SUVとは、スポーツやレジャーなど多目的に使える車のことです。SUVは国内外で人気のタイプですが、車体の構造やボディの大きさなどによっていくつかの違いがあります。SUVを愛車として検討する場合、メリットやデメリットについても知っておきたいところです。
この記事では、SUVの意味や種類のほか、SUVを所有することのメリット・デメリットについて解説します。
もくじ
SUVとはスポーツやレジャーなど多目的に使える車のこと
SUVとは、Sport Utility Vehicle(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)というアメリカ発の言葉の略で、日本語で表現すると「スポーツ用多目的車」となります。
SUVについての厳密な定義はなく、自動車メーカーごとにその解釈は異なるのが現状です。ただ、一般社団法人日本自動車販売協会連合会(JADA)は、SUVをRV(レクリエーショナル・ビークル)タイプの車として分類しており、「ジープ型の四輪駆動車でワゴンとバン・トラックを含む。一部2WD(二輪駆動車)を含む」としています。
SUVは車体の構造で見ると、普通乗用車をベースとしたモノコック構造の「クロスオーバーSUV」と、軍用車の流れをくんだ頑丈なラダーフレーム構造の「クロスカントリーSUV」に分けられます。後者は、高い悪路走破性(雪やぬかるみなどで走りにくい道を走り抜ける性能)を持つのが特徴です。
2024年時点の日本においてSUVは、街乗りを重視したクロスオーバーSUVが主流です。販売台数が多く人気があり、新型車も多く発表されています。
SUVとほかの車の違い
SUVは、セダンやコンパクトカーといった種類の車と、どのような点が異なるのでしょうか。ここでは、SUVとそのほかの車の違いについて解説します。
積載性
SUVは荷室部分が広く、開口部も大きいため、セダンやコンパクトカーと比べてたくさんの荷物を積めるのが特徴です。また、荷室と座席が独立しているセダンと違って、SUVは荷室と座席の空間が一体となっています。そのため、後席を前に倒すことによって、荷室をさらに広げられるのです。
悪路走破性
四輪駆動で最低地上高(ボディの一番低い部分と路面との垂直距離のこと)がセダンやコンパクトカーよりも高いSUVは、雪道や岩場、ぬかるんだ道などでも、問題なく走行できる悪路走破性を誇ります。
ただし、モノコック構造のクロスオーバーSUVには、街乗りを重視したつくりになっている車種もあるため、最低地上高がそれほど高くない二輪駆動車の場合、悪路走破性もあまり高くないことに注意してください。
SUVの種類
SUVには、車格やボディのサイズによっていくつかのタイプに分けられます。ここでは、SUVの種類についてご紹介しましょう。
軽SUV
軽SUVは、軽自動車規格のSUVのことです。軽自動車はエンジンの排気量が660cc以下で、全長3.4m以下、全幅1.48m以下、全高2.0m以下の規格に収まる車です。小さなボディながら高い悪路走破性を持つSUVもあります。
スズキ・ジムニーやダイハツ・タフトなどが主な軽SUVです。
コンパクトSUV
コンパクトSUVは、軽自動車より大きな普通自動車で、明確な定義はありませんが、一般に全長4.4m以下のサイズのSUVを指します。運転のしやすさや積載性の高さから、近年はセダンタイプの車に代わり、高い人気を博しています。小さく軽量なので燃費性能も良好で、日本の道路環境にマッチしたサイズといえます。
ホンダ・ヴェゼルやトヨタ・カローラクロスなどは、コンパクトSUVの代表的な車種です。
ミドルSUV
ミドルSUVとは、一般に全長4.5~5.0m未満のサイズのSUVです。コンパクトSUVよりひと回り程大きいため、広い室内空間が特徴といえます。また、ボディが大きく安定しているため、長距離の運転も苦になりません。各自動車メーカーが展開するモデルの数も豊富で、日本でも海外でも人気のサイズです。
ミドルSUVの車種としては、日産・エクストレイルやスバル・フォレスターなどが挙げられます。
ラージSUV
ラージSUVは「フルサイズSUV」とも呼ばれるもので、全長5.0m以上のSUVを指すことが多いです。3列目のシートが備わり、乗車定員が7、8人になっているものが一般的です。パワーのあるエンジンや頑丈なボディによって、高い悪路走破性を誇るモデルもあります。代表的な車種は、トヨタ・ランドクルーザーやレクサス・LXなどです。
ただし、日本の道路環境では、大柄なボディを持て余すこともあるかもしれません。
SUVのメリット
