新車をマイカーローンで購入する際には、一般的に頭金(あたまきん)と呼ばれる費用を支払うことになります。頭金はどのタイミングで、どれくらいの金額を支払うのが妥当なのでしょうか。頭金ゼロで購入するのに比べて、どのようなメリットがあるのかも気になるところです。
この記事では、新車を購入するときに頭金を支払うタイミングと頭金を支払うメリット・デメリットについて解説。また、頭金の支払いと同時に発生する費用についてもご紹介します。
もくじ
新車の頭金を支払うタイミング
新車購入時における頭金の支払いタイミングは、契約から納車までのあいだで設定されることが一般的です。多くの場合、頭金は契約日・納車日に一括して支払うことになります。
一方で、契約時に頭金の一部を支払い、納車日までに頭金の残額を支払うケースもあります。例えば、頭金の20%を先に支払って、残り80%を納車日までに入金するといった形式です。これは、手持ちのお金がすぐに準備できない場合に効果的といえるでしょう。
なお、この先に支払う頭金の一部を、「手付金」や「申込金」と呼ぶ場合もあります。車の売買契約の成立や優先購入権を獲得したことを証明するために支払う手付金は、車両本体金額の10%程度が相場とされ、購入金額に充当されます。
頭金の支払いタイミングは、購入者の資金準備の状況やカーディーラーによって異なるので、事前の確認が必要です。
新車の頭金の相場
頭金の相場は、車両本体価格の20~30%です。もし、車両本体価格が300万円の新車であれば、60万~90万円程度を頭金として用意するのが一般的でしょう。
ただし、これはあくまでも一般的な金額であって必ずこの金額ではないといけないということはありません。車両本体価格の10%や40%に設定することも、頭金を支払わずにマイカーローンを組むことも可能です。ただし、頭金が少ないほどローンの審査に通りづらくなるということには注意してください。
新車の頭金を支払うメリット
新車購入時に頭金を支払うことには、いくつかのメリットがあります。新車購入時に頭金を支払う主なメリットは、下記のとおりです。
マイカーローンの審査に通りやすくなる
新車の購入時に頭金を支払うことで、マイカーローンの審査に通りやすくなるメリットがあります。
マイカーローンの審査基準は公開されていないものの、基本的には申込者の年収に対して、借入金額が妥当であり、きちんと返済できるかで判断されるといわれています。
頭金を支払えばその分だけ借入金額を減らせます。これによって収入に対する返済比率が低くなり、金融機関などからは返済が滞るリスクが少ないと判断されるので、審査に通りやすくなるのです。
また、頭金の準備と支払いは、申込者の経済力と計画性を示すことにつながります。車を購入するためのお金を計画的に準備できる能力を持っていることは、金融機関などからの信頼を得やすくなり、マイカーローンの審査において有利に働く傾向があるのです。
利息を抑えられる
頭金を支払うメリットのひとつに、マイカーローンの利息負担を軽減できることが挙げられるでしょう。
例えば、300万円の新車を、金利3%、返済期間5年でローンを組んだ場合を想定します。頭金ゼロの場合、300万円の借入金額に対する利息総額は約23万円です。一方、頭金100万円を支払った場合、借入金額は200万円となり、それに対する利息総額は約15万円に抑えることができます。
このように、頭金を多く支払えば、数万~十数万円単位で利息を節約できる可能性があるのです。
返済期間を短縮できる
頭金を支払うことで、無理なく返済期間を短縮できることもメリットです。
頭金を多く支払えば借入金額が減るため、月々の返済金額を維持すれば、返済期間を短くすることができます。それによって、さらに利息を減らすこともできるのです。
また、早期完済が可能になれば、ライフイベントへの準備やほかの投資への資金を確保しやすくなるでしょう。
新車の頭金を支払うデメリット
新車購入時に頭金を支払うと、メリットがある一方、デメリットもあります。ここでは、新車購入時に頭金を支払う際、考慮すべきデメリットについて解説します。
まとまったお金が必要となる
新車購入時に頭金を支払うデメリットとして、一度にまとまったお金を準備しなければならない点が挙げられます。前述のとおり、頭金は車両本体価格の20~30%が相場です。これは、高額な車種やグレードを選んだ場合、頭金の金額も高くなることを意味しています。
頭金の準備のためにまとまったお金を支払った場合、日頃の生活資金や貯蓄などに影響を与えるリスクがあるため、数年内のライフイベントを見越した綿密な資産計画が必要となるでしょう。家電の故障や家族の病気などによって予期せぬ出費が生じた場合、対応が難しくなる可能性も考えられます。
頭金支払い時に手間がかかる
頭金の支払いにおいて、手続きや準備に関する手間がかかるのも、デメリットといえるかもしれません。
数十万~百万円単位の頭金は、現金払いまたは銀行振込、またはクレジットカードでの支払いとなる場合がほとんどです。金融機関の口座から現金を引き出したり、振込手続きを行ったりする手間が生じます。
