車のボンネットは車のフロント部分にあり車の見た目に大きく影響します。小さな傷でも目立ちやすいです。車のボンネット部分はエンジンを収納している場所であり、エンジンカバーとなっているボンネットですが、最近では衝突事故の際の二次被害を軽減する安全装置の役割も担うようになっているようです。そんなボンネットに破損や凹み、傷ができたために修理や交換をしようと思っても破損の内容によっては高額になる場合もあります。そんな時、車両保険を利用してボンネットの修理や交換はできるのでしょうか。
ボンネットは車両保険で修理・交換できる
飛び石でボンネットに傷がついてしまったり、山道を走行中に野生動物がぶつかってきたことで凹みができたり、駐車中にイタズラされてしまったりして被害を受けた時でも車両保険で修理・交換することができます。
車両保険には、一般型と補償範囲が限定されたエコノミー型とがあります。飛び石でボンネットに傷がついてしまった場合、車を駐車中にボンネットにイタズラされてしまった場合などは、一般型、エコノミー型のどちらの契約であっても補償を受ける事ができます。しかし、野生動物とぶつかって車に損害を受けた場合は、単独事故の扱いとなります。その場合、車両保険を利用しての車の修理はエコノミー型では補償を受けることができません(保険会社によっては動物との事故もエコノミー型で補償対象となる場合があります)。
ボンネットに限らず、車の修理で車両保険を利用できるかどうかは、修理や交換をしなければいけなくなった理由によります。車のボンネットが熱や太陽光などの影響で経年劣化し塗装がはがれてしまったというような理由では車両保険で修理することはできません。あくまでも車両保険は「事故」による損害に対しての補償となる事を覚えておきましょう。
一般 | エコノミー | |
---|---|---|
車やバイクとの事故 (相手が判明している場合) | ○ | ○ |
自転車との衝突・接触 | ○ | × |
電柱・建物などとの衝突や接触 (単独事故) | ○ | × |
あて逃げ | ○ | △※ |
転覆・墜落 | ○ | × |
火災・爆発・台風・洪水・高潮など | ○ | ○ |
盗難・いたずら・落書き | ○ | ○ |
窓ガラスの損害・飛び石による損害 | ○ | ○ |
地震(津波や地震起因の火災含む)・噴火 | × | × |
※あて逃げについて、保険会社によって補償対象となる場合とならない場合とに分かれています。
「一般型」、「エコノミー型」という名称は保険会社によって異なります。また、詳細な補償内容についても保険会社によって異なる場合がありあます。詳しくは保険会社または代理店に確認しましょう。
車両保険を利用する場合の注意点
車両保険を利用してボンネットの修理・交換をする場合、いくつか注意することがあります。
翌年度の等級が下がる
車両保険は、等級に影響する保険です。そのため車両保険を使うと翌年度の等級が下がり、事故有係数適用期間も加算されます。ボンネットに傷を負ってしまった場合においては、その原因によって等級ダウンの影響は変わります。車両保険を使って車を修理や交換をすると、どんな事故によってボンネットに凹みができてしまったのか、傷を負ってしまったのかということが等級に反映されます。
車両保険を利用した場合の等級への影響は、支払われる保険金の額に関係なく、どういった事故で保険を使用するかという事が重要になります。イタズラで車のボンネットに傷を負ってしまい車両保険を利用して修理した場合は、1等級ダウンの事故扱いとなり事故有係数適用期間も1年加算されます。それは、翌年度の保険料が高くなり、等級が進むのも遅くなってしまうということです。そのため保険料の値上がりを考えた場合、修理代が少額であれば保険を使わず自分で支払った方がトータルでは安くなる事があります。もし、自分で判断がつかない場合は保険会社や代理店に相談してみるとよいでしょう。
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免責金額の設定に注意
車両保険の免責金額(自己負担額)を設定した場合、車両保険の保険金として支払われるのは修理代から免責金額を引いた金額です。例えば、免責金額を5万円と設定していた場合で修理代が10万円の場合は保険金として支払われるのは10万円-5万円=5万円です。修理代が5万円以下の場合は免責金額を下回るので車両保険で保険金が出ません。ただし、修理代が数万円で済むのであれば車両保険を利用し等級が下がる事を考えると、車両保険を使わずに自己資金で負担した方がいい場合もあります。車両保険を使うべきかどうかはよく考えて利用しましょう。
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ボンネット部分は車のエンジンやバッテリーを収納している場所であり、ボンネットはそのカバーとなっています。外見的にもフロント部分に位置しているため傷や凹みがあると車の見た目に影響し気になる人も多いでしょう。小さな傷や凹みでも放置しておくと傷の場所から錆つき始めたり、凹みが大きいと内部にまで影響している場合もあります。傷の修理や小さな凹みであれば市販されている工具でセルフ修理をする人もいます。自分では難しいレベルの損傷であれば専門業者に修理や交換の依頼をしましょう。ボンネットの修理や交換は専門業者に依頼すると損傷具合によっては高額になるケースもあります。交換となるとある程度の費用が掛かる事が想像できます。必ず交換が必要な損傷か、修理をするには費用はいくらかかるのか、修理期間はどのくらいかかるのかといったの相談を行い見積もりを取ってから依頼するようにしましょう。
また、車両保険を利用して修理・交換をする場合には、保険会社や代理店に必要な書類や申請方法について確認しましょう。
車両保険の請求に必要な主な書類
- 保険金請求書
- 事故証明書
- 修理費見積書
- 事故車両の写真
※「事故証明書」は、警察へ届け出る事によって取得することが可能です。事故証明書の取得は、A.センターの窓口で受け取る方法、B.郵送で受け取る方法がありますが、ガードレールにぶつかったというような単独事故の場合であっても損害事故があれば警察への届け出は必ず行いましょう。
まとめ
車のボンネットの損傷は車両保険で修理・交換をすることができますが、車両保険が利用できるかどうかは損傷の理由によります。また、車両保険を使って修理・交換をする場合は、等級に影響するため翌年度の保険料が高くなり事故有係数適用期間も加算されます。そのことを踏まえ、本当に車両保険を利用して修理や交換をすべきかどうかという事を考えて利用しましょう。