ゴールド免許とは、5年間無事故・無違反などの条件をクリアしている優良運転者に交付される運転免許証の通称です。このゴールド免許を取得したドライバーに対しては、自動車保険の保険料が割引になる「ゴールド免許割引」が設けられています。
ただし、ゴールド免許割引には、適用条件や適用タイミングが定められています。ではもし、運転免許証の更新でゴールド免許を取得したら、そのタイミングから割引を受けることができるのでしょうか。あるいは、割引適用期間中に事故や違反があった場合、即座にゴールド免許割引は適用されなくなるのかも気になるところです。
この記事では、ゴールド免許割引のメリットとタイミング・適用条件のほか、利用時の注意点について解説します。
もくじ
優良運転者に交付されるゴールド免許
そもそもゴールド免許とは、優良運転者に交付される運転免許証のことです。正式名称は「優良運転者免許証」ですが、運転免許証表面の「有効期限」欄の帯色が金色のため、一般的にゴールド免許と呼ばれています。
ゴールド免許の交付を受けるには、下記の要件をクリアしている必要があります。
<ゴールド免許交付の要件>
- 運転免許証を5年間継続して保有している
- 5年間無事故・無違反かつ重大違反教唆ほう助・道路外致死傷を行ったことがない
ここでいう「5年間」とは、運転免許証の有効期間満了年の誕生日から41日前の起算日より5年間を指しています。
また、運転免許証の区分は5種類あり、帯の色はゴールドを含めた3種類です。具体的には下記のとおりです。
区分 | 帯色 | 有効期間 | 内容 |
---|---|---|---|
優良運転者 | ゴールド | 5年(70歳は4年、71歳以上は3年) | 5年間運転免許証を継続して保有し、過去5年間に無事故・無違反かつ重大違反教唆ほう助・道路外致死傷を行ったことがない |
一般運転者 | ブルー | 5年(70歳は4年、71歳以上は3年) | 5年間運転免許証を継続して保有し、違反点数3点以下の軽微な違反を1回行ったことがある |
違反運転者 | ブルー | 3年 | 過去5年間に違反歴あるいは事故歴などがある |
初回更新者 | ブルー | 3年 | 運転免許証の保有歴が5年未満で、違反・事故の有無が違反運転者区分に該当しない |
新規取得者 | グリーン | 3年 | 運転免許の新規取得者 |
なお、ゴールド免許には、有効期間の長さ以外にも、ほかの区分に比べて下記のようなメリットがあります。
<ゴールド免許のメリット>
- 最寄りの警察署でも運転免許証更新手続きが可能
- 運転免許証更新にかかる費用が安い
- 運転免許証更新の講習時間が短
- SDカードで優遇を受けられる
- 自動車保険などの保険料が割引される場合がある
SD(Safe Driver)カードは、自動車安全運転センターが発行するカードです。1年以上無事故・無違反が条件なのでゴールド免許でなくても発行可能ですが、無事故・無違反の期間が長いほど優遇が受けられます(特典が一律の優遇店も多いです)。SDカード取得者は、指定されたSDカード優遇店でSDカードを提示すると、ガソリン代・食事代・宿泊代の割引が受けられたり、マイカーローン金利を下げてもらえたりします。
ゴールド免許割引とは?
