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自動車保険の等級は新規で契約すればリセットできる?

投稿日:2020年8月13日 更新日:

自動車保険を新規で契約した場合、6等級からスタートします。短期間で事故を起こしてしまったなどの理由で等級が6等級以下になってしまった場合、一旦自動車保険を解約してリセットし、新規で契約しなおせば等級を6等級からスタートするという方法は可能なのでしょうか。自動車保険の等級をリセットする場合について解説します。

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デメリット等級のリセットはできない

自動車保険で保険料を決める要素の一つとなる等級(ノンフリート等級)は、事故で保険を利用した人と無事故の人との保険料に違いを設ける事で保険料負担の公平性を保っている制度です。そのため、等級が下がる事故を起こしてしまえば翌年度の保険料の割引率は少なくなり、等級が4等級以下であれば保険料は割増となります。

通常、6等級からスタートしますが、等級が十分に進んでいないうちに事故を起こしてしまった場合や等級が進んだ後でも短期間に複数回事故を起こした場合などで等級が5等級以下になってしまうことがあります。デメリット等級と言われる1~5等級の人は、新規契約する場合の6等級よりも保険料が高くなります。

どうにかしてリセットして新規契約したいと考える人が多くいますが、自動車保険では、前契約の満期日・解約日から13か月間は等級・事故有係数適用期間が記録されているため、その間はデメリット等級をリセットすることはできません。5等級以下になってしまったからといって、新規で契約して6等級からスタートしなおすということはできないようになっています。

事故有係数適用期間とは

事故有係数適用期間とは、ノンフリート等級の割引率を計算する際に使用する「事故有係数」を「適用する期間」のことを言います。この適用する期間については、等級ダウン事故で何等級下がったかがそのまま積算され、最長6年になります。一方で毎年1年ずつ期間は減算されていきます。

例えば、ある年に3等級ダウン事故を1回、その翌年に1等級ダウン事故を1回起こし、その後は無事故だった場合、事故あり係数適用期間は0年(事故年)→3年(3等級ダウン事故の翌年度)→3年(1等級ダウン事故の翌年度)→2年→1年→0年と推移します。

事故有係数適用期間とは?例をもとにわかりやすく解説
事故有係数適用期間とは、事故を起こして自動車保険を使い保険金を受け取った場合、「事故有」の割引率が適用される期間のことです。事故有係数適用期間は、事故の内容や回数に応じて適用され、その期間内は無事故の ...

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名義変更をすれば6等級からスタートできる?

配偶者やその他親族の名義で契約して6等級から開始できないか考える人もいますが、その方法は有効ではありません。自動車保険の等級は、記名被保険者(契約の車を主に運転する人)に紐づいており、記名被保険者が配偶者や同居親族に変わる場合は等級を引き継ぎます。1度解約しても13カ月以内は同様にデメリット等級を引き継ぐことになります。

その他、車両入替を行っても等級は記名被保険者に紐づいているためデメリット等級は引き継がれます。また、増車してセカンドカーの自動車保険契約を行った場合を考えてみましょう。自動車保険は1台1契約で1台目と2台目の等級は関係がないため、2台目の車は6等級で契約できます。しかしそれは2台分の保険料を支払うことになります。後で5等級以下の車を手放し自動車保険を解約するのもタイミングによっては不正と判断され、等級の訂正を求められます。

自動車保険の等級は、不正ができないようになっているので安全運転を心がけ等級を積み重ねていくしかありません。

自動車共済に乗り換えて6等級からスタートできる?

自動車保険、自動車共済ともに等級制度は存在します。そして、自動車保険と自動車共済間でも等級は引き継がれます。5等級以下のデメリット等級においても等級は引き継がれるため自動車共済に変更したからといって6等級からスタートできるということはありません。

過去13カ月以内の自動車保険契約の告知事項

自動車保険に契約する時には、自動車保険を契約する時に保険会社が告知を求める告知事項には正確に告知する告知義務があります。その告知事項では、過去13か月以内に契約締結していた自動車保険(共済)契約について正確に伝えなければいけません。保険会社(共済)は、適切な等級継承確認のため、前年度の契約の有無、保険事故の情報の有無などの情報を共有しています。告知内容を基に申告内容に間違いがないか確認しているので虚偽がないように正確に伝えることが必要です。

デメリット等級になってしまった人が6等級に戻るためには、無事故を継続し等級を1等級ずつ積み重ねていくか、自動車保険を解約し、自動車の運転を中止して、等級がリセットされる13か月経過間後に新たに自動車保険の契約をし、自動車の運転を再開するという方法を行うしかありません。自動車保険の等級制度は保険料負担の公平性を保つ制度のため、不平等にならないように自動車保険会社同士で協力しあい運営されています。

自動車保険乗り換えの時の前契約告知事項

  • 会社名
  • 証券番号
  • ノンフリート等級
  • 事故有係数適用期間
  • 事故件数

1等級になると契約を断られることも

事故を重ねて1等級になってしまった場合、契約している保険会社から更新を断られることもあります。もし断られてしまった場合、無保険で車に乗るわけにもいかないので、13ヵ月間運転をあきらめるか、契約できる保険会社を探すことになります。しかし、どこの保険会社も1等級の契約は引受したがりません。運転を続ける必要がある場合、制限をかけるなどして何とか契約できないか探し回ることになるでしょう。

こうした事態を避けるために、安全運転に努めること、軽微な傷で安易に保険を使わないことが大切です。特に等級が低いうちは1、2回の事故でデメリット等級に突入してしまうので、保険を使うかどうかの判断は慎重に行うようにしましょう。

まとめ

自動車保険の等級制度は、等級が高くなるほど割引率がアップし保険料が安くなります。通常、新規で契約した場合の自動車保険は6等級からスタートし、無事故を継続することで毎年1等級ずつ積み重ねて等級をあげていきますが、短期で事故を起こしてしまった場合などは、デメリット等級と言われる5等級以下になってしまう人もいます。

自動車保険は公平性を保つために等級や事故有係数適用期間が設けられているため等級のリセットにもルールが定められています。5等級以下のデメリット等級になってしまったからといって新規で6等級から契約しなおしたり、家族からの等級の引き継ぎは受けられません。

安全運転に気を付け、特に低い等級のときには軽微な損害で安易に保険を使わないようにしましょう。

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