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自動運転による事故の責任は誰がとる?レベル別の責任を解説

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昨今、車の自動運転技術が進化を遂げており、各地で実証実験も行われています。もし自動運転中に事故を起こした場合、その責任は誰が負うことになるのかが気になる人もいることでしょう。さらに、自動運転には「レベル2」や「レベル3」といった段階がありますが、自動運転レベルによって事故の責任の所在が違うのかも知っておきたいところです。

この記事では、自動運転による事故のレベル別の責任の所在と自動運転を取り巻く状況のほか、自動運転の事故に対応する保険について解説します。

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自動運転の定義

自動運転は国土交通省の定義(2022年2月時点)によれば、「運転者ではなくシステムが、運転操作に関わる認知、予測、判断、操作の全てを代替して行い、車両を自動で走らせること」としています。

自動運転には、下記の6段階の技術レベルが設けられています。これは、アメリカの自動車・航空宇宙分野の技術標準を策定する米国自動車技術会(SAE)が2016年9月に定めた「J3016」と、その日本語訳版である「JASO TP 180041」における定義をもとにしたものです。

<自動運転の技術レベル>

  • 自動運転レベル0:運転自動化なし
  • 自動運転レベル1:運転支援
  • 自動運転レベル2:部分運転自動化
  • 自動運転レベル3:条件付運転自動化
  • 自動運転レベル4:高度運転自動化
  • 自動運転レベル5:完全運転自動化

人間は車の運転時、目や耳で「認知」し、脳で「予測」や「判断」を行った上で、ハンドルやアクセル・ブレーキなどの「操作」を行っています。自動運転ではこれらの要素を、システムが人間の代わりに行う仕組みです。

2025年時点では、人間の「部分運転自動化」段階である自動運転レベル2の採用車が普及しています。
システムが人間の代わりに運転を行う自動運転レベル3以上は、まだごく一部の車・条件での採用にとどまっているのが現状です。

それぞれのレベルの詳細については以下で説明します。

自動運転の各レベルの特徴

自動運転レベル0

自動運転レベル0とは、運転支援技術を一切使用しておらず、車の安全運転における主体が人間(ドライバー)となっている車を指します。すなわち、自動運転技術が誕生する以前の車のことです。
自動運転レベル0の車については、操作責任はもちろんのこと、事故を起こしたときの責任も、ドライバーが負います。

自動運転レベル1

自動運転レベル1は、国土交通省の資料「自動運転車両の呼称」によれば「アクセル・ブレーキ操作およびハンドル操作のどちらかが、部分的に自動化された状態」と定義されています。アクセル・ブレーキとハンドルの両操作システムが、相互に連携しないのが特徴です。
具体的には、下記のような技術が挙げられます。

<自動運転レベル1の技術の例>

  • アダプティブ・クルーズ・コントロール(略称:ACC、車間距離制御システム)
  • レーンキープアシスト(車線逸脱防止支援システム)

ACCは、車に搭載されたセンサーとコンピューターにより、車間距離を維持しながら定速走行するためのアクセル・ブレーキ操作を自動化したものです。先行車に対する、追従走行も可能となっています。

自動運転レベル1も主体はあくまでドライバーのため、事故の責任もドライバーにあります。

自動運転レベル2

「アクセル・ブレーキ操作およびハンドル操作の両方が、部分的に自動化された状態」なのが、自動運転レベル2です。具体的には、先進運転支援システム(略称:ADAS)と呼ばれるシステムを採用した車のことです。近年は、高機能化した「自動運転レベル2+」も存在します。
具体的には、下記の技術が用いられています。

<自動運転レベル2の技術の例>

  • 前方衝突予告警報(略称:FCW)
  • 衝突被害軽減ブレーキ(略称:AEBS)
  • ドライバーモニタリングシステム(略称:DMS)
  • 車両接近通報装置(略称:AVAS)

車両周辺を検知する「ミリ波レーダー」や「センシングカメラ」を駆使して、衝突防止やその被害軽減に貢献するものの、ADASはあくまでドライバーのサポートです。なお、この自動運転レベル2までの車は自動運転車ではなく「運転支援車」とされています。

自動運転レベル3

「条件付き運転自動化」といわれている自動運転レベル3と自動運転レベル2との違いは、主体がドライバーではなく、システムになることです。国土交通省の定義では下記のようになっています。

<自動運転レベル3の定義>

特定の走行環境条件を満たす限定された領域において、自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態。
ただし、自動運行装置の作動中、自動運行装置が正常に作動しないおそれがある場合においては、運転操作を促す警報が発せられるので、適切に応答しなければならない。

「自動運行装置」とは自動運転のシステムを指しています。高速道路などで走行環境条件が整えば、ドライバーはハンドルから手を離すことも可能となるのです。ただし、「条件付き」の名が示すように、システムの作動は高速道路などでの走行に限られます。また、高速道路などの条件下であっても、緊急事態発生時の対応はドライバーが行います。

2020年に道路交通法が改正・施行され、自動運転レベル3の実用化に向けた法的な環境整備が行われました。ただし、2025年9月時点で自動運転レベル3に対応した車は日本では市販されておらず、過去を見ても2021年に台数限定で発売されていたホンダのレジェンド(2022年1月販売終了)のみです。

