車を手放した、あるいは海外に渡航したなどの理由で中断した自動車保険がある場合、条件を満たせばその中断証明書を使って昔の等級を引き継いで契約を再開することができます。自動車保険を再開する場合、どのようにすればよいのでしょうか。また、再開する場合にどのような条件が必要なのでしょうか。
もくじ
中断した自動車保険を再開する方法
中断証明書を利用して自動車保険を再開するには、中断証明書や新しく契約する車の車検証を用意して契約したい保険会社や代理店に連絡をしましょう。中断前に契約していた会社とは違う会社にも申し込むことができます。
Webや電話で手続きができますが、海外渡航のため中断証明書を発行した場合はWeb上で申し込みができないことがほとんどです。各社で申し込み方法が異なるので、希望する保険会社に問い合わせるのが一番でしょう。
中断した自動車保険を再開するメリット
中断前の等級で再契約することができる!
自動車保険を再開するメリットは中断前の等級を引き継いで契約すると保険料が安くなることです。自動車保険には等級制度というものがあり、保険を使わず無事故で1年過ごせば等級が1上がり、等級が上がるほど保険料は安くなっていきます。
中断前の等級が無事故の7等級の場合、引き継いで再開すると27%の割引を受けられます。しかし、中断証明書を使わないと新規での加入となり6等級(6S等級)からのスタートとなります。6S等級は3%の割増の保険料となるため、中断証明書を使った時と比べると保険料が数万円異なる可能性は十分にあります。
等級による保険料差のイメージ
雑な計算ですが、等級による割増引の適用前の保険料が仮に8万円だった場合、新規6等級(6S等級)の3%割増だと82,400円、事故なし7(F)等級の27%割引だと58,400円と24,000円の差となります※。
12等級や20等級などもっと高い等級で再開できる場合は中断証明書を使って再開させた方がよいでしょう。
※等級による保険料差のイメージであり、実際の保険料の算出には他の要素も加わります。
中断証明書を使って再開できる条件
中断証明書を使って自動車保険を再開するのにはいくつか条件があります。条件を満たさない場合は以前の等級を引き継げず、新規契約で6等級から開始となります。中断証明書を使って自動車保険を再開するための条件は以下の通りです。
※保険会社によって条件が異なる場合があります。実際の適用条件については保険会社にご確認ください。
有効期限
中断証明書の有効期限は10年です。10年を超えてしまうと再開ができなくなってしまいますので注意しましょう。
また、海外への転勤や留学などで中断している場合は、出国の翌日から10年以内かつ帰国日から1年以内であることが条件となっています。
新しい車の取得日
契約する車にも条件があり、新しい車を取得してから1年以内に再開する必要があります。納車と同時に保険に加入する場合は問題ありませんが、車を取得してから任意保険に加入していなかった時などは注意しましょう。
新しい車と前の車の用途車種
前の車と新しい車の用途車種が以下の自家用8車種である必要があります。家庭用の車であればほとんどの場合問題ないでしょう。
- 自家用普通乗用車
- 自家用小型乗用車
- 自家用軽四輪乗用車
- 自家用小型貨物車
- 自家用軽四輪貨物車
- 自家用普通貨物車(最大積載量0.5トン以下)
- 自家用普通貨物車(最大積載量0.5トン超2トン以下)
- 特種用途自動車(キャンピングカー)
新しい車の記名被保険者と車両所有者
前の車と新しい車の記名被保険者(主に運転する方)と車両所有者(車の持ち主)にも以下のような条件があります。本人だけでなく配偶者や同居の家族でも中断した等級を引き継ぐことができますが、別居している家族や友人・知人には引き継いで契約できないようになっています。
記名被保険者
- 中断証明書に記載の記名被保険者
- 記名被保険者の配偶者
- 記名被保険者または配偶者の同居の親族
車両所有者
- 中断証明書に記載の車両所有者
- 中断証明書に記載の記名被保険者
- 記名被保険者の配偶者
- 記名被保険者または配偶者の同居の親族
同居の家族にも引き継げる
自動車保険を再開できるのは中断証明書に記載の記名被保険者だけでなく、配偶者や同居の親族も含まれますので、同居の家族にも中断した等級を引き継ぐことができます。高齢のためもう自分は運転しないという場合も、同居の孫が車に新しく乗るようになったら孫が高い等級を引き継いでお得に自動車保険を契約することができます。
注意点としては、等級を引き継ぐためには同居をしている必要がある(配偶者は除く)ということです。大学進学や就職で別居している場合は等級を引き継げませんので気を付けるようにしましょう。
- ▼ここがポイント▼
- ・中断証明書の有効期限は10年!
