
台風などの強風で飛んできた看板や石、木の枝などが車に当たり、車がダメージを受けた場合に、修理や買い替えのために自動車保険は使えるのでしょうか。車に飛来物が当たったときの保険の適用可否や飛来物・落下物の例について紹介します。
もくじ
車に飛来物・落下物が当たったときに使える保険
車に飛来物や落下物が当たって生じた損害には、車両保険を使うことができます。車両保険には「一般型」のほかに補償範囲を限定して保険料が抑えられた「エコノミー型」というタイプもありますが、車に対する飛来物・落下物の損害は、いずれも適用範囲です。なお、両タイプの適用対象は下記のようになっています。
| 一般型 | エコノミー型 | |
|---|---|---|
| 車やバイクとの事故 (相手が判明している場合) | ○ | ○ |
| 当て逃げ(相手不明) | ○ | △※ |
| 自転車との衝突・接触 | ○ | × |
| 飛来中または落下中の物との衝突 | ○ | ○ |
| 電柱・建物などとの衝突や接触 (単独事故) | ○ | × |
| 転覆・墜落 | ○ | × |
| 火災・爆発・台風・洪水・高潮など | ○ | ○ |
| 盗難・いたずら・落書き | ○ | ○ |
| 地震(津波や地震起因の火災含む)・噴火 | × | × |
※当て逃げはエコノミー型でも補償される保険会社と補償されない保険会社に分かれています。
飛来物や落下中の物による損害で車両保険を使うと、翌年度の等級が1等級ダウンし事故有係数適用期間が1年プラスされます。次年度の保険料が上がることになるのでご注意ください。
また、車を運転している際に、強風などで道路上にすでに落下していた物に衝突した場合は単独事故としての扱いになり、車両保険を使った場合は3等級ダウン・事故有係数適用期間が3年加算になります。単独事故扱いとなるので、エコノミー型車両保険では補償されません。
なお、飛来物や落下物の持ち主を特定できた場合は、その相手に損害賠償請求をすることもできます。ただし、適切に管理していたのにも関わらず、非常に強力な台風の影響で飛んできた瓦などによる損害は不可抗力によるものと見なされ、損害賠償請求できない可能性が高いので注意してください。
台風による車の損害の種類
台風が到来したときには、飛来物以外にもさまざまな形で車に損害が発生することが考えられます。ここでは、台風によって車にどのような損害が起こりえるか解説します。
飛来物による損害
強風によって飛んできた物が車にぶつかったことによる損害です。飛来物による損害は車両保険が適用され、保険金の支払いを受けることが可能です。
なお、暴風によって樹木が倒れ、車を押しつぶす事態も考えられます。この場合は飛来中または落下中の物との衝突と見なされ、車両保険の適用対象です。樹木の内部が腐っていたことにより倒木した場合は、樹木が生えていた土地の所有者に損害賠償請求できる可能性もあります。
水没による損害
台風が原因となる車の損害のひとつに、水没による損害があります。台風による河川の氾濫や高潮などの影響で車が水没した場合は、修理費用を車両保険でまかなうことが可能です。エンジンまで水に浸かるなど、車が物理的に修理できない「全損」の場合は、買い替え費用に車両保険金を充てることになるでしょう。
なお、地震・噴火によって津波が発生し、車が水没したり流されたりした場合は、車両保険の補償対象外です。保険会社によっては地震・噴火・津波によって車両が全損した場合に一時金が支払われる特約が用意されていますが、定額で50万円(車両保険金額が50万円未満の場合は車両保険金額まで)の支払いといった金額になります。
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土砂災害による損害
台風の大雨などによって発生した土砂災害により車に損害が発生することも考えられます。がけ崩れ(斜面崩壊)や地すべりのほか、河川で発生した土石流に車が巻き込まれ、損害を被った場合には、車両保険を使って保険金を受け取ることができるでしょう。
国土交通省によれば、土砂災害の発生件数は2024年で1,433件、2025年では578件でした。国土の約7割が山地や丘陵地の日本は、いつどこで土砂災害に遭うかわからないため、車両保険で備えておく必要があるといえます。
車に対する飛来物・落下物の例
