自動車保険のレンタカー特約、必要かどうか迷っている人は多くいるのではないでしょうか。実際に使う場面を経験しないとなかなか必要性を感じにくいですよね。使える場面、補償内容の特徴、メリット・デメリットを通して必要な人・不要な人を紹介します。
もくじ
レンタカー特約とは
レンタカー特約とは、契約車両が事故や故障により損害を被った結果、修理工場で修理が必要となり、その代わりの車としてレンタカーを借りる為の費用が補償される特約です。
また、事故や故障により走行不能になり事故現場から修理工場へレッカー搬送された場合、代わりの帰宅手段としても利用可能です。
1事故につき、レンタカー特約の日額に利用日数を乗じた金額が保険金として支払われます。
等級・保険料
レンタカー特約のみの利用は、ノーカウント事故であるため次年度の等級・保険料に影響はなく、事故有係数も発生しません。
ロードサービスのみ利用する場合もノーカウント事故なので、例えば、事故の損傷が軽微であったため車両保険は使用せずレッカー搬送とレンタカー特約だけ使用する場合などは、等級・保険料に影響なく利用することが可能です。
なお、主契約である車両保険・対物賠償責任保険・対人賠償責任保険など1つでも使用した場合は、次年度の等級は下がり、保険料は上がってしまいますので、事前によく確認しておきましょう。
どんなときに使える?
レッカー搬送されたとき
事故が発生し、工場までレッカー搬送が必要になったときに、事故現場にレンタカーを配車することができます。また、保険会社、ロードサービス、修理工場、レンタカー会社で連携され、希望の場所に届けてくれるので、自宅や修理工場へもお届けすることが可能です。
また、レッカー搬送が不要な場合でも、自力走行で工場に入庫した際に工場に配車されたレンタカーで帰宅することも可能です。
もらい事故
もらい事故(相手方が100%の過失割合)の被害に遭った際、相手が万が一無保険だった場合、今すぐ代わりのレンタカーが必要になった時には、自分の保険でレンタカーを手配することで効率的に解決します。
本来であれば相手側が修理から代車手配まですべきですが、自分の保険でも等級・保険料に影響することなくサービスを受けることができるので、万が一相手が無保険の場合でも安心です。
他には・・・
・当て逃げでしばらく相手が見つからないとき
・車同士の事故で過失割合について双方で揉めているとき
比較ポイント
レンタカー特約も商品によって名称、日額、補償期間、補償内容も様々なので、選ぶ際には比較・検討が大切です。主な比較ポイント3つを紹介します。
・補償される日数
・支払限度日額
・故障でも利用可能か
補償される日数
ほとんどの保険会社では、以下2パターンの補償期間となっています。
①事故の場合は30日間、故障の場合は15日間
②事故の場合は30日間、故障は対象外
最近の大手保険会社の商品では、一定の条件を満たした場合に90日間の補償内容もあります。
保険会社によっては、レンタカー特約が自動付帯であった場合にその補償を外す特約や、補償日数を短縮させる特約があります。
反対に、15日間の補償に30日間に補償を広げられる任意特約もありますので、より多くの保険会社を比較してみましょう。
日額はいくら?
設定できる日額は保険会社によって様々に設定されています。多くの保険会社が以下の2パターンとなっています。
①「5,000円/日 7,000円/日 10,000円/日」の3つの日額から設定するタイプ
②「5,000円~20,000円(もしくは15,000円)の範囲で1,000円単位で設定する」タイプ
比較的、ネット型の保険会社は①、大手の保険会社は②の傾向があります。
参考として、5,000円/日、7,000円/日、10,000円/日で借りられる車種を紹介します。
※レンタカー会社によって異なりますので、参考程度に留めておきましょう
日額5,000円
日額5,000円の場合、軽自動車やコンパクトカーサイズの車種が借りられます。
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トヨタ | ルーミー ヴィッツ パッソ タンク カローラ フィット アクア サクシード ヤリス プロボックス ポルテ |
日産 | モコ ルークス ノート デイズ マーチ ウイングロード キューブ |
ホンダ | NBOX N-WGN、N-ONE |
スズキ | ワゴンR ジムニー スペーシア エブリイ エブリイワゴン アウトラパン ハスラー |
ダイハツ | タント トール タフト ムーヴ ムーブキャンバス ミライース ハイゼットカーゴ |
マツダ | デミオ |
日額7,000円
日額7,000円と中間クラスになると、人気のプリウス(トヨタ)などセダンタイプや、ハイエース(トヨタ)などのバンタイプも該当してきます。
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トヨタ | カローラ(ハイブリッド) ハイエース シエンタ プリウス、ヴェゼル |
日産 | シルフィ リーフ キャラバン NV200 |
ホンダ | シャトル アコード インサイト シビック |
マツダ | アクセラ |
スバル | インプレッサ レガシーツーリングワゴン レヴォーグ |
フォルクスワーゲン | ゴルフ |
ベンツ | Aクラス Bクラス |
日額10,000円
日額10,000円もあれば、ランクの高い高級な車種を借りることが出来ます。
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トヨタ | ヴォクシー マークX ハイエース エクスファイア カムリ カムリハイブリット 86 ノア クラウン SAI |
日産 | セレナ スカイライン ティアナ エクストレイル フーガ |
ホンダ | ステップワゴン インスパイア |
LEXUS | GS IS HS |
マツダ | アデンザ |
BMW | 3シリーズ 5シリーズ |
フォルクスワーゲン | ポロ |
ベンツ | Cクラス Eクラス |
故障でも使える?
