車を購入してもすぐに納車されて運転できるわけではなく、購入者の手元に届くまでいくらかの期間が必要となります。納車までにどれくらいの期間が必要となるのかや購入から納車までの流れ、必要な書類・手続きについて紹介します。
もくじ
納車までの期間はどれくらい?
車を契約してから納車されるまでは在庫の有無や人気の度合い、その車を製造している工場の生産能力などによって異なります。新車の場合、在庫があれば契約から2~3週間ほどで納車されます。在庫がない場合は車両を製造する必要があるので、早くて1か月ほど、人気があって注文が集中している場合などでは2、3か月~半年、長い場合は1年単位で待つ場合もあります。
中古車を購入する場合では新車ほど納車までに期間は必要ありません。車両に大きな問題がなければ最短で1~2週間ほどで納車されます。ただし、修理が必要となった場合には3週間以上かかることもあります。
購入から納車までの流れ
ディーラーで車を契約してから納車されるまでの大まかな流れを紹介します。納車までの目安として参考にしてみてください。
- 契約
車を購入する契約を交わします。内容をよく確認の上、注文書に署名・捺印をします。 - ディーラーがメーカーに車を発注
在庫がない車の場合、ディーラーがメーカーに車の発注をします。 - 必要書類の提出
ディーラーに必要書類一式を提出します。どのような書類が必要となるのかは後述します。用意に時間がかかるものもありますので早めに用意をすすめるとよいでしょう。 - 車の登録・自動車保険の手続き
ディーラー側で車の登録の手続きを行います。登録が終わったら納車日の調整やディーラーで自動車保険の契約を行う場合はその手続きも行います。自動車保険の契約を自分で行う場合は車検証のコピーをもらって契約手続きを行います。自動車保険をディーラーで加入するメリット・デメリットは?
ディーラーで車を購入すると自動車保険の加入をすすめられることがあります。しかし、自動車保険はディーラー経由で加入する以外にもダイレクト型(ネット型)の自動車保険に自分で入る、専業の保険代理店で加入する ...
- 車両代金の支払い
ディーラーに車両の代金を支払います。タイミングはディーラーや支払手段などにより前後する場合があります。 - ディーラーに車両入庫・オプション取付・検品
ディーラーに車両が入庫された後、オプション取付や検品を行います。 - 納車
購入者のもとに納車されます。新車の場合、自宅まで運んでもらうのが一般的ですが、自分で取りに行くことを選択できる場合もあります。
納車までに必要となる書類は?
車を購入するには様々な書類が必要となります。契約を交わしてから納車までに提出が必要となる書類について紹介します。
実印・印鑑証明書(普通車の場合)
普通車の場合、車の登録や名義変更の手続きで実印が必要となります。印鑑証明書は登録された印鑑が本物であることを証明する書類です。すでに実印を登録している場合、印鑑証明書は役所やコンビニのマルチコピー機で発行できます(コンビニで発行するにはマイナンバーカードが必要です)。印鑑登録をしていない場合は役所で登録するところから始めないといけないので早めに用意をし始めましょう。
印鑑・住民票(軽自動車の場合)
軽自動車の場合、印鑑は実印である必要がなく認印でも大丈夫です。普段使用している印鑑を使えばよいでしょう。また、印鑑証明書も不要となりますが、住所を証明する書類として住民票が必要となります。
車庫証明書・保管場所届出
普通車の場合は車の登録に車の保管場所を示す車庫証明が必要となります。警察署で必要な書類を受け取り、車の情報や保管場所の情報などを記入後、警察署に提出します。車庫証明書の交付までには3~7日ほどかかりますので、納車までの期間を短くしたいのであれば早めに手続きを行いましょう。ディーラーに代行してもらうこともできますが、手数料として1万円ほどかかります。自分で手続きをすれば3,000円弱で済むので、手間を取るのかお金を取るのか考えて決めましょう。
軽自動車の場合は車庫証明書は必要ありませんが、警察署に保管場所届出の提出が必要となります。なお、地域によっては軽自動車でも車庫証明が必要な場合があります。また、保管場所届出が必要ない地域もあります。保管場所届出は車庫証明と違って即日で済み、かかる費用も標章代として500円前後です。
委任状
車の登録の手続きは自分でも行えますが、ディーラーに代行してもらうのが一般的です。その際に委任状が必要となります。用紙はディーラー側で用意していますので、それに必要事項を記入し、押印します。
自動車保険の手続きを忘れずに!
必要書類を用意して提出後は購入者側で行うことはあまりありません。しかし、忘れてはいけないこととして自動車保険の手続きがあります。新規契約する場合は契約の手続き、すでに契約している場合は車両入替の手続きが必要です。納車前に手続きを行うことで納車日当日から自動車保険の補償を受けることができます。
新規契約の場合
ディーラーで購入する場合、ディーラーが自動車保険の代理店となっていることも多いので保険に関する案内もしてくるでしょう。案内のままディーラー経由で契約してもよいですが、保険料の安いダイレクト型(ネット型)の自動車保険は扱っていないのでご注意ください。また、ディーラーは必ずしも保険に関する詳しい知識があるわけではないので、担当者次第ですが、質問に対して適切な回答ができない場合もあります。
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ディーラー経由ではなく自分で探して契約する場合は一括見積もりサービスを利用すると便利です。車の情報や運転者の情報、希望する補償内容などの情報を入力することで一度に複数社の見積もりを取ることができます。各社の見積もり結果を比較することで納得のいく自動車保険選びができるでしょう。
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車両入替の場合
すでに自動車保険の契約があって、その車を買い替えるという場合は車両入替の手続きが必要となります。車両入替を行うことで、自動車保険の契約車両を新たに取得した車に移行することができるのです。納車日が分かったら忘れずに車両入替の手続きを済ませましょう。車両入替の手続きは契約している保険会社や代理店に連絡すれば行うことができます。最近はWeb上の契約者マイページなどから変更の手続きを行える会社もあります。
仮に手続きを忘れていて車両入替が納車日後になってしまっても手続きを行うことはできます。ただし、細かくは保険会社によって異なりますが、猶予の目安としては新しい車を取得した翌日から30日以内です。これを過ぎてしまうと車両入替は行えず、新しい車を補償の対象とするには新規契約する必要があります。
車を買い替えたときには自動車保険の車両入替を忘れずに!
まとめ
新車を購入する場合、契約を交わしてから納車されるまでの期間は、在庫がある場合は2~3週間ほどで、在庫がない場合は早くて1か月ほど、人気があって注文が集中している場合などでは2、3か月~半年、長い場合は1年単位で時間がかかります。普通車の場合に必要となる車庫証明の取得には4日ほどかかるので、納車日を早くしたい場合は早めに手続きを行うようにしましょう。また、普通車では実印も必要なので印鑑登録を行っていない場合は先に行っておきましょう。
車を購入した後、納車日までに行うべきこととして自動車保険の手続きがあります。新規加入であっても車両入替であっても納車日前に手続きを行うことで納車日当日から補償を受けることができます。納車日当日に手続きを行うこともできますが、新規加入の場合は代理店型しか選択肢がなくなり、補償内容もしっかりと吟味できないので早めに検討して手続きをするとよいでしょう。
著者情報
堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。