台風などの強風を念頭に飛来物・落下物による損害を説明してきましたが、その他の原因でも飛来物による損害は発生します。どのような損害が考えられるか、車に対する飛来物と落下物の例を紹介します。
車の飛び石
車の飛び石は、車に対する飛来物の代表的な例です。これは走行している先行車が巻き上げた道路上の砂利やタイヤ溝に挟まっていた小石が、タイヤの回転による遠心力によって勢いよく飛ばされることによって生じます。
車の飛び石は主に後続車のボディに当たりますが、フロントガラスに当たった場合、傷やヒビを生じさせます。状況によってはクモの巣のように大きな亀裂が入り、視界を妨げかねません。小さな飛来物でもフロントガラスを交換しなければならないほどの損害を与えることになるので、注意が必要です。
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台風など強い風に乗って舞い上がった物体
車に対する飛来物・落下物の例として、台風や竜巻などの強い風に乗って舞い上がった物体が挙げられます。具体例としては、傘や樹木の枝のほか、店舗の看板や住宅の瓦・植木鉢などです。
風の強さや飛来物の大きさによっては、車のガラスを割ったり、ボディに大きな傷を付けたりすることも考えられます。気候変動の影響で、近年は風が強くなったといわれる台風ですが、経済産業省の調査によれば、2019年9月に発生した令和元年房総半島台風(台風15号)による電柱倒壊のうち、1割強が飛来物によるものだったとされています。台風や竜巻などの飛来物には、十分な対策が必要です。
先行車の落下物
先行車の落下物は、後続車に対してダメージを与える主な物に挙げられるでしょう。国土交通省の調査「高速道路会社の落下物処理件数(令和6年度)」では、落下物処理件数の合計は29万件を超えています。多くがプラスチック・ビニールや布類ですが、バンパーやタイヤなど車の部品のほか、木材や鉄骨が落ちていることもあるので注意が必要です。
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先行車からの落下物を回避できず接触した場合、落下物の大きさや重さによっては車に大きな損傷を与えかねません。落下物で第三者に損害を与えた車は損害賠償の責任が生じるものの、落とした車が特定できないケースもあります。
雪塊
走行中や一時停止中の車に対して、建物の屋根や信号機から雪塊が落ちてくる場合もあります。大きな雪の塊は水分を含んで非常に重いため、車に落ちてきて窓ガラスが割れたり、ボンネットや屋根が凹んだりする損害を被ることもあるでしょう。
降雪量が多い地域では、雪解けのタイミングで落雪が多くなるため、注意しなければなりません。また、トラックなどの先行する大型車から雪の塊が落下し、後続車のボディにダメージを与えるケースもあります。
落石
山間部を走行中の車に対し、落石があることも考えられます。2016年には島根県の県道で、走行中の車に直径1mの岩が落下・直撃し、死傷者が出る事故が発生しています。2017年には埼玉県の山間部で路上に落ちていた約40cmの石に衝突した車が車線を逸脱、フェンスを突き破って崖下に転落する事故も起きました。
「落石注意」という警戒標識がある山道でなくても、落石はさまざまな原因によって起こり得ます。ただ、前方に落ちていた落石にぶつかった場合は「前方不注意」として運転者の過失を問われるかもしれません。
車両保険見直しの際は自動車保険ごと見直そう
飛来物や落下物による車の損害は、車両保険の補償対象です。しかし、すでに地面に落ちているものにぶつかった場合や運転中に飛来物に驚いて運転操作を誤り単独事故を起こした場合などでは、車両保険をエコノミー型にしていると補償対象外となります。
これまで車両保険をつけていなかったけど追加したい、エコノミー型から一般型に変更したいという場合、今までよりも保険料が高くなります。車両保険だけを見直すのもよいですが、保険料のことを考えると自動車保険の契約ごと見直してみるのもよいでしょう。
見直しの際に複数の保険会社を比較してみたいという場合には自動車保険の一括見積もりサービスを利用するのが便利です。複数社の見積もりを一度に取れるので、比較・検討がしやすくなります。ぜひ、インズウェブの「自動車保険一括見積もりサービス」をお試しください。







