もしっかり確認し、万が一のトラブルの際にはすぐに保険会社へ連絡できるよう「保険証券」の写しを車の中に携帯しておくなど事前の準備をしておきましょう。