車を購入する時や買い替える時に予算を考える場合は、多くの方が自分の年収を参考に決めています。年収に対して車の購入価格はいくらに設定すれば無理なく買えるのでしょうか?予算を超えてしまった場合はどうすればいいのでしょうか?車の購入時には車体価格や維持費も考えて車を選ぶことが重要です。
もくじ
車を購入する時の年収の目安は?
一般的に「年収の半分以下」を車の購入費用にすることが目安といわれています。年収400万円の場合は200万円程度、年収600万円の場合は300万円程度が車の購入予算となります。
一般的な軽自動車の新車価格が150~200万円程度ですが、ミニバン等の大型の車やSUVは500万円を超えることもあり、憧れの車に手が届かないということもあるかもしれません。年収の半分というのはあくまで目安であり、貯金の有無や家族構成、その他のローンを支払っているかどうかによっても変わります。
例えば、実家暮らしで貯金もある程度貯まっていて、車以外の大きな出費がない場合なら予算は年収の半分以上になる場合もありますし、現在住宅ローンを組んでいて新たに子どもが生まれて大きな車に買い替えたいといった時には年収の3割程度を予算とすることもありえるでしょう。
車を購入する際には年収だけでなく、貯金額や生活費などに合わせて予算を設定することが大事になります。
車購入時にかかる費用は?
車を購入する時には車本体の価格だけでなく、オプション装備や税金などの初期費用がかかります。その後も維持費として車検代やガソリン代などが必要不可欠となります。年間の維持費は10万円を超えることも少なくありません。購入する前にどのくらい費用がかかるのかを踏まえたうえで車を選びましょう。
初期費用
車を買う時の初期費用として大きく3つに分かれ、「車両本体価格」「法定費用」「諸費用」がかかります。このうち税金などの法定費用は車両価格の20%程度、車庫証明などの諸費用は5万円程度かかります。車の予算=車両本体価格のみで選ぶのではなく、税金や諸費用を含めた金額を設定して車を選びましょう。
<車両本体価格>
車本体の費用で、同じ車種でもエンジンの排気量やグレードなどによって本体価格が変わります。さらにカーナビやドライブレコーダー、ホイールなどのオプションパーツを付けるとさらに車両価格は高くなります。
<法定費用(車両価格の20%程度)>
- 消費税
- 自動車税(種別割)
- 自動車税(環境性能割)
- 自動車重量税
- 自賠責保険料
<諸費用(5万円程度)>
- 車庫証明費用(印紙代)
- 検査登録費用
- リサイクル預託金
- 車庫証明手続き代行費用
- 検査登録手続き代行費用
- 納車費用
- 希望ナンバー申請代行費用(希望者のみ)
維持費
車を購入した後も、ガソリン代や駐車場代などの日常的にかかる維持費や、年に1回支払う自動車税や2年おきの車検代や自動車重量税や自賠責保険料などまとめて支払うものもあります。納税や車検などの支払いが重なると大きな出費になりますので、車にかかる維持費について確認しておくことも重要です。
<維持費(年間30~50万円程度)>
- 燃料代
- 自動車税・軽自動車税(種別割)
- 自動車重量税
- 車検代
- 自動車保険料(自賠責・任意)
- メンテナンス代
- 駐車場代
車のローンを借りる場合
車は大きな買い物になるため、必ずしも現金一括払いで購入する訳ではありません。収入によっては車のローンを組んで分割払いにする人もいます。車のローンの種類は大きく2つに分けられます。年1~4%程度の低金利で借りられるものの審査が厳しい銀行ローンと、年4~8%程度の金利ですが車の購入と同時に手続きができるディーラーローンがあります。利用するローンによっても金利が変わってくるため、借りる前によく検討することが重要です。
また、ローンを借りる場合は無理なく毎月支払っていける金額にしなければならないため、月々の支出を見直したうえで返済期間や借入額を決めていきましょう。
一般的にマイカーローンでの借入上限金額は年収の30~40%といわれていますが、上限まで借りると返済の負担が重くなる可能性があります。無理のない返済をしていくためには「返済比率」も重要です。返済比率は年収の25~35%以下が目安で、マイカーローン以外のすべてのローンを含めた年間の返済総額がこの範囲に収まるようにしましょう。これには住宅ローンを組んでいる場合はもちろん、クレジットカードのリボ払い、スマートフォンの分割払い、奨学金の返済なども含まれます。家計を見直して他の借り入れがないか確認し、返済できるものは早めに返済しておきたいですね。
