中古車の購入には車両本体価格だけでなく、保険や税金、代行費用などの諸費用も必要となります。諸費用の内訳としてどのようなものがあり、どれくらいかかるのでしょうか。また、諸費用を安くすることはできるのでしょうか。
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もくじ
車両本体価格以外に諸費用がかかる
中古車を購入する際には、車両本体の価格以外にも様々な諸費用がかかります。諸費用は大きく分けて「法定費用」と「代行費用」とに分けることができますが、それらの合計で車両本体価格の10~20%ほどかかります。
法定費用と代行費用について、それぞれどのようなものがあるのか、どれくらいかかるのかについて紹介します。
法定費用にはどのようなものがある?
まずは税金や自賠責保険などの中古車購入の際に必ず必要となる法定費用について紹介します。法定費用には以下のものがかかります。
- 自動車税種別割(旧自動車税)
- 自動車税環境性能割(旧自動車取得税)
- 自動車重量税
- 自賠責保険料
- 消費税
- リサイクル料金
自動車税種別割
昔は単に自動車税という名前でしたが、2019年10月の自動車取得税廃止・自動車税環境性能割の導入とともに名前が変わりました。単に自動車税というときは基本的に種別割の方を指しています。
自動車税種別割は毎年4月1日時点の自動車所有者に課される税金で、車の総排気量によって税額が変わってきます。普通車を年度途中で購入した場合は登録した翌月から年度末までの金額を支払うことになります。例えば、12月に購入・登録した場合は1月~3月の3か月分を支払います。軽自動車の場合は中古車購入時に支払う必要はなく、翌年度分からの支払となります。
登録月別の自動車税種別割の月割額は以下の通りです。新規登録が2019年9月30日以前か2019年10月1日以降かで税額が変わります。
※クリック(タップ)で開きます。
※新規登録から一定の年数(ガソリン車13年、ディーゼル車11年)が経過した場合は概ね15%の重課となります。
自動車税環境性能割
自動車取得税が廃止され、代わりに導入された税金です。取得価額が50万円を超える自動車を取得したときに課税されます。税額は取得価額×税率で計算され、税率は車の燃費性能等によって変わります。
また、中古車の場合の取得価額は「課税標準基準額」に経過年数に応じた「残価率」をかけることによって算出します。課税標準基準額は一般に公表されていないですが、新車価格の90%が目安となります。残価率は、新車購入時が1.0で普通車の場合は1年で0.681、1.5年で0.561、2年で0.464、…と下がっていき、6年以上経過した場合は一律で0.1です。軽自動車の場合は1年で0.562、1.5年で0.422、2年で0.316、…と下がっていき、4年で0.1となります。
対象車 (自家用乗用車) | 登録車 | 軽自動車 | ||
---|---|---|---|---|
2021年3月まで | 2021年4月以降 | 2021年3月まで | 2021年4月以降 | |
電気自動車等 | 非課税 | 非課税 | 非課税 | 非課税 |
★★★★かつ2020年度燃費基準+20%達成車 | ||||
★★★★かつ2020年度燃費基準+10%達成車 | 1.0% | |||
★★★★かつ2020年度燃費基準達成車 | 1.0% | 2.0% | 1.0% | |
上記以外の車 | 2.0% | 3.0% | 1.0% | 2.0% |
※★★★★とは、平成30年排出ガス規制からNOx50%低減達成車または平成17年排出ガス規制からNOx75%低減達成車です。
※新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済対策により、2020年9月末までだった軽減措置が2021年3月末までに延長されています。
自動車重量税
車の重量に応じてかかる税金です。0.5トンごとに税額が定められています(軽自動車は重量にかかわらず一律)。自動車重量税は車検時に次の車検までの期間を前払いするので、車検期間が残っている中古車の場合は次の車検までは支払う必要はありません。
車両重量 | エコカー | エコカー(本則税率) | エコカー外 | ||
---|---|---|---|---|---|
右以外 | 13年経過 | 18年経過 | |||
軽自動車 | 免税 | 5,000円 | 6,600円 | 8,200円 | 8,800円 |
0.5t以下 | 5,000円 | 8,200円 | 11,400円 | 12,600円 | |
~1t | 10,000円 | 16,400円 | 22,800円 | 25,200円 | |
~1.5t | 15,000円 | 24,600円 | 34,200円 | 37,800円 | |
~2t | 20,000円 | 32,800円 | 45,600円 | 50,400円 | |
~2.5t | 25,000円 | 41,000円 | 57,000円 | 63,000円 | |
~3t | 30,000円 | 49,200円 | 68,400円 | 75,600円 |
※2019年5月1日からの税額
自賠責保険料
車の所有者に加入が義務付けられている保険です。新規登録時や車検時に次の車検までの期間分の保険料をまとめて支払います。車検の残りがある中古車を購入する場合は登録月から次の車検期間分までの未経過相当額を支払うのが一般的です。自賠責保険料は期間や車種、地域によって異なっています。参考までに、保険期間が24か月で離島及び沖縄を除く保険料は、自家用乗用自動車で17,650円、軽自動車で17,540円です(2023年4月~の料金)。
消費税
車を購入するのにも消費税がかかります。軽減税率の対象ではないので税率は10%です。車両本体価格だけでなくオプション料金などにも消費税はかかります。
リサイクル料金
廃車処分に必要な費用で、購入時に前払いすることが義務付けられています。リサイクル料金は車の最終所有者が支払うので、廃車ではなく売却するときには返金されます。リサイクル料金は車のグレードや車種などによって異なりますが、1万~2万円ほどだと想定しておくとよいでしょう。具体的な金額は各自動車メーカーの公式サイトや「自動車リサイクルシステム」から確認することができます。
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代行費用にはどのようなものがある?
