毎年春頃になると車のボディが白っぽくなったり、ザラザラしたりします。白っぽくなるのは中国内陸部から飛来した「黄砂」が付着しているからで、車の傷やシミの原因になる可能性があります。
では、黄砂が車についたら、いつものように洗車をしてもいいのでしょうか。黄砂は車にどのような影響を与えるのか、そして対処法と予防策も知っておきたいところです。
この記事では、黄砂が車に与える影響と対処法のほか、黄砂の予防策などについて解説します。
もくじ
黄砂とは中国内陸部の砂漠地域から飛来する砂・鉱物の粒子のこと
黄砂とは、中国内陸部のタクラマカン砂漠やゴビ砂漠といった砂漠地域から飛来する砂や鉱物の粒子のことです。これらの粒子は強風によって高度数千mまで運ばれ、中国から偏西風に乗って国境を超え、遠く北米大陸にまで広範囲に影響を与えます。
黄砂は中国大陸の砂漠拡大に伴い、年々その量が増加しているともいわれています。大気汚染物質が発生している地域の上空を通過する際にそのような物質を取り込んで、いっしょに飛来することもあるのです。
なお、黄砂は日本においては3月から5月にかけて多く観測されています。気象庁のウェブサイトでは、「黄砂情報」にて黄砂の解析予測図を毎日更新しています。
黄砂が車に与える影響
黄砂が車に与える影響には、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、黄砂が車に与える影響について解説します。
車のボディに傷がつく
日本に到達する際の黄砂の粒子は直径4μm程の大きさ(1μm=0.001mm)で、なおかつシリカ(石英)や長石などの鉱物を含んでいます。黄砂の粒子は硬く、角張っているのが特徴です。
このように、非常に小さく硬い黄砂の粒子が車のボディに付着すると、塗装面やガラス面に細かな傷をつけやすくなります。特にボディやガラスが乾いた状態でタオルを使ってこすると、ボディやガラスに紙やすりをかけたのと同じことになり、塗装面やガラス面に細かい傷をたくさんつけてしまう可能性があるので注意が必要です。
固着してはがれにくくなる
黄砂は雲母や緑泥石などの粘土鉱物も含んでおり、一度車の表面に付着すると、その粘着性によって水をかけただけでははがれにくくなる特性を持っています。
黄砂が付着し、さらに直射日光にさらされたり雨で濡れたりしたまま長期間放置した場合、塗装面やガラス面にしっかりと固着してしまいます。そうなると取り除くのが難しくなり、塗装面にシミが発生する可能性もあるので注意してください。
車に黄砂がついたらどうすればいい?
車のボディに黄砂が付着したら、どのように対処すればいいのでしょうか。ここでは、車のボディに黄砂がついたときの対処法について解説します。
高圧洗浄機で吹き飛ばす
黄砂が車に付着した場合には、高圧洗浄機を使用して吹き飛ばすことが効果的です。
高圧洗浄機を使って黄砂の粒子を吹き飛ばせば、その後は手洗い洗車や洗車機で洗うことで、車のボディをきれいに保つことができます。
高圧の水は黄砂だけでなく、同じ季節に付着しがちな花粉など、ほかの汚れも除去できるため、効率的かつ効果的な洗車方法といえるでしょう。
大量の水と泡を使って洗車する
水と泡をたっぷり使って洗車することも、黄砂の対処法として有効です。高圧洗浄機で黄砂を吹き飛ばした後、カーシャンプーをしっかりと泡立て、ボディの汚れを浮かせて分解します。モコモコの泡で黄砂と車体との摩擦を減らし、傷をつきにくくします。
残ったカーシャンプーの泡はシミの原因になるので、大量の水でしっかりと落とし、仕上げにやわらかい布で優しく拭き取りましょう。
このプロセスをいつもより多めに行うことで、車に傷やシミをつけず、きれいに保つことが可能です。
車のボディに黄砂がついたときの注意点
車のボディに黄砂がついたとき、いくつか気をつけたいことがあります。続いては、ボディに黄砂がついたときの注意点について解説します。