車のローンを組む時は車両保険に入ろう
もしローンが残っている車が事故で全損した、盗難に遭った場合でもローンの支払いは免除されず、払い続けなければなりません。もし車を売却する際は残りのローンを清算する必要があるのです。車両保険に入っていれば、保険金を残債の返済や買い替えの足しにすることができます。万が一の自動車事故や自動車盗難に備えて、車両保険を付けた自動車任意保険に加入しておいた方がよいでしょう。
しかし、任意保険に車両保険を付けると一般的に保険料が高くなることが多いです。同じ車両保険をつけていても、保険会社によって保険料が高い会社・安い会社と差が出てくることがあるため、様々な会社の自動車保険を比べることが保険料をお得にするコツです。インズウェブでは各保険会社の自動車保険を一括で見積もりできますので、ぜひ利用してみませんか。
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年収別の車種の選び方
車を購入する時の予算は貯金の有無や生活スタイル等によって変わります。ここでは、目安として年収に対しての選び方やおすすめの車種について紹介します。
年収300万未満
<おすすめの車種>
中古の軽自動車やコンパクトカー
車の購入予算は年収の半分以下が目安ですが、年収300万円未満の場合は必ずしもそうではありません。特に一人暮らしの人は、車を購入した後の維持費や生活費のことを考えると、年収の半分を丸々車の費用に使うことはあまりおすすめできません。クルマの原材料や輸送費の上昇に伴い軽自動車も値上がりし、新車でも100万円を超えることがほとんどです。車両価格を抑えて中古車から選んでいきましょう。
年収300万以上
<おすすめの車種>
新車の軽自動車(スズキ ワゴンR、ダイハツ タントなど)
中古の軽自動車やコンパクトカー
年収300万以上あれば新車の軽自動車も購入できます。軽自動車は燃費も良く、車検の費用や自動車税などの税金も普通車よりも安くなっているため維持費も抑えられるのが嬉しいポイントです。引き続き中古車も選択肢に入ってきますが、安くしたいからといって年式が古い車を選ぶとバックモニターや運転補助システムが付いていないこともあるので注意しましょう。
年収400万以上
<おすすめの車種>
新車の軽自動車(ホンダ N-BOXなど)
新車のコンパクトカー(トヨタ ヤリス、ホンダ フィットなど)
初期費用等も含めると200万円程度の価格の車が視野に入ってきます。新車であれば軽自動車やコンパクトカーの人気車種も購入できるでしょう。同じ車種でもグレードやオプションによって支払い総額が100万円以上変わることもあります。必要な装備のみ付け、車両価格が高くなりすぎないようにしましょう。同じ価格でも中古車だと高いグレードの車を選ぶことができます。
年収500万以上
<おすすめの車種>
新車のセダン(トヨタ カローラなど)
新車のSUV(トヨタ ライズ、スズキ クロスビーなど)
家族構成や生活スタイルによっては車以外にも教育費や住宅ローンなどのお金がかかることがあります。余裕を持たせた予算にすることで無理なく返済できるようになり、急な出費があった時にも対応できるようになります。
中古車なら人気車種のSUVやミニバン等も選ぶことができます。子どもがいる場合は大人数が乗れるミニバンにするなど、家族構成に合わせて選ぶことも考えましょう。
年収600万以上
<おすすめの車種>
新車のSUV(ホンダ ヴェゼルなど)
新車のミニバン(ホンダ フリード、日産 セレナなど)
年収600万円を超えると新車のミニバンにも手が届き、中古車を含めると車選びの選択肢が広がります。
共働きの場合は、今の収入を維持できなかった時のことも考えて車を選びましょう。転職して給料が下がることもあれば、子どもが生まれて退職、パートになるなど収入が下がることもあります。維持費がかかる車を選んだり、車のローンが家計を圧迫してしまったりすると、車を手放さざるを得ない状況になってしまうかもしれません。
予算を超えてしまう場合は?
