交通事故の処理に必要な知識、情報は、法律から医療まで複雑で多岐にわたっています。 二次的被害を最小限に食い止めるためにも、弁護士、医師、損保業界、行政、交通事故の経験者など、多くの人の意見に耳を傾けることが大切です。交通事故に関する相談窓口はいろいろありますが、ここでは、お金のかからない「無料相談」の窓口をいくつか紹介します。
ただし、各窓口で得た「解答」が、本当にベストなものであるかどうか? 正しいかどうか? については、その都度、各自でしっかり見極める必要があるでしょう。
弁護士による交通事故相談
事故の処理で困ったときに、法律に強い弁護士に相談できるのは心強いのではないでしょうか。日弁連が設立した、弁護士が無料相談を行う公益財団法人が存在します。それは、「日弁連交通事故相談センター」です。
日弁連交通事故相談センターは全国に128ヶ所設置されており、 交通事故に関する相談や示談の斡旋を無料で行なっています。相談日や相談時間は、あらかじめ問い合わせた上で、出向いてみてはいかがでしょうか。
また、「弁護士による一斉交通事故電話相談」を1ヶ月に1回のペースで行なっていますので、遠方へ出かけられない人は、こうしたチャンスを利用するのもよいでしょう。相談できるのは、国内で発生した、自動車・二輪車の事故の、民事関係の問題についてです。刑事や行政処分に関する相談は受け付けていません。年間スケジュールと各相談所の受付時間が決まっていますので、問い合わせてみてください。
※公益財団法人日弁連交通事故相談センター 03-3581-4724
交通事故紛争処理センター
保険会社が提示してきた保険金額に納得できないときや、トラブルが生じた場合は、中立で独立した機関である「交通事故紛争処理センター」に無料で相談することもできます。相談委員は弁護士や学識経験者で、和解のあっせんなどを行っています。費用をかけて別に弁護士を依頼する必要はありません。
なお、被害者と加害者、または加害者が契約する保険会社等との示談をめぐる紛争を解決するために業務を行っているため、搭乗者傷害保険や人身傷害補償保険など自分が契約する保険会社との紛争については相談することができません。
予約が必要なので、利用の前には問い合わせてみてください。
※交通事故紛争処理センター東京本部 03-3346-1756
自動車保険の請求等保険に関する相談窓口
自賠責保険や任意保険の内容や、保険金の請求についてわからないことがある場合や損害保険に関する様々な相談・照会等が必要な場合には、「そんぽADRセンター」が受け付けてくれます。
一般社団法人日本損害保険協会(損保協会)が発行する「交通事故被害者のために」という小冊子(A4版30ページ・無料)に、問い合わせ先のほか、交通事故処理や保険請求についての詳しい情報が載っていますので、ぜひ取り寄せてみることをおすすめします。送付を希望する場合は、損保協会に問い合わせてください。損保協会のホームページの中でも、この小冊子の全ページをダウンロードして見ることができます。
※一般社団法人日本損害保険協会 048-485-2376 FAX048-485-2302
各都道府県にある身近な相談窓口
各都道府県庁や市役所、また交通安全協会にも、「交通事故相談所」が設けられています。各自で問い合わせてみるとよいでしょう。