・等級は家族にも引継げる!
・中断前の保険会社以外でも等級を引継いで契約できる!
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再開に必要な書類
自動車保険の再開に必要な書類は中断理由によって異なります。
車の「廃車」「売却」「譲渡」によって中断した場合の必要書類は以下になります。
- 中断証明書
- 新たに契約する車の車検証など
- (印鑑)
海外渡航が理由で自動車保険を中断した場合は、車検証の代わりにパスポートが必要になります。
- 中断証明書
- 出入国日を確認するためのパスポート
- (印鑑)
中断証明書を紛失してしまった場合は?
中断証明書を発行しても何年か経つうちに紛失してしまうこともあるでしょう。そうした場合は中断証明書を発行した保険会社に連絡して再発行を依頼しましょう。
中断証明書発行前の自動車保険の契約情報を調べておくと手続きがスムーズになります。
- 契約者名
- 記名被保険者名
- 自動車保険の証券番号
- 車の情報 (車の種類や車のナンバープレートなど)
再発行を依頼すると、「中断証明書再発行依頼書」などと書かれた書類が送られてきます。それに必要事項を記入して返送すれば再発行を受けられます。なお、依頼してから再発行まで2週間ほど時間がかかります。期限ぎりぎりで再発行を依頼して間に合わなかったということがないように、自動車保険を契約する前に早めに準備しておきましょう。
他社に乗り換えることもできる
中断証明書を使う時には、中断前の保険会社以外とも等級を引き継いで契約を行うことが可能です。中断前と再開後とでは運転者や車の条件などが変わっていることもありますよね。そうした場合、前と同じ保険会社が最も条件がよい保険会社とはいえないかもしれません。できれば、複数の保険会社の見積もりを取って各社の保険料や補償内容を比較してみるとよいでしょう。
インズウェブでは、新しい車の情報や希望の契約開始日などの見積もりの条件を一度入力するだけで、複数の保険会社の見積もりを取ることができます。1社1社個別に見積もりを取るのと比べて手間を省けますのでぜひ利用してみましょう。
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自動車保険の見直しも忘れずに!
中断証明書を利用して等級を引き継げる期間は10年間です。一時的に中断していた自動車保険を10年後に再開するとなると、以前とは車を運転する状況が変わっていることが考えられます。補償内容の見直しも合わせておこないましょう。
運転者の補償範囲を見直す
自動車保険を中断した時に21歳だった運転者が26歳になるなど年齢が変わった時は年齢条件を変えるチャンスです。運転者年齢条件特約があり、車を運転する若い人の年齢に合わせることで保険料を抑えることができます。
また、以前は夫婦だけで運転していたものの、一緒に住んでいる子どもが免許を取得して運転するようになったなど、運転者が増えた・減った場合は運転者の範囲を変える必要があります。運転者限定の区分を「本人・配偶者限定」から「家族限定」に広げることで、万が一の事故が起きてしまった時に子どもも補償されるので安心です。
車両保険を見直す
再開にあたり新しい車に変わる時は車両保険の見直しも必要です。新車だと車両保険を付ける人も多いですが、保険料も高くなってしまうのが悩みどころです。
車両保険には「一般型」と「エコノミー型」の2つのタイプがありますが、補償範囲の狭い「エコノミー型」の車両保険にすることで保険料を安く抑えられます。「エコノミー型」は「一般型」よりも補償範囲が狭く、単独事故や自転車との衝突で傷がついたといった場合には基本的に補償されませんが、その分保険料が安くなります。
また、免責金額を高く設定することで、事故が起きた時の自己負担はあるものの保険料は節約することができます。例えば、免責金額が5万円で車の修理費用が30万円の場合、5万円は自己負担し、残りの25万円は保険金が支払われます。
以前のままの契約内容で再開するのではなく、現在の状況での補償内容や補償範囲を確認したうえで自動車保険を契約するようにしましょう。
自動車保険の補償内容と選び方。おすすめの特約は?
自動車保険と一口に言いますが、その中身は事故相手への補償、物に対する補償、自分や同乗者への補償、自分の車の補償などさまざまです。そして、その補償内容の選び方によって自動車保険料は左右されます。補償内容 ...
まとめ
自動車保険を再開する場合、中断証明書と新しく契約する車の車検証を用意して希望する保険会社に連絡しましょう。ただし、中断証明書を使って契約するのにはいくつかの条件がありますので注意する必要があります。また、再開するのは中断をした保険会社以外でも可能です。中断する前とは状況が変わっていると思いますので、一括見積もりサービスなどを利用して複数の保険会社の見積もりを比較してみるとよいでしょう。
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