どうしても欲しい車があるものの予算をオーバーしてしまうこともありますよね。
そんな時には貯金をして車購入用の資金を準備し、一括払いで購入を検討してはいかがでしょうか。カーローンでは月々の利息を支払っていかなければなりませんが、一括購入では利息が発生しないためローンを利用するより全体的な金額を抑えることができます。
一括購入できるほどの金額を用意できなくても、ローンの頭金を多めに納入することでその分だけ借入額が減ります。ひいては返済負担率も下がるため月々の支払が楽になることにもつながります。
車の維持費は車種によって変わる!
車を購入した後は必ず維持費がかかります。乗りたい車の候補が決まったら、維持費についても抑えておきましょう。車種によってもかかる税金や任意保険料に差が出てきます。軽自動車は車体価格や維持費が安いイメージがありますが、コンパクトカーやSUV・ミニバンに比べてどのくらい違ってくるのでしょうか?
ここでは、軽自動車としてN-BOX(総排気量658cc、車重0.9t)、小型車はコンパクトカーのフィット(総排気量1500cc、車重1.1t)、普通車はミニバンのセレナ(総排気量1997cc、車重1.8t)を想定した場合の年間維持費の目安は以下のようになります。
車体が小さいほど維持費は安くなり、軽自動車は普通車より年間で約13万円も維持費を抑えられます。車種によって毎月1万円も維持費が変わってくるのです。
項目 | 軽自動車 (N-BOX) | 小型車 (フィット) | 普通車 (セレナ) |
---|---|---|---|
自動車税・軽自動車税(種別割) | 1万800円 | 3万500円 | 3万6,000円 |
自動車重量税 | 3,300円 | 1万2,300円 | 1万6,400円 |
自賠責保険料 | 1万1,140円 | 1万1,500円 | 1万1,500円 |
任意保険料 | 5万円 | 5万5,000円 | 7万2,000円 |
車検代 | 3万円 | 5万円 | 5万円 |
メンテナンス代 | 3万円 | 3万円 | 3万円 |
燃料代(ガソリン) | 8万1,600円 | 10万2,000円 | 約13万6,000円 |
駐車場代 | 12万円 | 12万円 | 12万円 |
合計 | 33万6,840円 | 41万2,300円 | 47万2,900円 |
※自動車税・軽自動車税(種別割)は、2019年10月1日以降に新規登録した車を想定。
※自動車重量税、自賠責保険料は、1年分を想定(税制優遇措置は考慮していない)。
※任意保険料は損害保険料率算出機構「2023年度(2022年度統計)自動車保険の概況」の「自家用乗用車 普通」「自家用乗用車 小型」「軽四輪自動車・乗用車」の契約保険料を契約台数で割ったもの。
※燃料代(ガソリン代)は170円/Lで、軽自動車25km/L、小型車20km/L、普通車15km/Lの燃費性能、月間1,000km走行を想定。
※駐車場代は月額1万円を想定。
維持費を節約する
車を購入した後も必ずかかるのが維持費です。維持費が払えなくなって車を売却する事態になっては元も子もありません。車種によっては年間50万円近く維持費がかかります。維持費を節約するには安いガソリンスタンドで給油する、車検費用が安い業者を探すなど工夫が必要です。また、駐車場代は場所によっては月数万円を超えることもあり、近隣で安い月極駐車場を探してみてはいかがでしょうか。
他にも維持費を抑える方法としては自動車保険の見直しがあります。任意保険は車を購入したときにディーラーなどで加入して、そのまま契約更新を続けるケースも珍しくありません。特に普通車は軽自動車よりも任意保険料が高くなる傾向にあるので、毎年の保険料が安くなれば維持費も大きく節約 できます。
新車を購入した時や買い替えた時には新車割引が適用されることもあります。また、運転する人や年齢条件が変わると割引率が変わるため、車を購入する時は自動車保険を見直すチャンスです。生命保険や火災保険に既に加入している場合は、個人賠償責任特約、弁護士費用特約などの特約が重複しているかもしれません。不要な補償や特約に加入していないかなどを見直すことで保険料を節約していきましょう。