
車のタイヤやホイールが何者かに盗まれてしまったら、どうすればいいのでしょうか。近年、タイヤ・ホイールの盗難被害は地域によって急増しており、決して他人事とはいえません。盗難に気づいたときの正しい対処法を知らないと、警察への届出や保険金請求が遅れ、被害の回復が難しくなるおそれがあります。
この記事では、タイヤが盗難に遭ったときの対処法や車両保険が使えるケースについて紹介します。また、タイヤ・ホイールの盗難件数や盗難を防ぐための対策についても解説します。
タイヤが盗難に遭ったときの対処法
愛車のタイヤが盗まれた場合に、どのように対応したらいいのかわからない人も少なくないでしょう。ここでは、タイヤが盗難に遭ったときの対処法について解説します。
1. 被害状況を確認する
タイヤやホイールの盗難に気づいたら、まずはその場で被害状況を確認しましょう。車に装着されていたものを盗まれた場合は、車を動かさずに確認してください。車を動かしてしまうと、車体をさらに傷つけたり、犯行時の痕跡(工具の跡やタイヤ痕など)を消してしまったりするおそれがあります。タイヤ・ホイールが何本盗まれているか、また車体に傷がないかなど、被害状況をスマートフォンなどで写真に残しておくと、その後の届出や保険金請求の際に役立ちます。
ジャッキアップされたまま車体がブロックなどの上に置かれている場合は、車体が不安定な状態になっていることがあるので、注意が必要です。これは無理に車に近づいたり、自分でジャッキを外そうとしたりすると、車体が倒れてケガをするおそれがあるからです。
また、盗難発生時刻の見当がつく場合はおおよその時間帯もあわせてメモしておくと、その後の捜査や保険会社への説明がスムーズになります。
2. 警察に連絡して被害届を出す
被害状況を確認したら、警察に連絡して被害届を提出しましょう。盗難被害を警察に届け出ると、受理番号が発行されます。この受理番号は、後述する車両保険の保険金請求の際に必要となることが多いため、必ず控えておいてください。
被害届の提出には、盗難に気づいた日時や場所、被害品(タイヤ・ホイールのメーカーや本数など)を具体的に伝える必要があります。警察官が現場で鑑識を行う場合もあるため、可能であれば発見時の状態をそのまま保つようにします。届出は、できる限り早めに行いたいところです。
3. 保険会社に連絡する
警察への届出が済んだら、加入している保険会社に連絡します。事故(盗難)の状況を保険会社に伝え、必要書類や請求手続きについての案内を受けてください。車に装着されていたものを盗まれたのであれば、車両保険に加入していた場合、契約内容によってはタイヤ・ホイールの盗難被害が補償対象となるでしょう。
保険金の請求にあたっては、盗難届受理番号のほか、被害状況を撮影した写真や、盗まれたタイヤ・ホイールの購入時期・金額がわかる書類の提出を求められることがあります。あらかじめ手元に用意しておくと、その後の手続きがスムーズに進められるはずです。
保険会社によっては、盗難の連絡から保険金の支払いまでに一定の審査期間が設けられている場合もあります。連絡すればすぐに保険金が振り込まれるわけではないため、必要書類はできるだけ早めに提出するのがおすすめです。修理工場や代替タイヤの手配を並行して進めておくと、車を再び使えるようになるまでの期間を短縮できます。
タイヤの盗難は車両保険で補償される?
車に装着されていた場合
車に装着された状態のタイヤやホイールが盗まれた場合、車両保険によって補償される可能性が高いでしょう。補償範囲を限定した保険料の安いエコノミー型の車両保険でも、盗難は補償対象に含まれていることが多いです。
ただし、実際に保険金が支払われるかどうかや、免責金額(自己負担額)の有無・金額は、契約している保険会社や商品によって異なります。タイヤ・ホイールが盗難に遭った場合に補償を受けられるかどうかは、契約している保険会社に確認するようにしてください。
車から取り外して保管していた場合
冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ)など、車から取り外して自宅の敷地内や倉庫などに保管していたタイヤが盗まれた場合は、自動車保険の車両保険の補償対象には含まれません。
火災保険であれば保管方法や契約内容、約款次第で補償されるケースもありますが、自動車の付属品は保険の対象に含まれないと定められていることも多いです。また、屋外で保管していたケースでも補償を受けるのは難しいでしょう。
冬季にスタッドレスタイヤへ履き替えたあと、外したサマータイヤを自宅の駐車場や庭先に無施錠のまま置いているケースは、盗難の標的として狙われやすいです。保管場所を工夫するだけでも、被害に遭うリスクを大きく減らせるので、居宅内や施錠付きの車庫などに保管するようにしましょう。
タイヤ盗難で車両保険を使ったら等級はどうなる?