ゴールド免許割引とは、多くの保険会社が設定している自動車保険の割引制度のひとつです。ゴールド免許の保有者は、5年間無事故・無違反であることから、一般的に事故リスクが低いとみなされるため、保険料が安くなります。
ここでは、ゴールド免許割引の適用条件やメリットについて詳しく見ていきましょう。
ゴールド免許割引の適用条件と適用タイミング
ゴールド免許割引の適用条件は、自動車保険の補償がスタートする保険始期日時点で、車を主に運転する「記名被保険者」がゴールド免許を交付されていることです。
なお、自動車保険の契約期間中に事故や違反などがあり、優良運転者(ゴールド)から違反運転者(ブルー)に変更となったとしても、割引の適用は、保険始期日時点での運転免許証の色で判断されます。保険の契約期間の単位は基本的に1年間なので、次の保険更新のタイミングまではゴールド免許扱いとなり、割引が適用されたままなのです。
ちなみに、運転免許証の新規取得者は、ゴールド免許を取得しゴールド免許割引が適用されるまで、最短で6年間かかることに注意してください。
なお、運転免許証更新のタイミングによっては、保険始期日時点でゴールド免許を保有していなくてもゴールド免許を保有しているとみなされ、割引が適用される場合があります。保険会社によって適用の有無が異なりますので確認してみましょう。
ゴールド免許割引のメリット
ゴールド免許割引には、月々支払う保険料が安くなるメリットがあります。
保険会社によって割引率は異なりますが、割引率は10~15%程度で、場合によっては約20%の割引が適用されます。金額で見ると、年間で数千円~1万円以上の節約となるのです。
ゴールド免許割引利用時の注意点
ゴールド免許割引を利用するには、いくつか気をつけたいポイントがあります。ここでは、ゴールド免許割引を利用する際の注意点を、4つご紹介します。
割引適用のタイミングは次年度の保険期間から
保険始期日以降の保険期間中に運転免許証更新のタイミングがあり、「優良運転者」として認定されゴールド免許に変わった場合でも、当年の保険期間中からゴールド免許割引が適用されることはありません。割引適用は、あくまで次年度の保険期間からとなる点に注意してください。
これは、ゴールド免許から事故などで違反運転者(ブルー)の運転免許証に変わった場合も同様です。割引の適用対象外になるのは、次の保険更新のタイミングとなります。
法人名義の契約ではゴールド免許割引は適用されない
自動車保険の記名被保険者が法人名義の場合、ゴールド免許割引は適用されないので注意してください。ゴールド免許割引はあくまで、個人名義の契約を対象としたものです。
記名被保険者がゴールド免許なら他の運転者がゴールド以外でも割引適用される
ゴールド免許割引は、記名被保険者がゴールド免許取得者の場合に適用されます。記名被保険者以外の免許証の色は問わないため、たまに運転する配偶者や同居の親族が一般運転者(ブルー)や新規取得者(グリーン)の運転免許証だったとしても、ゴールド免許割引は適用されます。
ただし、記名被保険者がブルーやグリーンの運転免許証だった場合は、同居の家族がゴールド免許を取得していても割引が適用されないので注意してください。
記名被保険者を妻(夫)にしてゴールド免許割引を適用できる?
夫がブルー免許で妻がゴールド免許の場合や逆に夫がゴールド免許で妻がブルー免許の場合、ゴールド免許の妻(夫)を記名被保険者とすることでゴールド免許割引を適用できないかという誘惑にかられます。
しかし、記名被保険者とは車を主に運転する人です。夫と妻が同程度運転するのであれば問題ありませんが、運転する頻度が小さい方を記名被保険者として申告をした場合、事故を起こしたときに保険金が支払われない可能性があります。事故を起こしてしまったときにきちんと保険金の支払いを受けるためにも、記名被保険者は正しく申告するようにしましょう。
保険会社によって割引率が異なる
前述のとおり、ゴールド免許割引の割引率は保険会社によって異なります。最大で20%の割引率の保険会社もあるものの、多くは10~15%割引です。
自動車保険加入時や更新時には各社に見積もりを依頼して、ゴールド免許割引の割引率についてもしっかりと比較・検討したいところです。
ゴールド免許割引の割引率は、複数の保険会社を比較・検討しよう
ゴールド免許割引は、ゴールド免許を取得した優良運転者が記名被保険者の場合、月々の保険料が割引になる制度です。ゴールド免許割引は他の運転者の運転免許証の色がゴールドではない場合にも適用されるため、お得な制度といえます。
気になる保険料の割引率は約10~15%ですが、中には20%という保険会社もあります。また、運転者限定特約といった特約を付帯させることで、割引率が変わる場合もあります。自動車保険の更新時に、ゴールド免許割引の割引率をひとつの材料として保険会社を選ぶなら、複数の保険会社に一括見積もりを取るのがおすすめです。
なお、複数の自動車保険を比較・検討する際には、インズウェブの「自動車保険一括見積もりサービス」が便利です。複数社の見積もりが一度に取れるので、比較・検討がしやすくなります。ぜひ、「自動車保険一括見積もりサービス」をお試しください。