子どもが産まれて家族が増えると、家族でのお出かけや習い事や塾の送迎に車があると便利になります。今まで車を持っていた人でも、家族が増え子どもが成長するのをきっかけにファミリーカーへ買い替える方も少なくありません。そこで、子育て世代が車を選ぶ時のポイントや、人気のファミリーカーや維持費を安く抑えるポイントを紹介します。
もくじ
ファミリーカーとは?
ファミリーカーには特に決まった定義はありません。家族が使いやすく日々の送迎やお出かけに便利な車がファミリーカーともいえるでしょう。その中でも軽自動車やSUV、ミニバンなどの車に乗るご家庭が多いようです。家族の構成や車を使う目的によっても最適なファミリーカーは異なるので、我が家にぴったりのファミリーカーを見つけましょう。
軽自動車
軽自動車は車体価格もお手頃で維持費が安く済むため、子育て世代にも注目されている車です。燃費も良く、車検の費用や自動車税などの税金も普通車よりも安くなっているため維持費も抑えられます。また、コンパクトで小回りが利くため、道路が狭い都市部でも走りやすく車の運転が苦手な方にも扱いやすいでしょう。普通車に比べると排気量が少ないのでスピードが出ず、高速道路では横風に煽られやすいため長距離のお出かけには向いていません。
軽自動車が向いている人
- 2~3人家族
- 維持費を抑えたい
- 車の運転が苦手
SUV
週末はアウトドアを楽しみたい家族はSUVをファミリーカーに選ぶのも良いでしょう。レジャー用品を積めるように荷室が広くなっているのでたくさんの荷物を収納できます。運転席の視野も広く、オフロードの走行もしやすいため車の運転を楽しみたい方におすすめといえます。ほとんどのSUVにはスライドドアがなく、子どもが自分でドアの開け閉めができるようになると隣の車にドアをぶつける不安があります。
SUVが向いている人
- 4~5人家族
- 車のデザイン性にこだわりたい
- 快適な走行性や安全性を重視
ミニバン
室内空間が広いため、大人数で乗ってもゆとりがあるのがミニバンの特徴です。祖父母や子どもの友達も乗せる機会が多い人は3列シートがあるミニバンが向いています。電動スライドドアで乗り降りもしやすく荷物も多く積めるのでファミリーカーとして人気です。その分車体が大きく高さもあるため、小回りが利かず燃費もあまり良くないという一面もあります。
ミニバンが向いている人
- 4~8人家族
- たくさんの荷物を載せたい
- 子どもの部活の送迎などで大人数を乗せる機会が多い
ファミリーカー選びのポイント
乗車人数
子育て世代がファミリーカーを選ぶにあたっては、まず車に乗る人数を決めてから選びましょう。乗車定員ギリギリで選ぶと思ったより荷物が積めないかもしれません。4人家族で子どもがチャイルドシートを使う年齢の場合やベビーカーを乗せる場合は座席のスペースが狭くなります。そのため、乗車人数+1人分の最大乗車定員を目安にしたいですね。
スライドドア
特に小さな子どもがいる家庭では、スライドドアの有無も大切なポイントとなります。ファミリーカーを選ぶ際にはスライドドアが付いている車を重視している家族も多いようです。狭い駐車場でもドアをぶつけることなく開けられるので、子どもの乗り降りや荷物の出し入れがスムーズです。近年はハンズフリー機能も登場しており、子どもを抱っこしたままドアを開ける機会が多い人には便利になっています。
収納スペース
子どもがいるとベビーカーや着替えなど荷物が多くなるため、収納スペースがあるに越したことはありません。キャンプやスキーなどのレジャーを家族で楽しみたい方や車中泊をしたい方は、シートアレンジで収納スペースが確保できるか、座席をフルフラットにできるかもチェックしたいところです。
インズウェブユーザーおすすめのファミリーカーは?