続いて、代行費用について紹介します。車両登録や車庫証明などを代行してもらうのにかかる費用です。具体的には以下のような費用がかかります。
- 登録代行費用
- 車庫証明代行費用
- 納車費用
- 洗車費・クリーニング費
登録代行費用
名義変更や移転登録などの手続きを販売店に代行してもらう費用です。自分で行うことも可能ですが、手続きが面倒なため販売店に代行してもらうことが多いです。相場は3万円ほどですが、運輸支局までの距離が遠かったりナンバー変更があったりする場合には高くなることがあります。
車庫証明代行費用
その名の通り、車庫証明を販売店に代行してもらうための費用です。車を購入したら駐車できる保管場所があることを証明する必要がありますが、この取得を代行してもらいます。代行費用は1万~2万円程度かかるようです。自分で取得する場合はこの費用はかかりませんが、警察署の受付時間内に少なくとも申請と受領の2回訪問する必要があります。
納車費用
販売店から自宅まで車を送り届けてもらうための費用です。かかる費用は納車場所までの距離によって変わり、近隣なら5千~1万円、遠方なら1万~3万円ほどかかります。販売店によっては車両保管場所から店舗に車を運ぶ費用を含むこともあります。自分で車を取りに行けば無料になることもあるので確認してみるとよいでしょう。
洗車費・クリーニング費
納車前に行われる洗車やクリーニングにかかる費用です。どの程度の洗車・クリーニングを行うかによっても費用は変わりますが、数万円程度はみておくのがよいでしょう。
諸費用は安くできる?
諸費用はすべて合わせると車両本体価格の10~20%にもなり、できることなら安くしたいものです。諸費用のうち、法定費用は安くすることはできませんが、代行費用は自分で手続きを行ったり販売店と交渉したりすることで安くできる可能性があります。
例えば、多少の手間はかかりますが車庫証明を自分で行ったり、納車時に車を送ってもらうのではなく自分で車を取りに行ったりするのです。代行費用がどれだけかかるかは販売店によるので交渉の余地はあるでしょう。
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任意保険の加入も忘れずに!
購入時にかかる諸費用について説明してきましたが、車に乗る場合に忘れてはいけないものとして他に自動車保険(任意保険)があります。自賠責保険で補償されるのは対人賠償のみで限度額も十分とは言えないので、任意保険で万が一に備える必要があります。
納車日から補償を受けるためにも納車日前に加入の手続きを済ませましょう。保険料が発生するのは補償開始日以降なので安心です。加入に必要な車の情報は車検証に記載があります。販売店が名義変更などを終えたら車検証のコピーを送ってもらいましょう。
任意保険の保険料や年齢や等級、車種、補償内容などによって大きく異なるので一概には言えませんが、一般に、代理店型の自動車保険よりもネットなどで申し込むダイレクト型の自動車保険の方が安い傾向にあります。代理店手数料などの中間コストを削減できるためです。ネットでの契約に忌避感がない場合は検討してみるとよいでしょう。
また、当サイトの自動車保険一括見積もりサービスを使えば、複数社の保険料の見積もりを一度に取ることができます。中古車を購入したら、当サイトをぜひ思い出してください。
著者情報
堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。