自動車保険には「ノンフリート契約」と「フリート契約」というものがあります。車を所有している人は自動車保険に加入しますが、「ノンフリート契約」と「フリート契約」の違いを答えられるという人は少ないように思います。また、自動車保険会社の「ミニフリート契約」で割引の適用を受けているという人もいます。ノンフリート契約とフリート契約とはどのような契約でミニフリート契約とは何なのかについて説明します。
「ミニフリート契約」とは?
まず、自動車保険の「ノンフリート契約」と「フリート契約」について説明します。
●「フリート契約」・・・・・契約者が自ら所有・使用する車の台数が10台以上の契約
個人で10台以上車を所有しているという人は中々いませんので、基本的にはフリート契約は法人向けという事になります。
「ミニフリート契約」
では、「ミニフリート契約」とは何なのかについてですが、ノンフリート契約で複数台まとめて契約(2~9台)を行っている場合に使われる契約方法を「ミニフリート契約」と言います。
10台以上の契約を一つの保険証券にまとめて契約するフリート契約が法人向けの自動車保険契約だとすると、個人向けの複数台契約がミニフリート契約になると覚えておくとよいかもしれません。
ノンフリート契約で2台目以降の車の契約を行う場合、保険会社によって条件を満たせば車の台数に応じた割引を受ける事ができます。この割引を保険会社によっては「ミニフリート割引」「複数台割引」「ノンフリート多数割引」などとなっていることがあります。
「ミニフリート割引」の割引率
ミニフリート割引の割引率は保険会社によって異なる場合もありますが、一般的な割引率を紹介します。
- 2台:3%
- 3台~5台:4%
- 6台~9台:6%
ミニフリート割引の適用条件と注意点
ミニフリート契約は、契約者が2台以上の車をまとめて契約し、記名被保険者が契約者本人や配偶者など一定の範囲に該当する場合に割引を受けられる制度です。複数台車を所有している人が、それぞれA社B社と自動車保険契約を行っている場合にB社の契約を解約してA社でまとめるといった時にはBの契約を解約してA社に乗り換えるということになります。その際はまとめるA社の保険始期日に合わせて保険会社の乗り換えを行うように手続きを行います。
ミニフリート割引適用の条件
記名被保険者が下記の場合に適用となります。
- 保険契約者本人
- 保険契約者の配偶者
- 保険契約者またはその配偶者の同居の親族
ミニフリートの注意点
所有している車を一つの保険会社にまとめる保険会社の乗り換えにおいて、まとめる先の保険会社の始期日に合わせて手続きを行う必要があるという説明をしました。まとめる先の保険会社がA社で保険会社を乗り換える車の乗り換え前の保険会社がB社だとすると、B社で契約していた車の契約を途中解約することになります。自動車保険は1年契約で行う事が一般的ですが保険料を一括で支払っている場合は、多くの保険会社で短期率で割り当てられた保険料の返金になるため月割りの計算で残りの期間の保険料を全額受け取るという事が出来ないことが多いです。
また、ノンフリート契約の自動車保険はノンフリート等級による保険料の割増引きがあります。等級は保険会社を乗り換えても引き継ぐ事ができますが、途中解約で引継ぎを行う場合は損をしてしまう場合があります。等級は1年間無事故であれば1等級あがります。満期日を迎える前に現在の契約を解約して乗り換える場合、乗り換え先の自動車保険会社の等級があがるのは、その契約がはじまってから1年経過後となります。等級が上がるのが遅れてしまうことにもなり保険会社をまとめたことによるミニフリート割引の適用があっても以前より保険料が高くなってしまう可能性があります。
・途中解約により返金される保険料は短期率で割り当てられた保険料
・途中解約で等級引継ぎを行った場合、等級の上がる時期が遅くなる
自動車保険の等級による割引率は保険料への影響が大きいです。それぞれ違う保険会社と契約している複数台の車を1社にまとめることで管理がしやすくなったり、ミニフリート割引の適用を受けられるといったメリットがありますが、場合によっては保険料が高くなってしまうようなこともありますのでしっかり理解した上で手続きを行う必要があります。
ミニフリート割引の適用で保険料を安くしたいと考えるよりも所有する車をそれぞれ保険料の安いネット系の自動車保険で契約した方が保険料が安くなるという場合もあります。ですから、ミニフリート契約の注意点も理解した上でシミュレーションを行い切り替えるようにするとよいでしょう。
主にネット系の自動車保険会社では、ミニフリート契約の割引サービスがありません。「セカンドカー割引」の適用は受けられるけれども「ミニフリート割引」の制度がない保険会社もあるため注意しましょう。
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「セカンドカー割引」との違い
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まとめ
個人で自動車を複数台所有しているという人もいます。車がないと生活が不便な地域など家族で車を何台も所有している家庭などでは、契約する自動車保険会社をまとめ、ミニフリート契約で割引の適用となると所有する車の自動車保険料を安く抑えることができるかもしれません。ただしそれぞれの車を保険料の安いネット型の自動車保険で契約した方が保険料を抑えられる場合もあります。ミニフリート契約への変更は既存で契約している自動車保険の割引制度などを確認し、シミュレーションを行ってから手続きしましょう。