保険の窓口インズウェブでは、延べ1000万人以上の方に自動車保険の見積もりをご利用いただいています。そこで、インズウェブを利用された20代~40代でお子さんがいるご家庭の中から、見積もり台数が多いファミリーカーをボディタイプ別に紹介します。
軽自動車
ホンダ N-BOX
定員:4人
燃費:21.6 km/L
床が低く車内高が140cmあるため、子どもが立ったまま着替えができるほど広く余裕があります。助手席を大きく動かせるので、運転席の後ろに座った子どもがぐずった時でもすぐ対応することもできます。リアシートを格納できるので自転車などの大きな荷物も載せられるのもポイントです。
ダイハツ タント
定員:4人
燃費:22.7km/L
軽自動車トップクラスの広い室内空間が特徴で、ミラクルオープンドアがタントならではの魅力です。助手席側が大きく開口するため、子どもの乗り降りや大きな荷物の積み下ろしも楽になっています。予防安全機能も搭載されているため毎日の運転をサポートしてくれます。
スズキ スペーシア
定員:4人
燃費:25.1 km/L
室内も広々としており、リヤステップ地上高345mmで子どもの乗り降りもしやすく、すべてのシートが独立してスライドできるので家族で快適に過ごせる工夫がされています。荷室も低床で広いので大きな荷物も積め込みやすいのも特徴の一つです。
SUV
トヨタ ハリアー
定員:5人
燃費:15.4 km/L
ラグジュアリーなインテリアが魅力的で、高級感のある落ち着いた室内の車なので、車の内装やデザインにこだわりたい方向けです。車高が高いのでチャイルドシートに子どもを乗せる時でも腰に負担が少なくなっています。
マツダ CX-5
定員:5人
燃費:17.4 km/L
荷室が広くフラットなので出し入れもしやすくなっています。体の揺れを低減した乗り心地と、悪路での走行性も安定しています。運転操作もアシストしてくれるので運転しやすく家族で長距離のお出かけでも疲労が少ないでしょう。
日産 エクストレイル
定員:5~7人
燃費:19.7 km/L
走行性に定評のあるエクストレイルですが、ファミリーカーとしても人気です。室内シートが防水のため、子どもの食べこぼしなどでシートに汚れがついても簡単にお手入れができます。グレードによっては3列シートがあるのでSUVでも7人乗りが可能なのもポイントといえるでしょう。
ミニバン
日産 セレナ
定員:7~8人
燃費:13.4 km/L
全車種の中でも特に見積もり台数が多く、幅広い子育て世代から人気の車となっています。室内が広くゆったりとした座り心地で、車酔いしにくい工夫がされています。長距離運転をサポートする先進運転支援技術が搭載されているのでドライバーの負担も少ないです。
トヨタ ヴォクシー
定員:7~8人
燃費:15.0 km/L
開放感のある室内空間が特徴です。ユニバーサルステップで子どもから高齢者まで車の乗り降りがしやすい工夫がされています。先進機能も搭載し、より周囲に注意を払った安全運転ができるようになっています。
ホンダ ステップワゴン
定員:7~8人
燃費:13.9 km/L
何といってもシートアレンジのバリエーションが豊富で、3列目のシート位置が高いため視界も良く乗り物酔いしづらくなっています。低重心で安定しており、安全運転支援システムの搭載で安全への配慮もされています。
車台価格だけでなく維持費も確認しておこう
子どもが成長するにつれ何かと出費が増えていきます。そこで、車にかかる費用はできるだけ抑えていきたいところです。安くしようとすると車台価格に目が行きがちですが、車を維持するにはお金もかかるのが悩みどころ。毎年の維持費も5年10年と積み重なるとかなりの金額になるのです。ファミリーカーを購入する前に、車にかかる維持費にはどんなものがあるのか確認しておきましょう。
車にかかる維持費の種類
燃料代
車の走行に不可欠な燃料代ですが、ガソリン車よりもハイブリッド車の方が燃費が良く燃料代を抑えられます。また、軽自動車は車体も小さく軽いので燃費が良い傾向にあります。
税金
車を購入した後は「自動車税・軽自動車税(種別割)」や「自動車重量税」がかかります。電気自動車やハイブリッド車を購入した場合は減税されることもあるので、車種によっては車選びの候補になるでしょう。
自動車税・軽自動車税(種別割)は年に1回納める税金ですが、車の種別や総排気量によって税額が決まります。軽自動車は一律10,800円ですが、普通車は総排気量によって25,000~110,000円と大幅に変わります。
用途区分 | 総排気量 | 税額 |
---|---|---|
軽自動車 | 一律 | 10,800円 |
普通車 | 1000cc以下 | 25,000円 |
1000cc超1500cc以下 | 30,500円 | |
1500cc超2000cc以下 | 36,000円 | |
2000cc超2500cc以下 | 43,500円 | |
2500cc超3000cc以下 | 50,000円 | |
3000cc超3500cc以下 | 57,000円 | |
3500cc超4000cc以下 | 65,500円 | |
4000cc超4500cc以下 | 75,500円 | |
4500cc超6000cc以下 | 87,000円 | |
6000cc超 | 110,000円 |
自動車重量税は車の重さに応じて税額が変わります。車の購入時や車検時に納める必要があります。新車登録から13年目以降は税額が増えるので中古車を購入する場合は年式に注意しましょう。
軽自動車 | 軽自動車以外の自家用乗用車 | |
---|---|---|
新規登録(新規検査)〜12年目 | 3,300円 | 4,100円/0.5t |
13〜17年目 | 4,100円 | 5,700円/0.5t |
18年目以降 | 4,400円 | 6,300円/0.5t |
車検代
自家用乗用車を新車で購入した場合は3年後、それ以降は2年おきに車検を受ける義務があります。車の区別や年数、状態によって異なりますが、車検代は数万円〜10万円が相場です。車検代は「法定費用」「車検基本料金」「整備費用」の3つに分かれていますが、法定費用はどの業者に依頼しても差がありません。しかし、車検基本料金と整備費用は幅があり、依頼する業者によって異なります。車検代を抑えるには車検取扱業者の選び方が重要です。
自動車保険
自動車保険には、「自賠責保険」と「任意保険」の2種類があります。自賠責保険はすべての車に加入が義務付けられている保険で、車検時に保険料を支払います。しかし、自賠責保険では物損事故や自分や同乗者のケガは補償されず、賠償金額が高額になると対応できません。
そこで、自賠責保険ではカバーできない分を補うのが任意保険になります。任意保険に加入すると万が一の事故で家族がケガをしてしまった時にも備えられます。家族で車に乗る場合には任意保険には入っておきたいですね。任意保険は保険会社によって保険料が変わるので、一括見積もりで保険会社を比べることで安くすることができます。
自動車保険を安くするには一括見積もりがおすすめ!
