車は大きな買い物ですから失敗のないように慎重に実物を見たり、試乗したりしたりとよく吟味したうえで購入したいですよね。欲しいと思っていた車でも乗り心地が悪いなど相性がいいかは乗ってみないとわかりません。新車はディーラーで当たり前のように試乗して購入する印象がありますが、中古車も新車同様に試乗してから購入することは可能なのでしょうか。中古車の試乗で確認しておくべきポイントや試乗できない場合はどうしたらよいのか中古車の購入予定がある人は知っておきましょう。
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中古車は試乗できない場合もある
中古車購入の失敗を予防するうえでは中古車であっても試乗を行った上で購入するのがよいでしょう。
しかし、中古車は試乗ができない場合もあります。試乗ができない場合の主な理由は3つです。下記理由は販売店に試乗の無理をお願いしても難しいケースです。
1-車検が切れている車
中古車販売店では車検が残っている中古車だけでなく、「車検なし」の中古車が売られていることもあります。「車検なし」で販売されている中古車は車検の有効期間が切れていたり一時抹消登録をしたりしていて車検が切れている状態の車です。車検が切れている車は公道を走ることができないため、購入前に公道を試乗することはできません。
2-任意保険(自動車保険)に未加入の車
実は、新車は購入前に販売店で試乗用の車が用意されており、試乗用の車には販売店で任意保険に加入していることが一般的です。それは、少しの間だけの試乗であれ、車を運転するとなると事故のリスクはぬぐい切れないために自動車保険で備えているためです。
しかし、中古車は一度別の人に所有され使用されていた車になるため車両ごとに状態も異なり新車のような試乗車というものは存在しません。中古車1台1台を公道を試乗可能な状態にしておくには販売店で各車に任意保険の加入が必要となってしまします。そのため、自賠責保険にしか加入していないことがほとんどです。中古車は、自賠責保険の補償期間が切れている場合もあり、無保険の状態で販売されている中古車は試乗することはできません。購入後に保険に加入してから試乗しテスト走行を行うことになるでしょう。
自分の自動車保険で補償は可能?
試乗をする運転者が現在乗っている自動車の自動車保険に「他車運転特約」の付帯があれば、試乗車が任意保険に加入していない場合の事故も補償を受けられる場合があります。任意保険に加入していない中古車の試乗を希望する場合は、自分の自動車保険の補償で試乗ができないか確認してみるとよいでしょう。3-テストコースがない
中古車販売店の敷地内に試乗ができるテストコースを準備している店舗があります。車検切れの車であっても私有地での運転になるため試乗しテスト走行をすることができます。任意保険に未加入であっても運転は可能です。しかし、そのような場所がなく車検切れの車で任意保険にも加入していないとなると公道を運転することができないため試乗ができない、と断られることがあります。
テストコースがある店舗では、任意保険に未加入であっても私有地であれば運転は可能ですが、事故リスクがなくなるわけではありません。駐車場など私有地での事故は以外と多いのが現状です。任意保険に加入していても私有地での事故が自動車保険の補償対象になるかはケースバイケースであるため車の試乗については販売員の指示に従い安全に行いましょう。
上記以外の理由で断られるケースも・・・
上記以外にも中古車販売店側の事情で試乗を断られるケースがあります。購入したい中古車が見つかったら試乗が可能か販売店側に確認し、可能であれば試乗してから購入しましょう。理由がはっきりとしない、あいまいな理由で試乗を断り購入をせかすような場合には注意が必要です。
中古車は、販売店で買い手が決まってから整備や点検を行い納車することが一般的です。展示してある状態の時には、試乗ができるような状態に整えてあるとは限らないことも多いようです。しかし、試乗を断る理由がはっきりしていなかったり、あいまいな理由で試乗を断られた車を購入してしまうと購入後に不備が見つかったり、販売店の対応が悪いなど後悔することになるかもしれません。
極端に価格帯が安くお買い得な車に思えてもそこには販売店の早く売りたい理由が隠れているかもしれません。試乗で不備が見つかるのを隠したいといったような悪質な店舗で購入してしまい後悔することのないように気をつけましょう。
【試乗を断る理由】
- 整備が整っていない
- 試乗が可能な場所まで移動させることが難しい
- 試乗で不備が見つかるのを隠したい
中古車の試乗で確認するポイント
購入予定の中古車の試乗が可能であれば、下記を確認しましょう。
