交通事故の物損高額ランキング

裁判例に見られる交通事故の物損高額ランキングトップ30の集計がまとまりました。
最高額は、平成6年7月19日に判決(神戸地裁)が出た物的損害額2億6,135万円の事案で、1億円を超える事案が5件となっています。ランキングトップ30の1件当たり平均損害額は4,335万円で、4年前の調査に比べて平均額で438万円上昇しました。
被害物件別では、トラックと積荷10件、トラック単独6件、建物5件、観光バス3件、積荷単独3件、電車・踏切2件、道路設備装置1件となっています。

物損事故による高額賠償TOP3

1位26,135万円積荷(呉服、洋服、毛皮など)
判決:平成6年7月19日 神戸地裁
荷主から輸送を依頼された呉服、洋服、毛皮などを積んだトラックが、高速道路を走行中、前走車に追突した後、逸走して中央分離帯に乗り上げガードレールを突き破り対向車線に飛び出し、路肩に横転、炎上して車両と積荷を焼失した。
損害を被った荷主が運送会社を訴えて、約4億円の賠償を求めた。
裁判所は、積荷の損害額を2億6,135万円と認定したが、荷主が運送会社に積荷価格を申告しなかった点に荷主の過失を認め50%過失相殺をしたため、運送会社が荷主に賠償する金額は、1億3,067万円となった。
2位13,450万円パチンコ店
判決:平成8年7月17日 東京地裁
大型トラックが片側一車線道路を走行中、対向車線の大型トラックとすれ違った際、その後方からセンターラインを越えて自車線に進入してくる乗用車を発見、避ける間もなく衝突した。
大型トラックは、衝突時の衝撃でハンドル機構が壊れ、対向車線に入り、加害乗用車の後ろを走っていた車両と再び衝突し、その車両と一緒になって道路脇のパチンコ店に飛び込んだ。
パチンコ店がセンターラインを越えた加害乗用車に損害賠償金額の請求をした。加害乗用車に損害賠償請求の運転車はこの事故で死亡したため、両親が被告になったが、訴訟に欠席した。損害額は、加害乗用車側の反論がないままの判決額となっている。
3位12,036万円電車、踏切
判決:昭和55年7月18日 福岡地裁
福岡県の警手不在、遮断機、警報機のない西鉄線路踏切にカローラバンが進入した。
その時、電車の接近に気付き早く通過しようと慌てたため、軌道敷地内で脱輪。そこへ6両編成の特急電車が突っ込んできた。
特急電車は衝突した後、コンクリート枕木の上を逸走、電柱に衝突し、線路そばに建つ家屋に飛び込んで停止した。1両目が横転、2両目から6両目までが脱線した。損害は、電車損害、復旧工事費、家屋損害などであった。

乗用車が起こした事故の判例

トップ30に入る高額の物損は、積荷の損害を伴うトラック絡みのものが多いようです。
我々のような一般ドライバーからしてみればあまり実感がわきませんが、【第3位】の踏切事故のように、乗用車が起こした事故に関係する判例もありますので、ご紹介します。

14位2,177万円ペットショップ店舗
判決:平成23年11月25日 東京地裁
東京都内を走行していた乗用車が運転を誤り、アクセルを踏んだまま営業を終了したペットショップ店に突っ込み、シャッター、店舗、商品を損壊させた。
加害者は店舗修理費、什器設備修理費は認めたが、商品損害、休業損害、集客回復費用について争われた。
裁判所は売れ残った犬や猫は休業が原因で販売機会を逸し、商品価値を失ったとまでは言えないと否認、鼠害に遭ったペットフードはシャッター損壊のために防ぎきれなかったと認容、集客回復費用も認容した。
19位1,651万円美容室
判決:平成6年5月24日 横浜地裁
雨の降る夜、乗用車が見通しの悪い左カーブの下り坂を相当なスピードで走行しており、カーブを曲がりきれずにセンターラインを越えて道路右側にある二階建て美容室兼住宅に飛び込み、美容室を損壊させた。
損害は、建物修理費、美容室什器備品代、営業損害のほか、美容室の休業を余儀なされるなどで被った精神的苦痛に対する慰謝料の合計額である。
27位1,422万円乗用車と建物、商品
判決:平成11年2月5日 東京地裁
片側3車線道路を走行して交差点に差し掛かった乗用車と交差点左方から進入してきた特殊自動車が出合い頭に衝突した。乗用車は衝突の反動で左へ振られ、道路端のスポーツ店に飛び込んだ。
訴訟は、乗用車側が加入していた保険会社が保険金として支払った乗用車修理費、スポーツ店の修繕費、商品・備品損害などを特殊自動車側に保険求償したものである。乗用車側の過失は20%と認定された。

交通事故による物損額は、死亡・後遺症賠償額と比べると全体的に金額は低いですが、休業補償や慰謝料なども認定されるケースがあります。万一加害者となってしまった場合にも、負うべき経済的負担が補填され安心できる補償内容になっているか、更新時には必ず確認をしてください。
出典:2014年3月12日付「保険毎日新聞」

