毎年5月になると多くの方に自動車税の納付書が届きますが、気が付いたら6月になりうっかり払い忘れてしまった…という事もあるかもしれません。納期限を過ぎてしまうと車検が通らなくなったり、延滞金がかかったりする等の問題が起こります。自動車税を滞納した時にはどうすればいいのでしょうか?
もくじ
自動車税とは?
自動車税(種別割)は車の持ち主に対してかかる税金です。車の用途や総排気量によって税額が変わります。毎年5月上旬になると都道府県の税事務所から納税通知書が送られ、5月31日までに納めます。5月31日が土曜日や日曜日、祝日に当たる場合は、翌週の月曜日が納期限となります。なお、一部の都道府県は6月上旬に送付され、6月末までに納付します。
自動車税を払い忘れたらどうなる?
もし5月末までの納期限が過ぎてしまい、払い忘れてしまったらどうなるのでしょうか?最悪の場合、車を運転できなくなったり、差し押さえが入ったりすることもあるため、払い忘れに気付いたらできるだけ早く追納しましょう。
車検が受けられなくなる
決められた年数ごとに車検を受けなければ公道を走ることはできません。車検を受けるために必要な書類は以下の通りです。
・車検証
・自賠責保険証
・自動車税の納税証明書
自動車税を払い忘れてしまうと納税証明書も発行されないため、車検を受けることができません。もし車検が切れた車で公道を運転すると道路運送車両法違反となり、違反点数が6点加算され30日間の免許停止処分となります。さらに刑事処分として6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。
車の売却ができない
車を売却する時には自動車税の納税証明書が必要になります。未納のままで納税証明書が手元にないと車の所有者の名義変更手続きが行えないため売却ができなくなってしまいます。
延滞金が発生する
期限までに自動車税を支払わなかった場合、延滞金が発生します。納期限の翌日から1カ月以内に納付すれば利率2.4%、1カ月を経過した場合は8.7%の利率がかかります。延滞金は日割りで上乗せされ、1,000円を超えると支払い義務が生じます。延滞して1カ月以内の場合は1,000円を超えることはほとんどないので、払い忘れにすぐ気付いて納付すれば延滞金は払わないで済みます。
延滞金の加算率(2024年現在)
【1】期限の翌日から1カ月間 | 2.4% |
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【2】期限の翌日から2カ月目以降 | 8.7% |
なお、延滞金は以下のように計算できます。
延滞金=税額×納期限翌日から納付日までの日数×延滞金の利率÷365日
延滞金の例(総排気量2000ccの普通車の場合)
例として、普通車の自動車税を6カ月間(180日)滞納した場合の延滞金をシミュレーションしてみましょう。なお、2019年10月1日以降に新規登録した総排気量2000ccの車の自動車税は3万6,000円となります。
納期限の翌日から1カ月間【1】と2カ月目以降【2】で利率が変わるので、以下の通りとなります。
【1】36,000円×30日×2.4%÷365日=約71円
【2】36,000円×150日×8.7%÷365日=約1,287円
【1】+【2】=約1,358円(100円未満の端数は切り捨てとなるため延滞金は1,300円)
この場合、支払う金額は自動車税3万6,000円+延滞金1,300円を合わせて3万7,300円となります。
財産が差し押さえられる
自動車税を滞納するといきなり差し押さえが行われるわけではありません。納付期限を過ぎても支払いがない場合は20日以内に「督促状」が届きます。その後も未納期間が長くなると「催告書」や「差し押さえ通知書」が届き、それでも無視し続けてしまうと最終的には預貯金や不動産といった財産が差し押さえられる可能性があります。
滞納した時の対処方法は?
自動車税を払い忘れたことに気が付いたら速やかに納税するようにしましょう。納期限が過ぎていても、納付書の取扱期限内であればコンビニエンスストアや郵便局、金融機関の窓口等で納付できることがあります。納期限が過ぎた場合に利用できる支払い方法は自治体によっても異なるため、納付書を確認しましょう。
納付書をなくしてしまったら?
納付書を紛失したり、期限が切れてしまったりした場合は再発行してもらいましょう。普通自動車は都道府県税事務所、軽自動車は市区町村役所の税務課に連絡すれば再発行が可能です。また、納付期限を過ぎても未納の場合は督促状が送られてきます。新しい納付書も同封されているため、こちらを利用して支払うこともできます。
支払えない場合は税事務所や税務課に相談
災害で被害を受けた、病気で入院して多額の費用がかかってしまったなど、一括での支払いが難しい場合は都道府県税事務所や市区町村役所の税務課の窓口で相談しましょう。生活状況や経済状況によっては分割での支払いが認められることもあります。自治体によって条件や必要書類が異なってくるため、早めに相談することが大事になります。なお、分割で支払っている間も延滞金が発生することが一般的ですので注意しましょう。
まとめ
車の維持費として毎年必要になってくるものの一つに自動車税があります。毎年支払う時期が決まっているものなので、期限までに忘れずに支払いましょう。万が一滞納してしまってもすぐに延滞金がかかる訳ではありませんが、車検を受けられなかったり、財産が差し押さえられてしまったりする等の事態が起こりえます。もし払い忘れに気付いたらすぐに納税することが大事です。