ガソリン価格の高騰が続いています。ガソリン代を少しでも節約するにはどうしたらよいのか、また、ガソリン代以外に車の維持費を下げる方法についても紹介します。
もくじ
車のメンテナンスでガソリン代を節約
タイヤの空気圧を適正にする
タイヤの空気圧が不足していると、たわみが大きくなって抵抗が大きくなり、燃費が悪化します。一般財団法人省エネルギーセンターによると、空気圧が50kPa不足している場合、市街地で2.5%、郊外で4.3%、高速道路で4.8%燃費が悪化するようです(2000ccセダンを用い実験室にて測定)。タイヤの空気圧は自然と低下していくものであり、1か月でおおむね5~10%(10~20kPA)低下すると考えられます。空気圧が低下したままだと燃費が悪化するだけでなくタイヤのバーストや事故の原因にもなり得るので、月に1回は点検して適正な空気圧に保ちましょう。
エンジンオイルを適度に交換する
エンジンオイルが汚れているとエンジンオイルの持つ潤滑性能などが落ち、本来必要以上の燃料が必要となって燃費が悪化してしまいます。エンジンオイルの交換時期は一般的に1万5000kmまたは1年ごとと言われています。ただしこれはエンジンや車種などによっても異なりますので、車両の取扱説明書などで確認しておくのがよいでしょう。負荷の大きいターボ車やシビアコンディションでの走行などでは5000kmなどより早いタイミングでの交換が求められます。
車の乗り方でガソリン代を節約
余計な荷物は載せない
車両の重量が燃費にも影響します。例えば、100kgの荷物を載せて走ると3%程度燃費が悪化します(エコドライブ普及連絡会「エコドライブ10のすすめ」より)。車に載せっぱなしにしているゴルフバッグなどがある場合は面倒かもしれませんが普段の走行の燃費改善のために降ろしておくとよいでしょう。また、空気抵抗が大きくなると燃費も悪化します。使っていないのにルーフキャリアを装着したままという場合は外しておきましょう。
ゆっくり発進・ゆっくり停止を心がける
ゆっくり発進・ゆっくり停止を心がけることによって燃費の向上を期待できます。やさしい発進を心がけるだけで10%程度燃費が改善し、早めにアクセルから足を離すことで2%程度燃費が改善します(エコドライブ普及連絡会「エコドライブ10のすすめ」より)。
発進時は最初の5秒間で時速20kmを目安とし、5秒経過後は徐々に速度を上げて流れに乗りましょう。急な加速は燃費が大きく悪化します。また、車はエンジンブレーキを使うと燃料の供給が停止されます。信号や踏切、一時停止など停止位置がわかった時点で早めにアクセルから足を離してエンジンブレーキで減速してみましょう。
不要なアイドリングはやめる
10分間のアイドリングで燃料を130cc程度消費します。駐停車時はエンジンを止めるよう心がけましょう。自治体によってはアイドリングストップが条例によって義務付けられています。なお、信号待ちなどで手動アイドリングストップ(自動でアイドリングストップをする機能ではなく自らエンジンを止めること)を行うのは安全性に問題があるので十分に注意しましょう。
車間距離に余裕を持たせる
車間距離が短くなると無駄な加速や減速の機会が増えるため、市街地では2%程度、郊外では6%程度燃費が悪化します(エコドライブ普及連絡会「エコドライブ10のすすめ」より)。車間距離の目安は距離に基づくものと時間に基づくものがありますが、走行中に目測で○m離れましょうと言われても把握しづらいので時間に基づいて車間距離をとる方法が広がっています。前を走行する車両が電柱や標識などの目印を通過してから自分の車両がその目印を通過するまでの時間を計る方法です。一般道では2秒以上、高速道路では3秒以上、停止に時間がかかる大型車も3秒以上が目安となります。ただし、走行しながら数えると早く数えてしまいがちなので、埼玉県警では秒数の前にゼロを入れて「ゼロイチ、ゼロニ」のように数える「0102運動」を推進しています。
エアコンを適切に使用する
エアコンを使用することによって燃費が悪化します。もちろん、気温に合わせてエアコンを使用しても問題ありませんが、適切に使用することで燃費を改善することが可能です。夏場の炎天下に駐車後はドアや窓を開放して空気を入れ替えてからエアコンを使用するようにしましょう。冬場の暖房についてはフロントガラスの曇り止め(除湿)を除き、エアコン(A/C)のスイッチを原則入れる必要はありません。家庭のエアコンと違い、車のエアコンの暖房はエンジンの熱を利用しています。いらなくなった熱を利用しているのでコンプレッサーを作動させる必要はなく、A/Cスイッチを入れる必要がないのです。
事前にルートや交通情報を確認する
道を間違えて余計に走行すれば、もちろんその分燃料を多く消費します。出発前にルートを確認して道に迷わないようにしましょう。また、渋滞や事故・工事などの道路交通情報を確認することも大切です。渋滞を避けることで燃料と時間の節約になります。
給油時のガソリン代の節約
セルフのガソリンスタンドを利用する
一般にセルフのガソリンスタンドの方がフルサービスのガソリンスタンドよりも2~5円/ℓほど価格が安くなります。フルサービスのガソリンスタンドは窓ふきやごみの引き取りなどのサービスや車に乗ったまま給油から代金の支払いまでできるなど単に給油する部分以外にも差がありますが、少しでも安くしたいのであればセルフのガソリンスタンドを利用するのがよいでしょう。
高速道路に乗る前に給油する
