保険料が高い若者にとって一度に保険料を払うのはつらいところがあります。しかし分割払いをするのにも支払方法によって総支払額が変わってくることもあります。分割払いについて理解を深めておくとお得な支払方法を見つけることができるかもしれません。
もくじ
保険料って結構高い、一度に払うのは正直キツイ
安心して車に乗るためには欠かすことのできないのが自動車保険です。しかし自動車保険料って意外と高く、しかも一括で払うとなるとチョットつらいという人もいるのではないでしょうか。
特に年齢の若い方の場合はまだ等級も低く、また年齢的なリスクによる割り増しもあり、保険料は高めになってしまいます。また、新たに車を購入した方の場合は、車の購入費用に加え、自動車の保険料も一度に全額支払うとなると、やはり大きな負担になる事もありますよね。
そこで分割払い(月払い)の登場
例えば、携帯電話の機種料金の支払い方法として分割払いを選択することができますよね。あまり知られてはないかもしれませんが、実は自動車保険の保険料も携帯電話と同じように月々支払うことが可能なのです。自動車保険には、「一時払い(年払い)」と「分割払い(月払い)」があり、分割払い(月払い)に対応している保険会社であれば保険料を分割して月々支払うことができます。そのため、どうしても保険料が高くなりがちな年齢の若い方や新たに車を購入した方などは一度、保険料の分割払い(月払い)をご検討されてみても良いのではないでしょうか。
また、自動車に関するその他の諸費用(ガソリン代や駐車場代など)は月々負担が発生するため、保険も月々の「コスト」に組み込んでおいた方が管理がしやすい!と考えられる方も結構いらっしゃるようです。
特に若い世代や純新規ユーザーほど分割払い(月払い)の利用割合が高い
ある保険会社の調査によると、全体では、74%の方が一時払い(年払い)を、26%の方が分割払い(月払い)を選択されているとの結果が得られました。
この結果を、「契約形態」(初めて自動車保険に加入するまたは 現在自動車保険に加入している)や「年齢」によるセグメントに分けて見てみると、初めて自動車保険に加入する方の実に40%が分割払い(月払い)を選択していることが分かります。
また、被保険者の年齢別でみると、18~29歳の若い世代では分割払い(月払い)の選択率が高く、なんと、半分近くの46%の方が分割払い(月払い)を利用していることが分かります。
これを見るに、保険料が高いユーザーほど、分割払い(月払い)の利用率が高いと言えます。
※上記の数値はある通販型保険会社の2013年上期のデータをいただいたものです。
分割払いには2種類の方法がある
自動車保険の保険料を分割払い(月払い)できることについては上に書きましたが、実は同じ分割払いでも保険会社によってその方法が異なっており、大きく以下の2種類に分けられます。
- (1) 保険会社による分割払い
- 保険会社自身がカード会社などに分割で請求をしてくれます。 そのため、光熱費や家賃のように毎月クレジットカードなどに保険会社からの請求が立ちます。
- (2) クレジットカードによる分割払い
- 保険会社ではなく、クレジットカード会社による分割払いとなります。 ショッピング時に「何回払いにしますか?」と聞かれた際、1年契約=12か月契約なので「12回払いでお願いします」と答えたと考えていただければ分かりやすいかもしれません。
もちろん、分割払いであるからにはどちらも分割手数料がかかってきます。では見た目はどちらも同じに見える二つの分割払いの方法ですが、いったい何が違うのでしょうか?
分割手数料に差があり!