レンタカー特約が補償される範囲は、保険会社によって2パターンあります。
①事故・故障両方とも補償
②事故のみ補償 故障は対象外
大手保険会社は①、ネット型の保険会社は②の傾向があります。
故障も対象としている場合は、走行不能となりレッカー搬送されることが条件です。
事故の場合には、レッカー搬送が伴わなくてもレンタカー特約は利用できます。
保険会社によっては、車両保険が適用になった場合のみ利用できるなど限定されている内容もあります。いざ必要になった際にがっかりしないようにきちんと確認しておきましょう。
3つのメリット
費用面・利便性からしてもメリットが大きいのがレンタカー特約の特徴です。3つの注目すべきメリットを紹介します。
最適なレンタカーを借りられる。
車を修理している間、修理工場から工場所有の代車を無料で貸し出してくれるサービスがありますが、必ずしも希望する代車を借りられるとは限りません。
・小さい子供がいるから禁煙車がいい
・普段仕事で荷物を多く運ぶからバンタイプの車がいい
・キャンプに行く予定だったから四駆の車がいい
・訪問営業のためグレードの高い車種でないといけない
様々な事情や要望があると思います。また、繁忙期で代車が出払ってしまって工場に在庫がないこともあります。
そんな時にレンタカー特約を利用すれば、日額の範囲内で修理期間中でもある程度ご希望に沿ったレンタカーを利用することができます。
修理期間が伸びても安心
車が修理工場に入庫しても必ずしもすぐに着工できるとは限りません。例えばお盆期間中や年末年始のために修理工場がやっていなかったりと、修理の着工が先延ばしになる場合があります。
また、部品の取り寄せに時間がかかったり、外部に発注するなどをして思った以上に日数がかかることがあります。
そんな時、ご自身でレンタカーを借りた場合にはその分自己負担額が増えてしまいますが、レンタカー特約を利用すれば、レンタカーの借用期間が伸びても自己負担なく借りることが出来ます。
手間なくレンタカーを利用できる。
事故が発生してレッカー搬送と修理期間中のレンタカーが必要になった際には、事故現場、入庫先の修理工場、自宅などにレンタカーを手配してくれます。
ロードサービス、修理工場、レンタカー会社などと連携してレッカー搬送からレンタカー手配を一貫して手配してくれるので、慣れない中自分で手配するより手間と時間をかけずに済みます。
保険会社に要望を伝えれば、希望のレンタカーを探してくれます。また、保険会社と提携しているレンタカー会社から損保料金で利用できる為、同じ料金設定でもより良い車種を借りることができます。
デメリット
レンタカー特約の注意すべき点を2つ紹介します。
借りられる車は「わ・れナンバー」のみ
借りられる車は保険会社が指定したレンタカー会社もしくは、保険会社が事前に承認したレンタカー会社から借りたレンタカーに限ります。
いわゆる「わ」「れ」ナンバーのレンタカーのみであり、工場から無料で提供してくれた代車や、友人から借用した車などは補償の対象外であり、後から保険会社に請求しても保険金は支払われません。
保険料の負担
保険会社・保険商品によっていくつか日額設定がありますが、日額が高くなるほど保険料は上がります。
以下に、ある保険会社の車両保険にレンタカー特約を付帯した場合と、しなかった場合の保険料の差額を紹介します。付帯しなかった場合はかなり保険料を抑えることができます。
日額5,000円でも十分な車種を借りることができるので、保険料を抑えつつも付帯したい場合は日額の一番低い内容でも十分でしょう。
必要な人
補償内容、メリット・デメリットを整理してきましたが、どんな人にとって必要なのでしょうか。
車の使用頻度が高い人
通勤、子どもの送迎、営業周りなど毎日のように車を使用する人は、万が一車が修理の為に手元から急になくなってしまった場合、自分でレンタカー会社に連絡して希望のレンタカーを手配しなければいけません。
保険会社は幅広くレンタカー会社と提携している為、特約を利用すれば手間と時間をかけることなくレンタカーを利用することが出来ます。
車がないと生活に支障をきたす
交通の便が悪い地域に住んでいる人は、万が一車の修理が長期に及んだ場合、その分レンタカーの利用料もかさんでしまいます。レンタカー特約を利用すれば、最大30日間利用できるので安心です。
不要な人
車が手元からなくなったときに本当に困る人は付けることをおすすめしますが、なくても困らない・他の手段がある人は必要性はないでしょう。
車の使用頻度が低い。
そもそも車をそこまで使用しない人は、車がないのは修理期間中だけなので、そこまで困らないのではないでしょうか。工場から無料で貸してくれる代車もあるので、そもそも車の使用頻度が低い人は付けなくても良いかもしれません。
代わりの交通手段がある。
車を2台所有している人や、バスや電車などの公共の交通機関が充実して車がなくても困らない人は、レンタカー特約は不要でしょう。むしろ、付帯しないことで保険料を節約することができます。