乗り心地の確認
ドアの開け閉めが問題ないか確認しましょう。運転席のシートに座った時の乗り心地は問題ないか確認します。自分にあっているかハンドルと座席の距離を座席を自分に合う位置に動かして確認してみます。視界は良好か、足元のスペースは快適か、ハンドルを握ったときに違和感はないか確認しましょう。
エンジンのかかり具合(始動・異音)
エンジンのかかり具合を確認しましょう。エンジンをかけた時の始動はスムーズか、気になる異音はしないかチェックします。
マフラーから出る煙
エンジンをかけたら、マフラーから出ている煙に異常はないか確認します。
車の内装品や外装の状態
内装や外装のチェックポイントです。
- ヘッドライトの点灯、ウインカー、ワイパーの動作の確認
- パワーウインドウ、ミラーの動作確認
- エアコンの効き具合のチェック
- カーナビやオーディオの起動、動作を確認
- 内装の臭い、汚れ、傷などを確認
- 外装の凹みや傷などを確認
- タイヤやホイールの確認
- オイル漏れがないか確認
テスト走行、運転のしやすさをチェック
実際にテスト走行を行い、「運転しにくい」と感じた車は相性が悪いのかもしれません。運転のしやすさは重要です。販売店の担当者に相談し解決しない場合は購入をさけることも考えましょう。
- ブレーキやアクセルの調子を確認
- ステアリングの性能の確認など
試乗の流れ
購入予定の車が見つかったら、販売店に連絡し車の見学と試乗が可能か確認しましょう。試乗が可能であれば試乗の予約も一緒に依頼します。試乗するときのチェックポイントを忘れずにメモなど持参するとよいかもしれません。
【試乗に必要な書類】
- 運転免許証
- メガネなど安全運転に必要なアイテム
- 任意保険(自動車保険)の保険証券
店舗によっては、自分が加入している自動車保険の任意保険の保険証の持参を求められることがあります。試乗の予約をしたときに必要な書類について確認しましょう。
試乗できない場合はどうする?
試乗ができない車であっても購入予定の車を実際に販売店に見に行き、車の状態を確認することはできます。テスト走行をすることはできなくても内装や外装、エンジンの状態をチェックすることはできるため、確認させてもらうようにしましょう。
テスト走行以外は試乗時の確認を同じです。テスト走行ができなくても座席に座り心地を確認したり、ハンドルを握ったときの視界の状況や足元の広さなど運転するときの環境を確認することができます。
- エンジンのかかり具合
- マフラーから出る煙
- ヘッドライトの点灯、ウインカー、ワイパーの動作の確認
- パワーウインドウ、ミラーの動作確認
- エアコンの効き具合のチェック
- カーナビやオーディオの起動、動作を確認
- 内装の臭い、汚れ、傷などを確認
- 外装の凹みや傷などを確認
- タイヤやホイールの確認
- オイル漏れがないか
試乗には自動車保険の「他車運転特約」があると安心
一般的に中古車は自賠責保険にしか加入していないことが多く任意保険に加入していない中古車の公道での走行テストは断られます。しかし、販売店によっては、中古車の見学の際に持参する書類で自分が契約している自動車保険の任意保険(自動車保険)の保険証券を求められることがあります。それは、見学者自身が契約する自動車保険に他車運転特約の補償があれば試乗した車で起こした事故も見学者の車の自動車保険で補償を受けることができるからです。
「他車運転特約」(他車運転危険補償特約) とは、契約の車以外を借りて運転中に起こしてしまった自動車事故を自分の車の自動車保険を利用し、補償を受ける特約となります。友人の車を借りて運転していた時に起こした事故など、契約車両でない自動車を運転していた時に起こした事故に対して保険金を支払ってもらえるのです。補償内容は自分の所有する自動車保険の内容に準ずる事になります。
自分の自動車保険に他車運転特約があるような人が、任意保険の補償がないために公道でのテスト走行ができず試乗を断られるようなケースでは、自分の自動車保険の他車運転特約で試乗が可能だと販売店の店員に相談してみるもの良いかもしれません。他車運転特約があれば、自分の車以外を運転した時の事故にも備えられるため安心です。自分の自動車保険に補償があるか確認してみましょう。
まとめ
中古車は新車と異なり既に1度誰かに所有されていた車のため1点限りになります。そういった点を考えると購入前に試乗を行い乗り心地に納得した上で購入したいものですが、中古車ならではの事情から試乗を断られる場合も多いようです。試乗をせずに購入する場合でも実際にエンジンのかかり具合を確認したり、内装や外装の確認、座り心地などをチェックすることは可能です。できる限りのことを行い失敗のない中古車選びを心掛けましょう。