黄砂が付着したまま洗車機に入れない
黄砂が付着した車をそのまま洗車機で洗うのは、リスクを伴う行為です。その理由は、黄砂の粒子をまとった車のボディと洗車機のブラシとのあいだで摩擦を起こし、塗装面に修復困難なダメージを残してしまう可能性があるからです。
黄砂が付着した車は、事前に高圧洗浄機で汚れを吹き飛ばしてからにしましょう。高圧洗浄機を持っていない場合は、ブラシを使用せず高水圧のみで汚れを落とすノンブラシ洗車機を使うことをおすすめします。
布でこすらない
黄砂を落とす際には、乾いた布やスポンジで直接こすらないようにしてください。黄砂の粒子は硬く、直接こすると塗装面を傷つける可能性があります。
まずは、高めの水圧で大部分の黄砂を除去することを心掛けましょう。固着している場合には、高圧洗浄機を使用します。
風が強い日は洗車しない
風が強い日に洗車を行うと、洗車中に空気中の黄砂が車のボディに吹き付けられるリスクがあります。そうなると、カーシャンプー後に水分を拭いている際に再び黄砂を巻き込んでしまい、塗装面やガラス面などを傷つけてしまうかもしれません。
したがって、風が弱く黄砂の飛散が少ない日を選んで洗車することが、再付着を防ぐポイントです。
車に黄砂が付着しないようにするためにできること
黄砂が車のボディに付着して傷やシミに悩まされないようにするには、いくつかの予防策を講じておくことをおすすめします。ここでは、黄砂が車に付着しないようにするためにできることをご紹介します。
車のボディをこまめに洗い流す
黄砂が車に付着してしまった場合、ボディを高めの水圧でこまめに洗い流すことが重要です。これによって、黄砂の固着による塗装面やガラス面などへのダメージを最小限に抑えることができます。
理想としては、屋外駐車なら週1回以上、屋内駐車なら月1回以上は洗車しましょう。
ボディカバーをかける
車を屋外に駐車する際は、ボディカバーをかけることで黄砂から車を保護できます。ボディカバーは黄砂だけでなく、花粉や獣害の対策としても効果があるでしょう。盗難防止策としても有効です。
屋内駐車場に停める
車をガレージなどの屋根がある駐車場に停めることは、黄砂対策の効果的な方法のひとつです。屋内駐車場に停めることで、黄砂だけでなく、さまざまな外的要因から車を守ることができます。
ボディコーティングを施す
車にボディコーティングを施し、ボディをガラスや樹脂などのコーティング被膜で覆うことで、黄砂が直接塗装面にふれるのを防ぎ、塗装の劣化や傷などを軽減します。また、洗車時の摩擦からもボディを保護してくれます。
ボディコーティングに使われるコーティング剤は汚れや傷をつきにくくするため、車の塗装面を保護することが可能です。ある程度の費用はかかるものの、ボディコーティングを施してこまめに洗い流すようにすれば、黄砂対策は万全といえるでしょう。
黄砂対策を万全にしつつ、自動車保険も比較・検討しよう
3~5月頃に飛来する黄砂は、車のボディに付着すると塗装面やガラス面にダメージを与えかねない厄介な存在です。うっかりタオルで乾拭きしたりすると、修復困難な傷をつけてしまうおそれがあります。また、付着したまま放置しておくと、塗装面にシミが生じることもあるので注意が必要です。
黄砂や花粉が車に付着しやすい季節には、ボディカバーをかけたりボディコーティングを施したりして、事前に予防策を講じましょう。付着した場合には高圧洗浄機で吹き飛ばしたり、こまめに大量の水と泡で丁寧に洗車したりすることをおすすめします。
なお、黄砂や花粉が舞う季節は、就職や進学など新生活が始まる季節でもあります。自動車保険に加入したり、各社のサービス内容を比較・検討したりするタイミングです。
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