自動運転レベル4

自動運転レベル4は「特定の走行環境条件を満たす限定された領域において、自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態」と定義されており、ドライバーが車内に不在でも運行可能です。さらに、故障や天候急変などの状況でも、ドライバーではなく、システムが全責任を担うのが特徴といえます。

2023年4月からは、自動運転レベル4のシステムを採用した車の運行である「特定自動運行」の許可制度がスタートしました。各自治体の公安委員会が許可した自動運転バス・カートが、全国各地の施設内や地方で走り始めています。
また、政府は自動運転レベル4のトラックによる物流サービスについても、2025年以降を開始目標としています。

自動運転レベル5

「自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態」である自動運転レベル5は、一般道や高速道路、また天候などにかかわらず、どのような走行環境でも完全にシステムが車の運行を担うものです。
自動運転レベル5相当の車は現時点で存在しませんが、ハンドルやアクセルペダルなどの操作系がない車になるかもしれません。
なお、政府は、2027年に自動運転レベル5の公道での実証実験を計画しています。

自動運転中の事故責任の所在は誰にある?

自動運転中に発生した事故責任については、現状で実用化している自動運転レベル2までは、責任はドライバーにあります。これは実質的にはシステムによる自動運転ではなく、システムはドライバーの運転支援にとどまっているのが理由です。

問題は、自動運転レベル3以上の事故責任の所在です。自動運転レベル3については、システムが主体となるものの緊急時にはドライバーがただちに対応することになっているので、事故が起きた場合は必ずしもドライバーが免責されるとは限らず、一定の責任を負うことになる可能性があります。

ただし、車のシステムにトラブルが起きたりハッキングされたりした場合は自動車メーカーやシステム開発責任者に、高速道路に問題があった場合には高速道路管理会社などに責任があると判断されるかもしれません。

自動運転レベル4以上でドライバーが不在の車についても、事故が起きた場合の責任を負うのは製造者である自動車メーカー(法人)なのか、システム開発責任者なのか、また、無人タクシーの事故では誰が責任を負うのかといった議論が進められているところです。各レベルの車が走行する現時点においては、一次的には現行の自賠責保険での枠組みである運行供用者が責任を負うという整理になっています。

運行供用者とは、「自動車の使用について支配権を有し、かつ、その使用により享受する利益が自己に帰属する者」で、車両所有者等が当てはまります。

自動運転を取り巻く状況

内閣府が公表している「交通安全白書」によれば、交通事故における死亡事故は、ほとんどがドライバーの法令違反によって発生しています。法令違反の中でも運転操作不適や漫然運転、脇見運転等の安全運転義務違反が多数を占めていますが、システムが主体となる自動運転の実用化により、こうしたドライバーが原因となる事故低減が期待されています。また、高齢者の移動を支援したり、渋滞が緩和したりすることにも効果を発揮するでしょう。

政府は、2025年をめどに高速道路を走行する車において、自動運転レベル4実現を目指しています。
その実用化に向けて、自動車メーカーの技術開発に加え、社会実装や法整備などが進められているところです。

具体的には、2021年にはホンダが、自動運転レベル3機能を備えた車を世界で初めて市販しました(2022年に生産終了)。2023年には道路交通法改正に伴い、自動運転レベル4が可能になりました。また同年には、福井県永平寺町で、自動運転レベル4の無人自動運転移動サービスを開始しています。

さらに、デジタル庁は新たなモビリティ・サービスの社会実装を推進するため「モビリティ・ロードマップ」を策定し、2027年度以降の本格的な普及と市場確立に向けて取り組んでいます。

自動運転による事故に対応した保険

自動運転による事故が起きた場合、事故の責任の所在がすぐにわからない場合があります。ドライバーの過失だけでなく、システムの欠陥やハッキングの可能性も捨てきれないからです。

しかし、自動運転であろうと、事故の被害者救済が必要であることは変わりません。そこで、保険会社は「被害者救済費用特約」を設定しています。これは、⾞の⽋陥やハッキングなどにより起きた⼈⾝事故または物損事故が発⽣した場合に補償する特約です。保険契約の対象となる被保険者に、法律上の損害賠償責任がない場合に適用されます。

被害者救済費用特約の詳細については、下記の記事で紹介しています。ぜひご確認ください。

被害者救済費用特約とは?どのような場合に支払われる?
自動車保険の特約の中に被害者救済費用特約というものがあります。自動付帯される特約なので、自分で追加した覚えがないのに補償内容に含まれていて「どのような特約なのか詳しく知りたい」と思う方もいるのではない ...

続きを見る

まとめ

自動運転にはレベル0~レベル5があり、レベル2までは人間が主体で事故の責任も運転手にあります。2025年時点でシステムを主体とする自動運転レベル3に対応した車は日本で販売されていませんが、今後の技術革新や法整備次第では、一気に普及する可能性もあるでしょう。

万が一、自動運転車に乗って事故を起こした場合、事故責任の所在が明らかになるまで時間がかかるかもしれません。そうした場合でも「被害者救済費用特約」によって保険金の支払いに向けた対応が可能となっています。自動付帯の特約なので気にしたことがない人が多いかもしれませんが、今後注目される場面も増えていくと考えられます。自動車保険を契約する際や見直しをする際にはこの特約についても思い返してみてください。

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