車の寿命は、故障の頻発や走行性能の低下といったサインによって判断できます。愛車の寿命が近づいてきた場合には、買い替えや修理など、適切な対処をしなければなりません。
とはいえ、日常的に車を使用している場合、それらのサインに気づかないこともあるので、寿命となるタイミングについて認識しておくことが重要です。また、購入費用や維持費を抑えるため、少しでも車の寿命を延ばす方法についても知っておくといいでしょう。
この記事では、車の寿命を知らせるサインと車の寿命を迎えたときにすべきことのほか、寿命を延ばす方法についてご紹介します。
もくじ
車の寿命を知らせる3つのサイン
車の寿命が近づいているかどうかは、いくつかのサインによって把握が可能です。まずは、車の寿命を知らせる3つのサインを紹介します。
故障の頻発
車が寿命に近づくと、さまざまな部品が経年劣化し、故障の頻度が増えます。最初は小さな故障でも、修理を繰り返すうちに修理費用が高額になることもあるでしょう。
特に、エンジンやトランスミッションのオイル漏れや振動、スムーズさに欠ける動作など、主要装置の故障は修理費用が高額になるだけでなく、車の寿命を縮める大きな要因となるので注意してください。
これらの主要装置に故障の兆候が見られたら、早めに修理工場で点検することをおすすめします。
走行性能の低下
車の寿命が近づいたサインとして、走行性能の低下が挙げられます。具体的な症状としては、加速が鈍くなったり、燃費が悪くなったりすることです。また、操縦性の悪化も生じます。
これらの症状は、エンジンの出力低下やトランスミッションの不具合といった原因が考えられます。ただし、操縦性の悪化については、足回りの劣化が原因の可能性もあるので注意してください。
車の走行性能の低下を感じたら、安全のためにも早めに点検を受けるようにしましょう。
走行中の異音の発生
車が寿命に近づくと、走行中にさまざまな異音が発生する傾向があります。例えば、エンジンルームから「ガラガラ」と音がしたり、足回りから「キュッキュ」「ギシギシ」といった異音がしたりすることがあるでしょう。
これらの異音は、各部品の故障や劣化のサインである可能性が濃厚です。放置すればさらに大規模な修理や、危険なトラブルにつながる可能性があるので注意してください。
車の寿命を判断するタイミング
車の寿命は「10年・10万km」といわれることもありますが、実際にどのようなタイミングで判断すればいいのでしょうか。ここでは、車の寿命を判断するタイミングについて解説します。
使用年数が13~15年
これまで一般的に、車の寿命は10年程度といわれてきました。ただ、近年では車の耐久性も向上しており、令和6年3月末の普通乗用車の平均使用年数は12.75年、小型乗用車の平均使用年数は13.88年となっています(自動車検査登録情報協会より)。平均で約13年なので、それ以上使用されている車もありますが、13~15年使用している車は、故障のリスクが高まるといえるでしょう。
エンジンやトランスミッションだけでなく、電気系統などは13~15年経過すると経年劣化し、故障の原因となるため注意が必要です。
走行距離が10万~15万km
走行距離も、車の寿命を判断する上で重要な要素です。走行距離が10万~15万kmを超えると、エンジンやトランスミッションなどの主要装置において部品の摩耗や劣化が進み、故障のリスクが高まるとされています。
走行距離が10万km以上でも、こまめにメンテナンスを行っていればトラブルが発生しない場合もあるでしょう。とはいえ、一般的に走行距離が10万~15万kmを超えた車は、状態の変化に注意が必要です。
維持費の高騰
車の維持費が高騰したタイミングは、車の寿命を判断する機会といえるでしょう。そもそも車の維持には、燃料代や駐車場代だけでなく、修理費用や車検代、税金など、さまざまな費用がかかります。この維持費は、燃費性能の低下や修理箇所の増加によって高くなるのです。
車の寿命が近づいた車は、交換部品が増えて作業工賃が上がるため、車検を通すための整備費用が高くなります。それだけでなく、自動車税種別割や自動車重量税などの税金も、新車登録から13年以上経過した車は高くなるので注意してください。
車が寿命を迎えたときの選択肢
車が寿命を迎えたら、使用目的や状態に合わせ、適切な手段を講じるべきでしょう。ここでは、車が寿命を迎えたときの選択肢について解説します。
車の買い替え
車が寿命を迎えた場合、車に乗り続ける必要があるなら、基本的には車の買い替えを検討すべきでしょう。最新技術が採用された新しい車に買い替えることで、高い安全性や快適な装備を享受できるだけでなく、車に起きる故障のリスクを減らし、安心してドライブを楽しめるのは大きなメリットです。
また、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)などのエコカーを選べば、燃料代を節約できる上、自動車保険の割引や税金の優遇措置などを受けられる可能性もあります。
なお、車を買い替える際は、「新車」と「中古車」を選択することになります。新車は、自分の好みに合わせて車種やオプション装備を選べる点がメリットです。一方、中古車は車両本体価格が安く、予算を抑えられるメリットがあります。
どちらを選ぶかは、予算やライフスタイル、車の使用目的などを考慮して決めてください。
車の大幅な修理
長年乗った愛着のある車や希少価値のある車を手放したくない場合は、大幅に修理するという選択肢もあります。エンジンやトランスミッションなどの主要装置を修理・交換すれば、車を延命させられます。
ただし、大幅な修理には高額な費用がかかる点に注意が必要です。特に、古い車であればあるほど部品を入手することも難しくなるため、その傾向が強くなるでしょう。
また、修理しても完全に新車時の状態に戻るわけではありません。場合によっては、修理した部分以外の装置が故障する可能性もあります。 大幅な修理をする場合は、修理費用と車の残存価値を比較・検討し、慎重に判断するようにしてください。
廃車
車の状態が悪く、修理費用が残存価値の50%を超える場合には、廃車(永久抹消登録)という手段を選ぶことになるかもしれません。廃車手続きには費用がかかる場合もありますが、車を処分すれば、維持費の負担をなくせるのはメリットです。
なお、廃車にする場合は、自動車リサイクル法にもとづき、適切な処理をする必要があります。自動車登録の抹消やナンバープレートの返却など、廃車手続きは複雑なため、廃車買取業者などへの依頼をおすすめします。廃車買取業者へ依頼すれば、無料で引き取ってくれることがほとんどです。
車の寿命を少しでも延ばすには?
