自動車保険は任意加入の保険ですが、自賠責保険だけでは補償内容が足りないことも多く、万が一事故を起こした場合のリスクに備えて高い加入率となっています。今回は、自動車保険を契約すると発行される「保険証券」についてご説明します。
もくじ
保険証券とは?
保険証券とは、保険契約の成立およびその保険契約内容を証明するため、保険会社が作成し保険契約者に交付する書面のことです。
自動車保険において、契約者の名前や保険金受取人の名前、保険証券番号・保険金額・保険料と支払方法など、契約をした内容が確認でき、一般的に契約後1~2週間程度で契約者の住所に到着することが多いようです。保険証券は保険金の受け取り、解約申し出や契約情報が変更になった際に必要となるため大切に保管しておきましょう。最近ではペーパーレス化が進んでおり、インターネットでの契約内容の確認や紙の保険証券の不発行による保険料の割引などを行っている保険会社も多くあります。
保険証券の主な記載内容
自動車保険の保険証券には主に下記の情報が記載されています。保険証券に記載の「証券番号」が分かると各種手続きがスムーズです。万一の事故連絡の備えとして保険証券の写しを車の中に保管しておくと安心です。
証券番号
自動車保険の1契約ごとに割り振られた番号です。保険会社への各種お問い合わせの際に必要となることが多いため確認しておきましょう。
保険契約者
契約者の氏名・住所等が記載されています。
ご契約の内容
保険の種類・契約日・保険期間等が記載されています。
記名被保険者(主に使用する方)
主に運転される方の住所、氏名および生年月や免許書の色などの情報が記載されています。
契約自動車の情報
自動車保険の補償対象となるお車について、車名・型式・仕様・登録番号・車台番号などが記載されています。
補償の対象となる運転者の範囲
運転者年齢条件(21歳以上補償、26歳以上補償など)、運転者限定特約(本人限定、本人・配偶者限定など)について記載されています。ここに記載された範囲以外の方が運転された事故の場合、補償されません。
等級
契約者の等級が記載されています。
- 等級とは
- 自動車保険(任意保険)の保険料を決定するとき利用されるのが、「等級」(ノンフリート等級)です。事故(保険金請求)歴に応じて保険料の割引・割増を適用するしくみです。
等級は1等級から20等級まであり、数字が大きいほど割引率が高く、「事故のリスクが低い人=保険を使う可能性が低い人」ということになります。初めて自動車保険に加入するときの等級は「6等級」です。このしくみは、どの自動車保険の会社でも共通して利用されています。
保険料
年間の保険料や初回払込保険料・払込方法等の情報が記載されています。
主な補償内容
自動車保険の補償内容が記載されています。特約や補償金額、免責金額等、自動車保険の詳細な内容についても記載されています。
保険証券はどんな時に必要?
保険証券はどんな場合に必要になるのでしょうか。保険証券には前項で紹介した多くの情報が掲載されています。主に保険証券に記載された情報を保険会社に伝える時や自分で契約内容を確認する時に必要になります。また、事故で保険会社へ連絡を行う際にも証券番号が分かるとスムーズです。事故の際は気が動転して保険会社の人にうまく伝えることができないことも考えられるので、車に保険証券のコピーを保管しておくとよいでしょう。
【どんな時に必要?】
- 保険会社に事故の連絡をするとき
- 保険金の請求を行うとき
- 契約内容の変更を行うとき
- 補償内容の確認をするとき
- 補償内容の見直しを行うとき
- 保険会社の変更を行うとき 等々
保険証券の保管場所は?
インズウェブ利用者に保険証券の保管場所についてアンケートを取りました。車の中という答えが45%と最も多く、次いで部屋の書類入れが39.9%という結果となっています。どのに保管するにしても、紛失してしまわないように保管場所はしっかり決めて家族と共有するなど忘れないようにしましょう。
【保険証券の保管場所は?】
回答項目 | 回答数 | 割合 |
---|---|---|
車の中 | 266 | 45.5% |
部屋の書類入れ | 233 | 39.9% |
金庫 | 15 | 2.6% |
忘れた | 11 | 1.9% |
その他 | 59 | 10.1% |
合計 | 584 | 100.0% |
Web証券のメリット・デメリット
最近では自動車保険の保険証券のペーパーレス化としてWeb証券を導入している保険会社が増えています。WEBサイト上で契約内容を確認できるようになっており、保険料の割引を設けるなどの特典があるようです。保険証券のペーパーレスでのご契約では、電波が届かない場所で契約者専用ページにアクセスできない可能性に備え、Web証券のコピーを車の中等に保管しておくと安心でしょう。
【保険証券ペーパーレス化のメリット・デメリット】
メリット | デメリット |
---|---|
・保険料の割引がある ・書類がかさばらない ・保管場所の失念防止 ・紛失のリスクがない ・PC、スマートフォンからいつでも契約内容の確認が可能 | ・緊急で証券番号の確認が必要な時にWEBページで確認する手間がある ・勤務先によってはWeb証券のコピーでは認められないことがある |
基本的にWeb証券にすることでの大きなデメリットはありません。電波が届かないところで確認する必要が生じた場合に備えて内容をコピーしておけばまず問題ないでしょう。1点、通勤にマイカーを利用する場合、勤務先から保険証券のコピーの提出を求められることが多いです。この場合、事前に勤務先にWeb証券にして問題ないか確認しておいた方がよいでしょう。
保険証券を紛失したら再発行の手続きを!
保険証券は証券番号や個人情報が記載された書類になるため大切に保管することをお勧めいたします。万が一紛失や破損してしまった場合でも、保険契約の効力が失われることはなく、ご契約の保険会社や代理店に再発行の手続きを行えば問題ありませんので、速やかに手続きを行いましょう。再発行には基本的に手数料などはかかりません。なお、ペーパーレスでのご契約で紙の保険証券の発行を希望される場合には手数料がかかる場合が多いようです。
保険証券には、契約者や契約内容など大切な情報がたくさん載っています。紙の保険証券を発行する場合は保管場所をきちんと決め、家族で共有するようにしておきましょう。また、紙で必要という事情がなければWeb証券の利用も検討してみましょう。そうすれば証券を紛失するということもなくなります。