交差点の手前などで斜めの白線を白い枠線で囲んでいる区域があったりします。この区域にはどういう理由がありなぜ設けられているのでしょう。この区域はゼブラゾーン（導流帯）と呼ばれる道路表示（指示標示）でこの場所の交通についての規則や指示を表したものです。ゼブラゾーン（導流帯）の意味と走行ルールについて説明します。

ゼブラゾーン（導流帯）とは

ゼブラゾーン（導流帯）は、多車線道路の交差点では、右折レーンや左折レーンの手前に設けられていることが多いです。また、交通量の多い道路、複雑な形状をした道路などで車やバイクの走行を誘導（ガイド）し安全に円滑に走行するための目的で設置されています。交通事故が起きやすい場所において事故を防ぐ役割でドライバーを円滑に誘導するためにあります。

昭和三十五年総理府・建設省令第三号 道路標識、区画線及び道路標示に関する命令において導流帯は「車両の安全かつ円滑な走行を誘導する必要がある場所」に表示することとされています。

【ゼブラゾーンが設置されている主な場所】

• 多車線道路の交差点
• 車線数が減少する手前
• 交通量の多い道路
• 複雑な形状をした道路
• 交通事故が起きやすい場所

ゼブラゾーン（導流帯）の走行ルール

ゼブラゾーンは車を安全に誘導するために設置されている区画のためゼブラゾーン（導流帯）の上を走行することを禁止されていません。従って、ゼブラゾーンの上を走行しても罰則もありません。

しかし、ゼブラゾーンの上は率先して走行する場所ではなくあくまでも安全で円滑に走行できるように設けられている区域のためむやみに走行したり、この場所に車を駐車させたりするのは好ましくない場所になります。

ゼブラゾーンは多車線道路の交差点や交通量の多い道路にあります。ゼブラゾーンを走行していたり、車を駐車させていたりすると事故のリスクは高くなることが考えられます。実際に、過去にはゼブラゾーンに車を停車させていたことで死亡事故になってしまったような事例もあります。そのようなことからゼブラソーンを走行していた車が事故を起した場合には、過失割合が加算されることがあるようです。

ゼブラゾーン（導流帯）での事故は過失割合が加算される？

ゼブラゾーン走行中に起こる事故のリスク

ゼブラゾーン（導流帯）は車の誘導を目的としている区間であり、ゼブラゾーンを走行することは事故リスクが高くなるということは既に説明しました。ではどのような事故が考えられるのか事故例を紹介します。

【ゼブラゾーンで起きる事故例】

1. ゼブラゾーンに沿って右折車線に進路変更した車両とゼブラゾーンを走行してきた直進車との衝突
2. 道路外から道路に侵入するため右折する車とゼブラゾーンを走行してきた直進車との衝突
3. 道路外に出るために右折する車とゼブラゾーンを走行してきた直進車との衝突

ゼブラゾーンでの事故は過失割合が加算？

ゼブラゾーンは走行禁止区間ではありませんが、車が走る事が想定されていない区間になるため、ゼブラゾーンでの事故は過失割合が上乗せとなる場合があります。

高速道路上でのゼブラゾーンの事故は、ゼブラゾーン走行車の過失割合が一般的に20%加算される傾向にあり、一般道の場合は、10％～20％程度加算されることがあるようです。その理由は、これまで説明してきたことの繰り返しになりますが、ゼブラゾーンは車やバイクが事故の予防を目的に安全に円滑に走行するための区間のためです。その区間を走行していたために起きた事故と判断されれば、ゼブラゾーンを走行していた車の過失割合で不利になる事があるようです。

ゼブラゾーンを直進してくる車には注意を！

ゼブラゾーンは走行することが推奨されていない区画となりゼブラゾーンの走行は事故リスクが高いゾーンです。そのようなことから、ゼブラゾーンを走行していて事故が起きるとゼブラゾーン走行車の過失割合も加算される傾向にあり、過失割合におけるトラブルも起きやすい場所といえます。

ゼブラゾーンに車やバイクの駐車を行わないことはもちろんですが、走行しないように注意する事が事故リスクをさけるポイントになるでしょう。また、ゼブラゾーンを走行してくる車には注意するようにしましょう。ゼブラゾーンのある交差点で車線変更する場合などはゼブラゾーンを走行してくる車がいないことを確認した上で入念な走行を心掛けましょう。

ゼブラゾーンで事故！弁護士への相談は自動車保険の弁護士費用特約があると便利

自動車保険にはさまざまな特約が用意されていますが、その中の一つに弁護士費用特約というものがあります。弁護士費用特約は自動車に関する事故などで弁護士に委任したり相談したりした場合の費用を補償する特約です。

ゼブラゾーンで起きた事故はゼブラゾーン走行中の車の過失割合が加算されることが多いということを紹介しました。ゼブラゾーンで起きた事故で過失割合に納得できない場合は自動車保険に弁護士費用特約があれば弁護士に相談する費用を補償してもらう事ができます。

弁護士に委任する場合の弁護士報酬や訴訟費用などは1事故1被保険者につき300万円まで、相談費用は同10万円までとなっているのが一般的です。なお、事前に保険会社に承認を得る必要があります。