SUVを愛車として選ぶことで、いくつかのメリットを得られます。SUVを所有することの具体的なメリットは、下記のとおりです。
悪路走破性が高い
最低地上高がセダンやコンパクトカーよりも高いSUVは、悪路走破性に優れていることがメリットです。高い最低地上高によって、路面に雪の塊やがれきのような障害物があっても、ボディ底面に接触する可能性が少ないでしょう。
悪路走破性を重視する場合は、駆動方式が四輪駆動で、最低地上高が20cm以上のSUVを選ぶことをおすすめします。タイヤの偏平率(タイヤの断面幅に対する高さの比率)が高めであることも、重要な要素です。
視界が良く運転しやすい
SUVは、最低地上高が高めなため、ドライバーが座る位置も高くなります。それにより視界が良く、遠くまで見渡せるため、セダンやコンパクトカーなどと比べても運転しやすいのがメリットです。
ただし、SUVの場合、車のすぐ近くの死角が多くなる点には注意が必要です。
たくさんの荷物が載せられる
SUVは、たくさんの荷物を載せることができます。これは、車高が高く車内空間自体が大きいので、荷室部分も大きな空間が確保できていることが理由です。場合によっては後席を前に倒して、さらに広大な空間を作り、長尺の荷物を積むことも可能です。
アウトドアユースを考慮し、室内に防水処理が施されている車種もあるのは、うれしいポイントといえるでしょう。
リセールバリューが高い
SUVは、セダンやミニバンに代わるタイプの車として、国内外で人気を集めています。そのため、リセールバリュー(新車時の価格に対する残価率)が高いのもSUVのメリットといえます。車種や年式、走行距離にもよりますが、中古車として売却しようと考えた場合、高額な買取価格や下取り価格がつくこともあるでしょう。
ただし、市場価値が高いSUVは、盗難される可能性も高くなるので注意が必要です。
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SUVのデメリット
SUVは多目的に使える便利な車ですが、いくつか気をつけておきたい点もあります。ここでは、SUV所有時のデメリットについて解説します。
乗降性が低く感じる場合がある
SUVは、車に乗り込んだり降りたりする際に、不便に感じる場合があります。車高が低いセダンのように背中を丸めたり腰をかがめたりして乗り降りする必要はないものの、最低地上高が20cm以上のSUVでは、足腰を痛めている高齢者や子供には乗り降りのハードルが高い可能性があるのです。
また、SUVはミニバンのようなスライド式ドアは備えておらず、開口部の狭いスイング式ドアを採用しているため、狭い駐車場では乗り降りに苦労するかもしれません。
駐車場を選ぶ場合がある
SUVは、車を停められる駐車場を選ばなければならない可能性があります。これは、SUVの特徴である全高の高さが理由です。
特に、「全高155cm以下」といった高さ制限がある機械式立体駐車場やガレージでは、駐車できない場合があるので注意してください。
維持費が高くなる場合がある
SUVの維持費は、高い傾向があるので注意が必要です。維持費が高くなる理由のひとつに、SUVはセダンやコンパクトカーに比べて車量重量が重いことが挙げられます。
ボディの重さは、燃費性能という点では不利で、ガソリンや軽油といった燃料代が高くなる傾向があるのです。また、重いボディを走らせるため、タイヤなどの消耗品の劣化も早くなりがちといえます。
また、SUVは排気量が大き目であるため、毎年4月1日時点の車の所有者に課せられる自動車税種別割も高くなる傾向があります。そして、車両価格が高めで部品代も高い傾向にあるため、車種にもよりますが自動車保険料も高くなることがあります。
SUVの購入検討の際は、自動車保険も十分な比較・検討を
SUVは、スポーツやレジャーなど、多目的に活躍する便利な車です。さまざまな車格や車体構造があるため、用途に応じて選ぶ必要があります。しかし、車種によっては、税金や保険料が高くなる場合があるので注意したいところです。メリット・デメリットをよく把握して選ぶようにしてください。
ちなみに、保険会社によって、保険料や提供する補償内容は異なります。SUVを購入するにあたって、自動車保険の加入・更新を行う際は、複数の保険会社に見積もりを依頼して、比較・検討するようにしてください。
ただし、各保険会社のウェブサイトで見積もり依頼はできるものの、手間や時間がかかります。そこで、一括見積もりサービスを利用して、手軽に見積もり依頼をするとよいでしょう。
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