カラッとした天気のドライブはとても気持ちがいいですよね。ただ予想以上に上がりやすい車内温度の影響や、無意識に窓からの直射日光を長時間頭上に浴びてしまうことなどで「熱中症」を引き起こしてしまうこともあります。特に真夏の運転は要注意です。この記事では、車に関する熱中症リスクやその対策について解説していきます。
もくじ
熱中症の現状
発生時期
令和3年のデータによると、5月ごろから患者数は徐々に増え、7月が熱中症患者数のピークとなっています。ただ、外が涼しいと感じても車内の温度は予想以上に高くなることもあります。グラフの通り、6月でも5,000人近い患者数が出ています。春先や初夏であっても気を抜かないようにしましょう。
車は温度が上がりやすい?
車内は非常に温度が上がりやすいといいますが、実際はどうなのでしょうか。JAF(日本自動車連盟)の実験にて気温35度の晴れた日の駐車場にてエアコンを停止して室内温度を計測したところ、停止からわずか15分で暑さ指数※が31℃以上の「危険」ランクに達したという結果が出ています。
※WBGT(熱中症指数ともいう)
参考:車内の環境(車内温度/紫外線/空調)(JAFユーザーテスト) | JAF
乳幼児は体温調節機能が未発達であるため、高温下では短時間で体温が上昇し最悪死に至ることもあります。寝ているから、短時間だから、という理由で車内に子どもを残すことは絶対にやめましょう。暑くても幼い子どもは自分で外に出ることもできません。同様に、高齢者も体温調節機能が低下しているため注意が必要です。
車種で違いはある?
JAF(日本自動車連盟)の実験によると、軽と比べて大型車の方が車内温度とダッシュボードの温度が高くなったという結果も出ています。大型車は軽よりフロントガラスの面積が広く角度が浅いため、より直射日光が当たりやすくなることが要因であると考えられます。
春や秋は安全?
春先から初夏などの比較的涼しい気候は安心して注意力が欠け、思いがけない熱中症にかかってしまうことがあります。23.3℃〜24.4℃の過ごしやすい気温の日での車内温度の実験においても、「厳重注意」となる30.9℃という数値まで上昇した結果が出ています。たとえ外が涼しくても気を抜かないよう注意しましょう。
熱中症の被害を避けるために
車内を適温にする
車内の温度は25度前後くらいが適温だとされています。夏場の乗り始めは温度が高くなってしまうと思いますが、できるだけ早く車内の温度を適正温度に整えるようにしましょう。
効率よく車内の温度を下げる方法
図のように、窓を全開にしてエアコンを外気循環モードにして走り出し、車内の熱気を出したら窓を閉め、内気循環モードに切り替えて冷やすことが最も効率的に車内を涼しくする方法だといわれています。
熱中症対策グッズを活用する
以下のような対策グッズを活用することで、体温や車内の温度の上昇を防ぐことができます。
●ハンドルカバー…直射日光によってハンドルが熱くなるのを防いでくれます
●扇風機…エアコンが効くまで車載用の扇風機で暑さをしのぐことができます
●カーフィルム…窓に貼ることで紫外線カットや断熱効果により車内の温度上昇を防いでくれます
●サンシェード…駐車時、フロントガラスに設置して直射日光を遮断することができます
●座席用クッション…電動ファン機能や冷却機能がある座席用クッションは体温上昇を防いでくれます
●車載ドリンクホルダー…保冷機能を搭載したドリンクホルダーは飲み物の温度上昇を防いでくれます
運転中でも気を付ける
エンジンを切ったあとの停車時だけでなく、運転中でも窓の外からの直射日光や温度調整の甘さ、エアコンによる乾燥によって脱水を引き起こし熱中症になる可能性などがあります。運転中のめまいなどは非常に危険なので、軽度の症状でも速やかに水分補給と休憩をとるようにしましょう。
車内に人やモノを放置をしない
上にも記載しましたが、思っている以上に車内の温度は上がりやすくなっています。赤ちゃんや子供、ペットや高齢者の方を車内に放置して熱中症にかかってしまい最悪の場合死亡させてしまう事故は未だに起こっているので注意しましょう。
加えて、車内の物品にも気を配っておくことをおすすめします。温度が上がるとライターが割れてオイルが漏れたり、スプレー缶が破裂してしまったりすることもあるようです。
車における熱中症のケース別対処法
軽度の症状の場合
軽い頭痛や疲労感など比較的症状が軽度の場合、ひとまず水分をとって涼しい場所で十分に休息することが大切です。近くで駐車できるスポットを探すか自宅が近い場合は速やかに帰宅して休みましょう。また自分だけでなく、子供など同乗者の体調にもこまめに気を配る必要があります。
重度の症状の場合
平衡感覚がおかしくなったり、強い頭痛や嘔吐、意識がもうろうとするなどの重度の症状が出てしまった場合は、迅速に救急車を呼びましょう。駐車できる場合は近くの駐車場に車を運ぶか、どうしても動けない場合や運転して帰ることが困難な場合はレッカー車を呼んで車を運んでもらいましょう。このようなロードサービスは任意保険にしっかり加入しておく必要があります。
交通事故に発展することもある
熱中症は急なめまいや吐き気、気絶などの症状もあるため事故に繋がる危険性があります。「ボーッとして運転していて気付いたら目の前に男の子がいた」「ふらふら運転しながら道路脇の畑に落ち、意識不明の状態で病院に搬送された」など、めまいや頭痛で大きな事故に発展してしまう事故は実際に起こっているということを認識しておかなければなりません。
万が一に備える任意保険
車を運転するときは必ず「自賠責保険」に加入しますが、任意で加入できる「任意保険」にもしっかりと加入をしておきましょう。対人への補償であれば自賠責保険で賄うことができる可能性はありますが、単独事故や対物事故の場合は任意保険に加入していないと基本的には全て自費で支払わなければなりません。この場合、一生を棒にふるう金額になる可能性も大いにあります。
もし任意保険に加入していない場合は、自動車保険一括見積もりサービスなどを利用することで手間をかけず比較検討ができ、より希望の補償内容で保険料を抑えられる可能性があります。
まとめ
今回は、車に関する熱中症リスクやその対策について説明しました。熱中症は最悪死亡事故に発展する可能性があるため軽視してはいけない病気です。自分自身だけでなく同乗者の健康を守るためにも、対策グッズの活用やこまめな熱中症予防を行っておく必要があります。また万が一の事態に備えて、任意保険にもしっかりと加入しておきましょう。自動車保険一括見積もりサービスなどを利用することで、効率よく自分に合った任意保険を選ぶことが可能です。