一見似たように見える二つの分割払いの方法ですが、実は、すごく大きな違いがあります。
それは「誰に分割手数料を払うか」です。
この違いにより、「どちらがお得か」も必然的に決まってくることになります。
- (1) 保険会社による分割払い
- 保険会社による分割払いという名が示す通り、保険会社自身に分割手数料を払います。この場合の手数料は現状、一律“5%”と定められています。
- 【料金シミュレーション】
自動車保険の一括払い時の保険料:12万円
12万円×1.05=126,000円
- (2) クレジットカードによる分割払い
- 一方、クレジットカードによる分割払いの場合、分割手数料はクレジットカード会社に払うことになります。この場合の手数料はカード会社によって様々で、会社もしくは分割回数によって大きく異なるようですが、概ね8%前後のようです。例えばJCBカードの場合は“8.31%“のようです(実質年率15.00%の場合)。
なお、自動車保険の場合は基本的には1年契約となりますので、月払いを選択する場合、12回払いとなります。 ※上記の数字は2023年5月31日時点の以下のページを参考にしています。
JCB:https://www.jcb.co.jp/service/payment/installment/plan/ - 【料金シミュレーション】
自動車保険の一括払い時の保険料:12万円
初回:10,563円
2回目~11回目:10,830円
12回目:10,836円
合計:129,699円 参考:JCB ショッピング分割払いのシミュレーション - (カード利用日:2023年5月31日)
数字を見ればひと目で分かるように、分割手数料は支払方法によって、もしくは使用するカードによっても微妙に異なります。少しでもムダを省きたい方は「保険会社による分割払い」を、クレジットカードを使用される場合はお持ちのカードの中から一番有利なカードを使うのが良いかもしれませんね。
代表的なクレジットカードについて分割手数料を調べてみましたので、ご活用ください。(一般カードを対象としています。)
支払先 | 分割手数料(実質年率) |
---|---|
(1)保険会社による分割払い | 5% |
(2)クレジットカード会社による分割払い | |
・三井住友トラストクラブ | 10.77%~13.17% |
・三井住友VISA | 12%~14.75% |
・三菱UFJニコス | 12.25%~15% |
・楽天カード | 12.25%~15% |
・アメリカン・エキスプレス | 14.9% |
・JCB | 7.92%~18% |
・セゾンカード | 2回払い以上はリボ払いのみ (リボ払いの実質年率は15%) |
・ダイナース | 分割払い不可。リボ払いのみ (リボ払いの実質年率は15%) |
※2023年5月時点の各社公式サイトよりインズウェブ調べ。
せっかく月々の支払い負担を減らすために分割払いにしているのに、合計の支払額が増えてしまったら元も子もないですよね・・・自動車保険を検討される際には、ぜひ支払方法についても検討いただき、賢く節約したいものですね。
※ポイント還元率は考慮していないので、ポイントも含めた実質金額では結果が異なる可能性があります。
一時払い(年払い)とどちらがお得?
もし、一度に保険料をすべて支払える場合は一時払いと分割払いのどちらがお得なのでしょうか?その答えとしては、支払総額だけを考えると一時払いの方がお得です。なぜなら、分割払いによる手数料がかからないからです。ただし、一度の支払額が大きいので、家計が苦しくならないように注意してください。
途中解約する場合は分割払いの方が得なことが多い
もし、契約期間の途中で解約することが事前にわかっている場合は分割払いにした方がお得になることが多いです。一時払いでも解約時には未経過分の保険料の返還がありますが、その金額の算出には「短期率」が使われます。そしてこの短期率は月割りで計算した金額よりも不利な金額となります。分割払いは月割りでの計算なので、途中解約するなら分割払いの方がお得になりやすいのです。
期間 | 7日まで | 15日まで | 1カ月まで | 2カ月まで | 3カ月まで | 4カ月まで | 5カ月まで |
---|---|---|---|---|---|---|---|
短期率 | 10% | 15% | 25% | 35% | 45% | 55% | 65% |
期間 | 6カ月まで | 7カ月まで | 8カ月まで | 9カ月まで | 10カ月まで | 11カ月まで | 12カ月まで |
短期率 | 70% | 75% | 80% | 85% | 90% | 95% | 100% |
解約返戻金=年間保険料×(1-既経過期間に対応する短期率)