タイヤ・ホイールなどの盗難によって車両保険を使って保険金を受け取ると、「1等級ダウン事故」として扱われ、翌年度の等級が1等級下がり、事故有係数適用期間も1年加算されます。
等級が下がると、次年度以降の保険料は基本的に高くなります。盗難に遭ったタイヤ・ホイールの損害額と支払われる保険金の額、そして保険料アップの幅などを踏まえた上で、車両保険を利用するかどうかを判断するようにしてください。
タイヤ・ホイールの盗難被害はどうなっている?
近年、タイヤ・ホイールの窃盗は地域によっては急増しています。例えば埼玉県では、2025年のタイヤ・ホイール盗難の被害が前年の約2.6倍の1,016件発生し(埼玉新聞より)、栃木県では2025年1月~8月の被害件数が前年同時期に比べて約2.7倍になったと報道されました。タイヤ・ホイールが狙われやすい理由としては、車体から取り外しやすい構造であることに加え、中古品としての換金性の高さが挙げられます。
特にアルミホイール付きのタイヤは高値で転売されやすく、狙われやすい傾向にあるので、注意が必要です。冬が近づいて、スタッドレスタイヤへの需要が高まる時期には、盗難被害がさらに増える傾向もあります。
タイヤ・ホイールの盗難を防ぐ方法
タイヤ・ホイールの盗難を防ぐには、いくつかの方法があります。ここでは、タイヤ・ホイールの盗難を防ぐ方法について解説します。
盗難防止用のロックナット・タイヤロックを使用する
ホイールナットを専用の工具でなければ取り外せないロックナットに交換したり、タイヤをロックする器具を装着したりすることで、タイヤ・ホイールの盗難対策になるでしょう。目立つ色のタイヤロックを使用すれば、視覚的な抑止効果も期待できます。
ちなみにロックナットには、車種ごとに専用のアダプターが必要になるものもあり、購入前に自分の車に対応しているかの確認が求められます。また、4本のタイヤすべてに同じ種類のロックナットを使うと、専用工具さえあれば一度に外されてしまう可能性も否めないため、一部を別の種類のロックナットに交換することで、より高い防犯効果が期待できるはずです。
防犯カメラやセンサーライトを設置する
駐車場や自宅の敷地内に防犯カメラやセンサーライトを設置することも、タイヤ・ホイールの盗難対策として効果的です。犯行の様子が記録される、あるいは人が近づくと点灯するといった環境をつくることで「この車は狙いにくい」と思わせ、盗難を未然に防ぐ効果が期待できるからです。
近年では、スマートフォンと連動して映像をリアルタイムで確認できるタイプの防犯カメラも普及しています。設置費用はかかりますが、駐車場の管理会社や近隣住民と共同で導入したり、月極駐車場であれば管理会社に設置状況を確認したりするのもひとつの方法といえるでしょう。ダミーカメラでも一定の抑止効果は期待できるものの、実際に録画できるカメラのほうが、被害発生時の証拠としても役立つのはいうまでもありません。
明るく人目につく場所に駐車する
明るく人目につく場所に駐車するのも、タイヤ・ホイールの盗難防止策のひとつです。暗く人目につきにくい場所の方が、盗難の標的になりやすい傾向があります。できる限り、街灯の下や人通りの多い場所のほか、防犯カメラが設置された駐車場を選んで駐車しましょう。
自宅の駐車場が道路から見えにくい位置にある場合は、センサーライトの設置に加えて、駐車の向きを工夫するだけでも効果があります。また、車をフェンスや壁に近づけて駐車することで、犯人が作業しにくい状況をつくり出せます。集合住宅の駐車場を利用している場合は、管理組合に相談し、共用部分の照明や防犯設備の見直しを提案することも検討してください。
タイヤ・ホイールの情報を記録しておく
タイヤやホイールの情報などをあらかじめ記録し、写真も残しておきましょう。万が一、盗難に遭った場合、警察への被害届や保険会社への請求の際、被害品を特定する情報として役立ちます。
記録する情報としては、タイヤの銘柄・サイズ、ホイールのメーカー・デザイン名が挙げられます。これに加えて、購入した店舗名や購入日、レシートの写真なども保存しておくと安心です。フリマアプリなどで転売された際に、盗品と照合しやすくなるほか、保険金請求時の被害額算定の根拠としても活用できます。
タイヤの盗難に備えて車両保険を検討しよう
タイヤの盗難に遭った場合は、まず警察への届出と、加入している保険会社への連絡を進めましょう。補償の可否や自己負担額を確認することが大切です。
今後の盗難に備えて自動車保険を見直すなら、保険料だけでなく、盗難の補償範囲や免責金額も比較しましょう。複数の保険会社に見積もりを依頼して、比較・検討するのがよいでしょう。難点としては、各保険会社のウェブサイトで見積もり依頼はできるものの、手間や時間がかかることです。自動車保険の一括見積もりサービスを利用すれば、複数社の見積もりを一度に取ることができるのでおすすめです。
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