近年、注目のビジネスモデルとなっている「サブスクリプション」方式ですが、自動車業界でもサブスクリプションのサービスが始まっています。CMなどでも見たことがあるという人も多いのではないでしょうか。では、車のサブスクリプションとは一体どのような仕組みなのでしょうか。メリットや注意点について説明します。
もくじ
サブスクリプションって何?
サブスクリプション(subscription)とは、英語で「予約購読」「(クラブなど)会費」などの意味があります。サブスクリプションサービスは、定期的に利用料金が必要なIT業界でソフトウェアやサービスの販売方法として使われていた言葉ですが、スマートフォンの普及により動画配信や音楽配信を定額料金を支払う事で一定期間サービスを受けられるモデルのことを言うことが一般的となり、サブスクリプション、通称サブスクという言葉が世間一般に広まりました。そのような流れからサブスクリプションとは、お店で販売している商品を買取るのではなく、商品を利用した期間に応じて定額で課金する販売方法を言います。
車のサブスクリプションについて
車のサブスクリプションとは、駐車場と燃料代以外の費用を月額の定額料金を支払う事で車を使用することができるというサービスです。自動車業界でもサブスクリプションを導入しサービスを提供するメーカーも出てきています。サブスクリプションで車を所有することに変えるとどのようなメリットがあるのでしょう。車は決して安くない買い物の上、購入後の維持費も考えなければいけません。そんな中、車を購入するのではなくサブスクリプションを利用してみようと考えている人はその特徴について理解しておきましょう。
車のサブスクリプションのメリット
車は、購入後も維持費がかかります。サブスクリプションで車を利用することの特徴を紹介します。
メリット1:頭金の支払がない
車を購入する際には、一括で購入費用を支払うか、多くはまとまった費用を頭金として支払ってローンを組んで購入するかを選択します。サブスクリプションで車を利用するとまとまった費用の頭金を用意することがないため、初期コストゼロで車に乗る事ができます。車に乗るハードルが低くなったということもサブスクリプションを利用するメリットといえるでしょう。
メリット2:維持費が抑えられる
維持費で必要なのは、ガソリン代、駐車場代、高速代の負担
車の維持費が軽減されるところは大きな特徴です。車の維持には、さまざまな税金の支払が必要です。サブスクリプションで車に乗る場合は車取得時に必要な費用と税金、車検時に支払う自動車重量税などの税金関連の費用を支払う必要がないため、まとまった金額を別途用意しておく必要がなく安心です。もちろん車検代も含まれます。更に、車を運転する時には必ず加入が必要な自賠責保険の保険料も定額費用に含まれているため別途用意する必要がありません。また、車のメンテナンス代(オイル交換など)、車を運転する時に加入しておくべき任意保険の保険料も含まれているというのがサブスクリプションの特徴と言えるでしょう。
ただし、車のサブスクリプションサービスを行う会社の中には、車のメンテナンス費用(オイル交換など)や任意保険の保険料が定額費用に含まれておらず自分でメンテナンスを行ったり、任意保険に加入し保険料を負担しなければいけない会社もあります。車のサブスクリプションを利用するときには、車の定額費用には何が含まれており、維持費はどれくらい必要なのかを理解して契約するようにしましょう。
メリット3:車の乗り換えができる
車のサブスクリプションのサービスを行う会社のサービス内容によって違いはありますが、運転する車は気軽に乗り換えられることを特徴としています。車選びに失敗したとしても乗り換えのサービスがあると変更ができるので安心ですよね。常に最新の便利で安全な車に乗れたり、新しい車に乗れること等も車好きにとってはうれしいメリットではないでしょうか。ただし、車の乗り換えには契約する会社のプランや契約内容、条件によって短期間で乗り換えが可能な場合や長期間乗り換えできない場合などがあるためプランはしっかり確認し選択するようにしましょう。
メリット4:「わ」ナンバーじゃない
レンタカーやカーシェアを使用した場合、付与となる車のナンバープレート「わ」ナンバーです。車のナンバープレートのひらがなは車の用途を表しており、「わ」ナンバーの車は貸渡用とされています。「わナンバー = レンタカー」といったイメージが強いのはそのせいですね。しかし、車のサブスクリプションで利用する車は「わ」ナンバーにはならないため走行中も借り物の車で走っていると周りに思われることがなく安心です。
注意点
先ほども述べたように、車維持に係る固定費を節約したいとサブスクリプションを考えている人は、任意保険についての取り扱い、車のメンテナンスは定額費用内で行ってもらえるのかという事には注意しましょう。どこからどこまでが定額費用での対応範囲でどこから自己負担となるのかという事は契約前に確認しておく必要があります。