一般道にあるガソリンスタンドよりも高速道路のPA/SAにあるガソリンスタンドの方がガソリン価格が10円/ℓほど高くなっています。お客が少ない夜間も開けておく必要があることや一般道のような価格競争が起きづらいことが要因として挙げられます。ガス欠を起こしてロードサービスを呼ぶようなことになってはいけませんが、できる限り高速道路での給油を避けるようにしましょう。
会員割引やカード特典を利用する
ガソリンスタンドの会員割引が適用されると非会員と比べて1~2円/ℓほど安くガソリンを入れることができます。また、特定のクレジットカードで支払うとガソリン価格が1ℓあたり数円安くなることもあります。よく利用するガソリンスタンドがあれば会員になることや提携のクレジットカードを作ることを検討してみましょう。
ガソリン代が安くなる電力会社に変更する
シェルとENEOSに限りますが、家庭で契約している電力会社を変更することでガソリン価格を安くすることができます。出光興産が提供するシェルの電気の場合、シェルのサービスステーションで給油の際に、「特割カード」として登録したクレジットカードもしくはPontaカードを使うだけで2円/ℓ割引になります(上限は100ℓ/月)。
ENEOSでんきの場合、電気料金をENEOSカード(C・P・S・NICOS)で支払い、ENEOSサービスステーションで登録したカードで燃料代を支払うと通常のカード特典に加えてガソリン代が1円/ℓ割引になります(上限は150ℓ/月)。ENEOSでんきの場合はその他のカードで電気代を支払う場合は別の特典となりますので注意してください。
また、ガソリン代が安くなることだけにとらわれず、電力会社の変更で電気代自体がどのように変わるのかも事前にシミュレーションをする必要があることに気を付けてください。特にオール電化の場合、地域の電力の昔からのプランの方が電気代が安いことが多いです。しかし、そうでない家庭の場合は電力会社の変更で電気代も安くなることも多いので検討してみるとよいでしょう。
ガソリン代以外に車の維持費を節約する方法
車の維持費としてかかるのはガソリン代だけではありません。ガソリン代以外で車の維持費を安くする方法についても紹介します。なお、車を買い替える、手放すというのも手段の一つとして考えられますが、現在保有している車を利用する前提で考えます。
自動車保険を見直す
車の任意保険は契約する補償内容や保険会社によって保険料が変わります。不必要な補償内容を契約していないか確認したり、運転者限定や年齢条件が適切な条件になっているか確認したりしましょう。また、代理店型の自動車保険よりもダイレクト型(ネット型)の自動車保険の方が代理店手数料などが省かれる関係で保険料が安くなる傾向にあります。代理店の担当者に相談しながら契約したいという人には向きませんが、自分で調べたり問い合わせたりできるという場合はダイレクト型の自動車保険も検討してみましょう。
なお、一口にダイレクト型の自動車保険といってもその数は片手では数え切れず、1社1社比較するのは大変です。そこで便利なのが自動車保険の一括見積もりサービスです。一度に複数の会社の見積もりをとれるので、見積もりをとるために何度も同じような車の情報などを入力する手間が省けます。保険の窓口インズウェブで自動車保険の一括見積もりを行った方は、平均36,682円保険料が安くなっています(※1)。ぜひ一度利用してみてください。
(※1)インズウェブを初めて利用された方2021年アンケート結果より
初めてでも20等級でも保険料が安くなるかも!?
料金の安い駐車場を利用する
一戸建てなどで自宅に駐車スペースがない場合は駐車場を借りる必要があります。この駐車場の料金も都心では重くのしかかってきます。ただし、料金と利便性・駐車環境はトレードオフのようなところもありますので、安くしようとしようとすれば利便性や環境面の条件としてあきらめなければいけない部分も出てきます。また、地域によってある程度相場は決まってくるので探す手間の割には大きく安くすることは難しいかもしれません。
車検を受ける場所を変更する
新車購入から3年後、それ以後は2年ごとに受ける必要がある車検ですが、1回数万円から十数万円とかかり、大きな出費となってしまいます。車検費用の中には法令によって決められた必ずかかる費用と業者によって費用が異なる部分とがあります。ディーラーに車検を依頼すると技術力も高く、交換の部品も純正品を使うので信頼性は高いですが、その分費用も高くなりがちです。一方で車検専門店や車販売店(カー用品店)、ガソリンスタンドなどで車検を依頼するとディーラーに依頼するよりも安く抑えられる傾向にありますが、ディーラーと比べると技術力などに差が出る場合もあります。
車の維持費を抑えたいという場合はいつも決まったディーラーで受けるのではなく、複数の業者から見積もりをとったり口コミを参考にしたりして車検を依頼する先を変更することも検討してみましょう。
まとめ
ガソリン代を節約するにはガソリンスタンドの会員になる、提携カードを使うといったダイレクトに安くなる方法以外にも、車のメンテナンスや車の乗り方によって燃費を上げて間接的に安くする方法もあります。車のメンテナンスや燃費を向上させる乗り方は自動車事故を防ぐ面でも優れているので、ガソリン代が高騰している今の機会にぜひ身に着けておきましょう。また、ガソリン代を安くする以外にも契約する自動車保険を見直すといった方法でも車の維持費を安くすることができます。こちらについても自動車保険一括見積もりサービスを利用して保険会社の変更を検討してみましょう。
著者情報
堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。