メンテナンス代
車の維持には定期的なメンテナンスや消耗品の交換も必要になります。タイヤやエンジンオイルなどの交換を定期的におこない、故障やトラブルを未然に防ぎましょう。業者に依頼することもできますが、自分で購入・交換をすれば費用を抑えられます。
駐車場代
自宅の敷地内に駐車スペースがない場合や、マンションやアパートの家賃に駐車場代が含まれていない場合には、別途駐車場代が必要です。月極の駐車場代は地域によって大きく異なります。駐車場代は毎月発生するので、近隣で費用が安い駐車場を探すことも大事になります。
車の年間維持費の目安
軽自動車と普通車の年間維持費を比べてみましょう。軽自動車としてN-BOX(総排気量658cc、車重0.9t)、普通車はミニバンのセレナ(総排気量1997cc、車重1.8t)を想定した場合の年間維持費の目安は以下のようになります。
車体が小さいほど維持費は安くなり、N-BOXはセレナより年間約13万円も維持費を抑えられます。
項目 | 軽自動車 (N-BOX) | 普通車 (セレナ) | |
---|---|---|---|
税金 | 自動車税・軽自動車税(種別割) | 1万800円 | 3万6,000円 |
自動車重量税 | 3,300円 | 1万6,400円 | |
自動車保険料 | 自賠責保険料 | 1万1,140円 | 1万1,500円 |
任意保険料 | 5万円 | 7万2,000円 | |
車検代 | 3万円 | 5万円 | |
メンテナンス代 | 3万円 | 3万円 | |
燃料代(ガソリン) | 8万1,600円 | 13万6,000円 | |
駐車場代 | 12万円 | 12万円 | |
合計 | 33万6,840円 | 47万1,900円 |
※自動車税・軽自動車税(種別割)は、2019年10月1日以降に新規登録した車を想定。
※自動車重量税、自賠責保険料は、1年分を想定(税制優遇措置は考慮していない)。
※任意保険料は損害保険料率算出機構「2023年度(2022年度統計)自動車保険の概況」の「自家用乗用車 普通」「軽四輪自動車・乗用車」の契約保険料を契約台数で割ったもの。
※燃料代(ガソリン代)は170円/Lで、軽自動車25km/L、小型車20km/L、普通車15km/Lの燃費性能、月間1,000km走行を想定。
※駐車場代は月額1万円を想定。
車の維持費を節約するには
一般的に軽自動車はSUVやミニバンに比べ維持費が安くなります。ファミリーカーを安く手に入れるなら車体価格もお手頃な軽自動車が向いていますが、家族の人数や収納スペースの関係で軽自動車がファミリーカーの候補にはならないこともあります。
維持費を節約するには様々な手段がありますが、まとまった費用を抑えるには自動車保険の任意保険を見直すのも方法の一つです。任意保険は車を購入したときに加入して、そのまま契約更新を続けるケースも珍しくありません。一般的にSUVやミニバンの任意保険料は軽自動車より高くなる傾向にあるので、毎年の保険料が安くなれば維持費も大きく節約できます。
任意保険には「代理店型」と「ダイレクト型(通販型)」の2つがあります。ダイレクト型は直接契約になるため手数料がかからず、代理店型に比べて安くなることがほとんどです。代理店型の保険を契約している場合、ダイレクト型(通販型)に乗り換えることで保険料を抑えられ、年間で数万円も安くなることもあります。
保険料は保険会社によって異なります。代理店型の保険と補償内容が変わらないのに保険料が安くなることもあるので、3~4社から相見積もりを取ることが保険料を抑えるポイントです。
補償が変わらずに保険料が安くなれば、家計への負担も少なくなり、浮いたお金は子どもの将来のための教育費や車でのお出かけで必要になるレジャー費に回すこともできます。家族にぴったりのファミリーカーが見つかれば、生活も便利になり家族で過ごす時間もより楽しくなるでしょう。