車のサブスクリプションでは、一般的に契約時に決めた契約期間内に解約・キャンセルを行う事ができません。契約期間が終了したら車は返却するため自分のものにはなりません。ローンを組んで車を購入した場合では、ローンを完済すれば車の所有権は自分になりますが、サブスクリプションで愛着をもって利用していた車は、契約期間が終われば返却することになります。また、返却しなければいけないため車のカスタマイズもできないことも注意点です。任意保険料やメンテナンス費用が自己負担だった場合、長期の期間で契約しているサブスクリプションでは契約期間が満了しても自分の車になる事もなく割高になってしまう可能性があるというデメリットがあります。
車のサブスクリプションのメリット面を考えると、サブスクリプションにした方が車を安く利用できるように思えますがそうとも言えません。車に乗る期間を考えると初期費用や維持費をトータルで考えた時に、購入して所有する方が安くなる場合があるという事です。メンテナンスや任意保険料が含まれていないプランで契約すると月額費用以外に必要になります。任意保険は若年層であれば保険料が高いという特徴があるため、保険料も込みで月額費用を支払うモデルのサブスクリプションであれば車にかかる費用を安く抑えられるケースもあるでしょう。どのくらいの期間車を所有する予定なのか、車に必要な維持費を考えると購入する方がいいのか、サブスクリプションを利用した方がよいのか費用の比較を行ってみてから決めると失敗を防げるでしょう。
カーリースと車のサブスクリプションの違い
これまでカーリースは広く馴染みがあったサービスでしたが、最近登場したサブスクリプションとはどう違うのでしょう。一定額費用を支払って利用するサービス内容は変わらないため同じような扱いとされていることも多く判別は難しいです。
カーリースの場合は、リース期間の総額を設定し、それを割って毎月月額として支払う方法となるため、途中解約が認められないケースがほとんどです。やむを得ず解約する場合も違約金や解約金が高額となってしまう事もあります。車のサブスクリプションにおいても、基本は、契約期間内に解約・キャンセルを行う事が出ませんが、解約金や違約金は必要なく途中解約できるものやカーリースより解約時の費用がかからないことが多いようです。更に、サブスクリプションでは、車の乗り換えができる点がメリットでしたがカーリースでは車の乗り換えサービスはありません。ここは大きな違いですね。
車の維持費は保険料を抑えて安くできる
現在、車を所有している人で車の維持費が高く、所有している車を処分して車のサブスクリプションに変更するということを検討している人がいるかもしれません。または、一定期間だけ車に乗ることを考えておりサブスクリプションを利用したいと関心を持っている人もいるでしょう。
車の維持費が負担と感じている人は、維持費の中で節約できるものがないか探してみましょう。車の維持費の中で任意保険の自動車保険は保険料を節約することが可能な部分です。自動車保険は、強制加入の自賠責保険とは違い、自分に合った補償内容で契約することができます。保険会社も顧客獲得のために様々なサービスを行っており自分に合った補償内容やプラン、サービスを選択することで安くすることができます。また、保険会社によっても保険料は異なるため保険会社を比較することでよりお得に契約できる保険会社が見つかるでしょう。必要な補償でより安く契約するためには一括見積もりサイトなどを利用して保険料の比較を行うと便利です。
自動車保険を安くするには一括見積もりがおすすめ!
保険の窓口インズウェブでは、保険料が安くなった平均額で36,682円というアンケート調査結果もあります。アンケート回答者の内、24%の人は5万円以上安くなったと回答しており、自動車保険は比較で安くする事が可能なので、一括見積もりサイトを利用し比較を行ってみてはいかがでしょうか。(保険の窓口インズウェブを初めて利用された方2021年アンケートより)
サブスクリプションの任意保険には等級制度はない
サブスクリプションは自動車保険の等級の引き継ぎはないため車を購入して自動車保険に加入する場合は6等級からスタートになります。サブスクリプションで車を利用していた時に事故を起こしても等級に影響することはありません。
現在、車を所有している人が所有している車を処分し、定額費用に自動車保険料(任意保険料)も含まれる車のサブスクリプションに変更する場合は、現在利用している自動車保険の中断手続きを行いましょう。サブスクリプションの定額に含まれている自動車保険(任意保険)はパッケージに含まれているため等級の引き継ぎなどはありません。中断の手続きを行っておけば、再度、車のサブスクリプションから車を購入して自動車保険に加入する際に現在の等級を引き継ぐことができます。
まとめ
近年、定額で費用を支払いサービスを受けるサブスクリプション(サブスク)のモデルが増えてきています。自動車業界においても車をサブスクリプションで利用するという事ができるようになりました。モノは、「所有」から「利用」へ変わりつつあります。たくさんのさまざまなサービスが登場する中で、自分にとってのよい方法を選択していかなければいけません。車は、購入時の初期費用だけでなく、税金や保険料などの維持費が必要になります。自分の使い方ではどのような形がコストを安く抑えながらカーライフを楽しめるのかたくさんあるサービスの中から満足できる方法を探してみましょう。