車の寿命は、一般的に新車登録から13~15年または走行距離が10万~15万kmを迎えたタイミングで訪れますが、日々の心掛けによっては延ばすことも可能です。最後に、車の寿命を少しでも延ばす方法について解説します。
定期的にメンテナンスを行う
車の寿命を延ばす方法に、定期的かつ適切なメンテナンスが挙げられます。対症療法的な修理ではなく、予防的なメンテナンスが車の長寿命化には不可欠です。とりわけ定期点検は、車の状態を健康に維持し、大きな故障を未然に防ぐために効果的な手段といえるでしょう。
主なメンテナンスとしては、エンジンオイルやオイルフィルターの定期的な交換とタイヤの空気圧チェックのほか、ブレーキパッドの残量確認などです。エンジンオイルについては、走行距離や車種によって異なるものの、一般的に5,000kmごと、または6ヵ月ごとの交換が推奨されています。オイルフィルターの交換も同時に行えば、エンジンの清浄性と潤滑性を保つことができます。
さらに、ブレーキオイルや冷却液、トランスミッション用オイルなどの点検と交換も重要です。
整備士による定期的な点検を受けることで、潜在的な問題を早期に発見でき、結果的に車の長寿命化につながります。車の状態を把握するためにも、メンテナンス記録はしっかりと保管しておいてください。
車に負担をかけない運転を心掛ける
車の寿命を一般的な寿命よりもさらに延ばすためには、丁寧な運転が極めて重要です。車に対して不必要な負担をかけない運転が、車の長寿命化につながります。
具体的には、急発進や急加速のほか、急ブレーキといった「急」がつく運転を避けることが挙げられます。乱暴な運転は、エンジンマウントやドライブシャフトのほか、タイヤ、ブレーキパッドといった各部品に過度の負担をかけ、消耗や劣化のスピードを早めるからです。
また、エンジンやオイル類が十分に温まっていない状態で低速走行したり、短距離走行を繰り返したりするのは、自動車メーカーが定める「シビアコンディション」に該当し、車の劣化を早める原因となります。
走行時は基本的には時速30km以上で走行し、1回あたり8km以上の走行を心掛けるようにしてください。
定期的に洗車を行う
定期的な洗車は、車の美観を維持するだけでなく、車の寿命を延ばすことにもつながります。鳥のフンや樹液のほか、潮風や雪道にまかれた凍結防止剤(融雪剤)などは、車の塗装面のはがれや色あせ、ひび割れ、またはサビなどの深刻なダメージを与えるおそれがあるからです。長寿命化のため、定期的かつ適切な方法で洗車をしましょう。
洗車の際は、単に水で流すだけでなく、中性洗剤を使用し、やわらかいスポンジやタオルで優しく汚れを落とします。潮風や凍結防止剤によるサビが心配される場合は、車体全体にワックスがけを行うことで、サビから車を守ることができます。
また、車内の清掃も重要です。ダッシュボードや座席の定期的な室内清掃は、内装の劣化やにおいの付着などを防ぎます。
車を寿命で買い替える際は、任意保険を見直そう
現代の車の寿命は、概ね走行距離が10万~15万kmまたは新車登録から13~15年を迎えたタイミングといわれています。
新車購入後、13年を超えると課される税金も高くなるため、維持費を考えれば買い替えたほうが無難です。最近のエコカーは燃費性能に優れているだけでなく、税金の優遇措置を受けられるため、維持費を大幅に抑えられます。さらに、自動車保険のエコカー割引などが適用されるのも魅力的です。
車の維持費をできる限り抑えたいと考えるならば、買い替えの際にはエコカーを選び、同時に自動車保険も見直すことをおすすめします。
なお、自動車保険の保険料や補償内容は、保険会社によって異なります。自身に合った自動車保険を探すには、複数の保険会社に見積もりを依頼して、比較・検討してください。
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