交通事故裁判例に見る物的損害高額ランキング30
順位 認容総損害額 裁判所・判決日 被害物 損害額内訳(万円) 過失(%)
1 2億6,135万円 神戸地裁
平成6.7.19
積荷 呉服
14,940
洋服
1,935
毛皮
9,260
  50
2 1億3,450万円 東京地裁a欠
平成8.7.17
パチンコ店 建物損害
10,904
逸失利益
2,248
パチンコ台
255
自販機利益
43
0
3 1億2,036万円 福岡地裁
昭和55.7.18
電車・踏切 電車損害
8,728
電気関係
597
線路復旧費
1,131
家屋損害
1,581
0
4 1億1,798万円 大阪地裁
平成23.12.7
積荷
(おむつ製造機)
積荷損害
11,679
輸送費
119
    0
5 1億1,197万円 千葉地裁
平成10.10.26
電車・踏切 電車損害
8,890
人件費
1,658
代行輸送費
274
諸経費
375
0
6 6,074万円 岡山地裁
平成12.6.27
積荷
(婦人服等)
積荷損害
6,124
損害品売却
-50
    80
7 4,141万円 大阪地裁
平成20.5.14
大型トラックと積荷 筆ペン損害
2,870
車両損害
520
第三者車両
550
ガードレール他
201
40
8 3,391万円 名古屋地裁
平成16.1.16
大型トラックと積荷 積荷損害
2,813
車両修理費
438
休車損
115
レッカー代他
25
20(※)
9 3,156万円 東京地裁(1)欠
平成13.12.25
4階建ビル 建物修理費
3,156
      0
10 3,002万円 横浜地裁
平成23.9.27
大型トラックと
普通トラック
車両修理費
3,002
      0
11 2,841万円 東京地裁(2)
平成14.12.25
普通トラックと積荷 積荷損害
2,553
休車損
166
車両積替費
99
車両取引費
23
40
12 2,696万円 高松地裁a
平成9.8.14
大型トラック3台と
積荷
車両損害
1,600
積荷損害
450
休車損
638
レッカー代
8
20
13 2,509万円 名古屋地裁
平成6.9.16
観光バス バス修理費
1,625
休車損
867
レッカー代
17
  0
14 2,177万円 東京地裁
平成23.11.25
ペットショップ店舗 店舗修理費
893
什器備品
122
商品損害
320
休業損害、
集客回復費他
842
0
15 2,082万円 東京地裁
平成7.11.14
観光バス 修理費他
2,082
      0
16 1,877万円 東京地裁
平成5.6.24
トラック2台と積荷 車両損害
1,235
積荷損害
552
休車損
90
  0
17 1,758万円 宇都宮地裁・足利
平成11.1.29
大型トラックと積荷 休車損
588
積荷損害
1,170
    0
18 1,739万円 大阪地裁
平成11.1.29
トラクター・
トレーラー
と積荷
トラクター全損
600
トレーラー全損
300
休車損
553
積荷他
286
50
19 1,651万円 横浜地裁
平成6.5.24
美容室 建物修理費
 1,138
什器備品
241
営損害損
   42
慰謝料
30
0
20 1,605万円 大阪地裁(2)
平成9.4.25
トラックと積荷 トラック全損
513
積荷損害
888
休車損
138
レッカー他
66
10
21 1,580万円 大阪地裁
平成22.7.29
普通トラック 車両損害
656
休車損・側壁
476
買換諸費用
26
保険求償
442
20
22 1,536万円 東京地裁(2)
平成15.9.8
タンクローリー タンク時価
800
車両修理費
346
休車損
435
スクラップ売却
-45
20
23 1,533万円 広島地裁
平成9.9.17
大型トラックと積荷 トラック修理費
826
休車損
589
積荷運送者
63
レッカー代
55
10
24 1,522万円 東京地裁欠
平成9.11.28
端末中継装置 装置時価
1,216
工事費
306
    10
25 1,472万円 札幌地裁
平成8.11.27
観光バス バス修理費
1,250
車両運搬費
55
営業補償費
81
その他
86
20
26 1,468万円 大阪地裁
平成6.11.17
大型トラック 車両修理費
1,226
休車損
227
無線機損害
15
  0
27 1,422万円 東京地裁(1)
平成11.2.5
乗用車と建物、
商品
車両修理費
184
商品・備品
1,021
建物損害
242
損害品売却
-25
20
28 1,419万円 大阪地裁b
昭和63.3.17
大型トラックと積荷 車両修理費
673
休車損
172
積荷損害
574
  90
29 1,396万円 東京地裁(2)
平成9.3.25
タンクローリー トラクター全損
801
トレーラー修理
103
休車損
486
レッカー代
6
0
30 1,395万円 福岡地裁
平成11.10.25
トラック トラック全損
625
訴外車全損
383
公演中止補償
200
道路補修他
187
70
出典:2014年3月12日付「保険毎日新聞」   5年以内の判例
◆認容総損害額には弁護士費用、遅延損害金は含まず、過失相殺前の金額◆過失割合欄の(※)は、過失割合が積荷損害に対してのみ適用された◆「○○地裁 欠」とは、被告が裁判に出頭しないままの判決◆「○○地裁 (1)」とは、同年同月同日に出たいくつかの物損判決の1つを示す◆「○○地裁 a」とは、同一判決中、原告の物損であり、bは被告の物損を示す

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