クレジットカード払いにおいても、頭金の金額がカードの利用限度額を超えてしまう場合には、一時的な増枠申請手続きが必要となります。一時的な増枠でも審査が必要となり、数日~数週間を要するため注意が必要です。
新車購入時に、頭金以外にかかる費用
新車を購入する際、頭金以外にも気にしなくてはならない費用があります。最後に、新車購入時に頭金以外でかかる費用について解説します。
税金
新車購入時には、複数の税金が発生します。これらは、法定費用の一部として必ず支払わなければならないものです。
自動車重量税
自動車重量税は、車両の重量に応じて課される税金です。例えば、2025年4月時点で、1.5t超2.0t以下の自家用乗用車の新車を購入する場合、4万9,200円(3年分)をまえもって納めることになります。軽自動車の場合は、車両重量にかかわらず9,900円です。
なお、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)など、環境性能の高い車は「エコカー減税」の対象となり、減免措置を受けられる場合があります。
自動車税環境性能割・軽自動車税環境性能割
車の環境性能に応じて税率が決まるのが、自動車税環境性能割と軽自動車税環境性能割です。これらの税は「車の取得価額×税率(0~3%)」で算出されます。
EVやHEVなど、環境性能の高い車ほど税率が低くなり、EVや燃料電池車は非課税(0%)です。
自動車税種別割
自動車税種別割は、新車・中古車を問わず、車の総排気量や種別、用途によって税額が決まります。例えば、2025年4月時点で、1.5L超2.0L以下の自家用乗用車の新車の税額は3万6,000円です。総排気量が660cc以下の自家用軽自動車は、1万2,900円の税額が適用されます。
なお、基準を満たすEVやHEVの場合、「グリーン化特例」にもとづき、軽減措置を受けられる可能性があります。
自動車税種別割は4月1日時点の所有者に課せられますが、年度の途中で普通車を購入した場合、登録月の翌月から3月までの月割りの金額を支払います。軽自動車には月割りの制度がないため、購入後に最初に迎えた4月から課税対象となります。
消費税
消費したものに対して課される消費税は、カーディーラーで新車を購入した際、車両本体価格だけでなく、オプション装備や諸費用に対しても課されます。
新車購入にかかる税金の詳細については、下記の記事で紹介しています。ぜひご確認ください。
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自賠責保険料
自賠責保険は、法律で加入が義務付けられている強制保険で、新車を購入して公道で走行する場合、必ず支払わなければなりません。
自賠責保険料は、車種や契約期間によって異なります。また、契約期間は車検期間に合わせるのが一般的です。例えば、自家用乗用自動車の新車(車検期間3年)の場合、36ヵ月契約で2万3,690円となっています(2025年4月時点)。
自賠責保険の詳細については、下記の記事で紹介しています。ぜひご確認ください。
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自動車保険料
自動車保険とは、自賠責保険の補償では補えない損害をカバーするために、任意で加入する保険です。自動車保険料は保険会社や車の使用目的のほか、加入者の等級・年齢などによって異なります。
自動車保険加入時には、自動車保険の一括見積もりサービスを利用するのがおすすめです。
手続き費用
新車購入時には、新規登録や証明書の発行などにおける手続きが発生します。この手続きは、カーディーラーで代行するのが一般的です。
車両登録をカーディーラーに代行してもらう「登録代行費用」の相場は、3万円程度です。車庫証明を取得するための「車庫証明代行費用」も必要で、相場は1万~2万円程度となっています。また、自宅まで車を送り届けてもらうための「納車費用」が発生する場合もあります。
自動車リサイクル料金
自動車リサイクル料金は、車の廃車処分において必要な費用です。自動車リサイクル法にもとづき、新車の購入時にまえもって支払うことが義務付けられています。
自動車リサイクル料金は車種やグレードによって異なりますが、6,000~1万8,000円程度です。
新車購入時には自動車保険を比較・検討して、保険料を安く抑えよう
新車購入時には、車両本体価格の20~30%程度の頭金を、契約から納車までのあいだに支払うのが一般的です。マイカーローンの審査に通りやすくなるなどのメリットがあるとはいえ、車両本体価格によっては頭金も高額になるため、家計を圧迫しかねません。
新車購入後にかかる維持費をできる限り安くしたいなら、自動車保険料などの出費を抑えたいところです。
なお、自動車保険の保険料や補償内容は、保険会社によって異なります。自身に合った自動車保険を探すには、複数の保険会社に見積もりを依頼して、比較・検討してください。
難点としては、各保険会社のウェブサイトで見積もり依頼はできるものの、手間や時間がかかること。そこで、自動車保険の一括見積もりサービスを利用して、手軽に見積もりを依頼するのがおすすめです。
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