会社を通して自動車保険に加入すると団体割引で保険料が安くなることがあります。退職後は同じように団体割引を受けられるのでしょうか?退職や転職の際には自動車保険の見直しをしてみましょう。
もくじ
団体扱自動車保険とは
会社によっては福利厚生の一環として団体扱の自動車保険に加入することができます。個人で保険会社や代理店を探して契約するのとは違い、団体割引があるため保険料が安くなることが多いのが特徴です。
団体扱契約では企業が加入者を集め、保険契約は役職員と保険会社や代理店が個別におこないます。給与天引きで保険料を集金するため、その分大口割引として保険料が安くなるのです。 企業や団体によって割引率が異なり、3~30%程度となっています。損害保険金の支払い状況によって割引率は毎年変動し、契約台数が多く事故率が少ないほど大きく割引になります。
退職後も団体割引は受けられる?
団体扱自動車保険の場合、勤め先の企業や団体を退職した後も団体割引を受けられることが多いです。ただし、勤続年数が10年以上といった条件が設けられている場合や契約社員は対象外としている場合もあるようです。条件は企業によって異なるため、詳しくは勤務先に問い合わせてみましょう。
なお、退職後も団体割引を受ける場合は支払方法が変わります。給与天引きが利用できなくなるため、口座振替に変更して保険料は一括払い(年払い)になることが多いようです。
自己都合退職の場合は?
定年退職だけでなく、自己都合で退職する場合も継続できるかは勤務先によって異なるところです。団体扱契約で継続できない際は、一般扱に変更して同じ保険会社で契約することもできます。ただし一般扱の場合、団体割引は適用されなくなるため保険料が高くなるケースが多いでしょう。
退職後の自動車保険について
今の会社を退職した場合、自動車保険はどうなるのでしょうか?補償や等級の引き継ぎなどについて解説します。
補償はどうなる?
勤め先を退職したからといってすぐに補償がなくなる訳ではありません。残りの期間の保険料を支払うことで満期まで今まで通りの補償を受けられます。ただし、満期日を過ぎると補償はなくなってしまうため、継続や乗り換えの手続きを忘れて無保険になってしまったということにならないようにしましょう。
等級は引き継げる?
退職後にそのまま自動車保険を継続する場合も、他の保険会社へ乗り換える場合も等級を引き継ぐことができます。自動車保険の等級制度は保険会社各社が共同で運用しているため、保険会社を変えても現在の等級を引き継げるのです。なお、一部の共済は等級を引き継げない場合がありますので注意しましょう。
保険会社を変更できる?
退職すると団体割引が受けられなくなる場合、保険会社の変更を考える方もいるかもしれません。現在の等級を引き継いで保険会社を変更することができます。自動車保険の保険料は保険会社によって変わるため、乗り換え先によっては同じ補償内容のまま保険料を安く抑えられる可能性があります。
なお、乗り換えのタイミングは満期日がおすすめです。満期日の2~3カ月前から手続きが出来るため、自動車保険の一括見積もりサービスを利用して乗り換え先の保険会社を探してみましょう。乗り換え先の保険会社に申し込む際には契約開始日を「今の保険の解約日(満期日)」とすることで空白期間を作らずに等級を引き継ぐことができます。
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退職後の自動車保険見直しポイント
転職や退職で会社を辞める時にはライフスタイルも変わることが多いですよね。特に定年退職後は収入が減るため、自動車保険の補償を見直して家計への負担を軽くしていきましょう。運転する人が増えた・減った場合や、車の使用目的や走行距離が変わった時は補償を見直すチャンスです。ここでは、自動車保険を見直す際のポイントを紹介します。
運転者限定
自動車保険に加入した当時は子どもと同居していて家族も車を運転していたという方も、子どもの独立や結婚で運転者が減ることもあるかもしれません。補償対象となる運転者を「本人限定」や「本人・配偶者限定」にすることで保険料を抑えることができます。
限定する範囲 | 運転できる人 | 保険料 |
---|---|---|
限定なし | 誰が運転しても補償される | ![]() |
家族限定 | 本人+本人の配偶者+同居の親族+別居の未婚の子 | |
本人・配偶者限定 | 本人+本人の配偶者 | |
本人限定 | 本人のみ |
※家族限定について、保険会社によって限定できる範囲が異なる場合があります。
車の使用目的
今までは通勤や業務で車を使っていたものの、退職後は仕事で車を使わなくなり、日常の買い物やレジャーで車に乗るようになった場合などは車の使用目的を変更しましょう。
一般的に車の使用目的は「業務」「通勤・通学」「日常・レジャー」の3つに分かれています。使用頻度が高く事故リスクも高い「業務」の保険料が最も高く、「通勤・通学」「日常・レジャー」の順で保険料が安くなります。実態に合わせて適切な使用目的に変えましょう。
使用目的 | 基準 | 保険料 |
---|---|---|
業務 | 年間を通して週5日以上もしくは月15日以上業務に使用する場合 | ![]() |
通勤・通学 | 業務使用に該当せず、年間を通じて週5日以上もしくは月15日以上通勤・通学に使用する場合 | |
日常・レジャー | 業務使用、通勤・通学使用に該当しない場合 |
走行距離
多くの自動車保険では年間走行距離によっても保険料が変わります。年間走行距離が多いと事故に遭うリスクも高くなるため保険料が高くなりますが、逆に少なければ保険料も安くなります。転職や退職をきっかけに車に乗る時間が短くなるのであれば、走行距離を変更しておきましょう。
ダイレクト型自動車保険を検討する
一般的に、企業などの団体割引で契約できるのは代理店型と呼ばれる自動車保険で、保険代理店の担当者と対面で加入します。代理店手数料などのコストがかかるため保険料は高めに設定されていることが多いです。団体割引がなくなった後も一般扱で同じ保険会社で契約することもできますが、割引がなくなると保険料が高くなりやすいです。
そこで、ダイレクト型自動車保険への乗り換えを検討してみましょう。インターネットや電話で直接保険会社と契約するため中間手数料がカットされ、代理店型よりも割安な保険料になっています。
ダイレクト型の事故対応は?
初めてダイレクト型に乗り換える時に気になるのは万が一の時の事故対応ではないでしょうか。代理店型では事故現場に担当者が来てくれたり、事故発生の連絡を入れてくれたりすることもありますが、あくまで側面的なサポートのみとなり事故対応を全ておこなってくれる訳ではありません。
実際の事故対応や示談交渉は保険会社がおこないます。これは代理店型でもダイレクト型でも同じです。実際にダイレクト型の自動車保険の事故対応満足度は高いというアンケート結果もあり、代理店型とダイレクト型の事故対応の差はなくなってきているといえます。
自動車保険を扱う保険会社は何社もあるので、一社ずつ見積もりを取るのは時間がかかります。そこで自動車保険の一括見積もりサービスを活用してみましょう。車の情報や運転者の情報、希望する補償内容などを入力することで一度に複数の会社に見積もり取ることができます。保険料を節約しながら、自分に合った保険会社を見つけましょう。
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まとめ
団体扱契約の自動車保険に加入している場合、退職後も団体割引が適用されることがあります。勤務先によっては継続して加入できないケースもありますので、退職前には確認しておきましょう。継続せずに、今の等級を引き継いで他の保険会社に乗り換えることもできます。
今の自動車保険を継続する場合でも他の保険会社に変える場合でも、転職や定年退職でライフスタイルが変わる時には自動車保険を見直すことをおすすめします。