子供の送り迎えで2台目が必要になった、子供が車を運転するようになったなどさまざまな理由で車を増やすことがあると思います。そうした場合、増車した車の自動車保険料あるいは複数台合計の自動車保険料を安くすることができる可能性があります。どのような場合に保険料を安くすることができるのでしょうか。
セカンドカー割引で7等級からスタート
2台目以降の車を購入して新たに自動車保険を契約する場合、一定の条件を満たすとセカンドカー割引(複数所有新規割引)が適用されて、通常は6等級からスタートのところ割引率の高い7等級からスタートすることができます。本来は契約後1年間無事故である必要がある7等級を1年目から得られるのは大きいのではないでしょうか。
セカンドカー割引が適用される条件は以下の通りです。
1台目の車についての条件
- 1台目の車の等級が11等級以上であること ※1
- 1台目の車の用途・車種が自家用8車種であること ※2
- 1台目の車の所有者が個人であること ※3
- 1台目の車の自動車保険の記名被保険者が個人であること
2台目の車についての条件
- 2台目の車が今回初めて自動車保険を契約する車であること
- 2台目の車の用途・車種が自家用8車種であること ※2
- 2台目の車の所有者が個人で、以下のいずれかであること
- 1台目の契約の記名被保険者かその配偶者
- 1.の同居の親族 ※4
- 1台目の車の所有者
- 2台目の車の記名被保険者が個人で、以下のいずれかであること
- 1台目の契約の記名被保険者かその配偶者
- 1.の同居の親族 ※4
※1 1台目の契約が1年を超える長期契約の場合、1台目の契約の保険始期日時点での等級で11等級以上である必要があります。
※2 自家用8車種とは、以下の用途・車種の車のことです。
自家用普通乗用車・自家用小型乗用車・自家用軽四輪乗用車・自家用小型貨物車・自家用軽四輪貨物車・自家用普通貨物車(最大積載量0.5トン以下)・自家用普通貨物車(最大積載量0.5トン超2トン以下)・特種用途自動車(キャンピング車)
※3 所有者がディーラー・ローン会社・リース業者(1年以上のリース)の場合には、車検証記載の使用者を所有者とみなします。
※4 親族とは6親等以内の血族および3親等以内の姻族のことをいいます。
1台目と2台目で同じ保険会社である必要はありませんが、同じ保険会社で契約するとさらに割引を受けられる会社もあります。別々の会社で契約する方が安いのか、同じ会社で契約する方が安いのかは契約内容によって異なりますので、1度複数の保険会社の見積もりを取って比較してみるのがよいでしょう。
セカンドカー割引とは?メリットと適用条件、注意点を解説
セカンドカー割引とは、2台目以降の車に自動車保険を新規で加入すると適用される割引サービスのこと。現在は、多くの保険会社がセカンドカー割引を採用しています。セカンドカー割引は、2台目以降の車の保険料を安 ...
車両入替でさらにお得になることも
増車で自動車保険を新規に契約する場合、車両入替を活用することで保険料をさらに抑えられる場合があります。
例えば、Aという車を持っていて自動車保険の等級が20等級とします。新たにBという車を購入する場合、車Bに対して新規契約をして7等級(セカンドカー割引が適用されなければ6等級)からスタートするのではなく、車Aに対する契約で契約車両を車Bに変更(車両入替)をし、車Aは新規契約をすることで、車Aの契約は7等級(あるいは6等級)、車Bの契約は20等級とするのです。
車Aと車Bでどちらを高い等級での契約にするかの違いですが、車Aが主に父親が運転する車で車Bが新たに同居の子供用に購入した車だという場合など、一方の保険料が高くなることが想定される場合は、保険料が高くなる方に割引率が大きい等級が適用されるように契約したほうが合計の保険料が安くなる可能性が高いです。
車両入替ができる条件
車両入替は等級を入れ替えて保険料の合計を抑えることを目的として使うこともできますが、いつでも自由にできるというわけではありません。車両入替が可能なのは以下の条件を満たすときです。
- 入替後の車が新たに取得された車であること、または、入替前の車が廃車・譲渡・返還された場合において他に所有する車に入替をすること
- 入替後の車の所有者が入替前の車の所有者と同一または入替前の車の契約の記名被保険者、その配偶者もしくはそれらの方の同居の親族であること
- 入替後の車の用途車種が自家用8車種であること
※保険会社により異なる場合があります。詳細については契約する保険会社にご確認ください。
車を新たに取得したとき、あるいは廃車・譲渡・返還により車の数が減少したときにしか車両入替ができません。したがって、時間がないから後から契約を変更しようと思ってもすることができないのです。また、よくあるのが子供が別居していて車両入替できなかったというケースです。記名被保険者の配偶者については同居の有無を問いませんが、その他の親族については同居していることが条件となるので注意が必要です。
補償内容の重複に注意
家族で複数の車を所有する場合、自動車保険の補償内容の重複に注意する必要があります。重複を起こしているとその分の保険料が無駄となってしまいます。
重複を起こしやすい補償内容としては、人身傷害保険、弁護士費用特約、個人賠償責任保険、ファミリーバイク特約などがあります。これらの補償は記名被保険者だけでなくその家族も対象に含む内容があるので、すべての車に対して同じように特約を付けると家族に対する補償が重複してしまいます。
契約する際は補償内容をよく確認して保険料を無駄に支払わないように注意しましょう。
補償の重複を解消して自動車保険料を安くしよう
家族内で複数の車を所有している場合、自動車保険の補償内容の重複が起こりやすくなります。また、自動車保険以外の保険と補償内容が重複することもあります。補償内容が重複しているとその分の保険料が無駄となって ...
まとめ
家族で保有する車を増やした場合、2台目以降の車についてはセカンドカー割引が適用されれば6等級からではなく7等級から契約を始めることができます。1台目の車と同じ保険会社である必要はないので、どこの保険会社がよいのか複数の会社の見積もりを取って比較してみるのがよいでしょう。また、2台目以降の車について年齢が若い同居の子供が運転する場合や型式別料率クラスが高い場合など保険料が高くなることが予想されるときは車両入替を活用することで保険料の合計を安くすることができるかもしれません。こうしたちょっとした工夫で保険料を安くできる場合には積極的に活用していきましょう。
著者情報
堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。