自動車保険を契約する場合、車両所有者と契約者が同一であることが一般的です。親が所有する車で契約者を自分として自動車保険を契約するなど、所有者と契約者が異なる場合に自動車保険の契約をすることはできるのでしょうか。

他人名義の車で自動車保険に加入できる？

自分の車に対して自動車保険を契約するのが一般的ですが、自分名義でない車でも自動車保険に加入することができる場合があります。それは、車両所有者が契約者の配偶者または同居親族の場合です。そのほかの場合はダイレクト型を中心として車両所有者の名義を変更しなければ自動車保険を契約できないことが多いです。

車両所有者が配偶者または同居親族の場合

多くの保険会社では、車両所有者が保険契約者の配偶者または同居親族の場合でも自動車保険に加入できるのが一般的です。親族の範囲は6親等以内の血族および3親等以内の姻族（配偶者の血族）です。

親と同居している場合、親が所有している車で自分を契約者として自動車保険に加入できますが、親と別居している場合では親の車で自動車保険に加入できないこともあります。その場合は所有者を変更する必要があります。

車両所有者が友人・知人などの場合

車両所有者が友人や知人などの配偶者や同居親族以外の場合、そのままでは自分を契約者とした自動車保険に加入できないことが多いです。車両所有者を自分などに変更した後に自動車保険を契約することとなります。

車両所有者がディーラーやローン会社の場合

ローンを組んで自動車を購入した場合、車両所有者がディーラーやローン会社となっていることが一般的です。この場合、自動車保険では車検証の使用者を車両所有者とみなすことが一般的です。自分でローンを組んで購入した車の場合は特に問題なく自動車保険を契約できます。友人等の車の場合、ローンが残っている状態では所有者の変更ができません。ローンを完済した後に車両の名義変更を行い、自動車保険に加入することとなります。

一時的に他人の車を借りる場合の自動車保険

他人の車をずっと使うのではなく、一時的に借りて運転するということもあるでしょう。例えば、お盆等で帰省した時に親の車を借りて運転する、友人たちと長距離ドライブに行って途中で運転を交代する、というような場合です。この場合の自動車保険はどのようにすればよいのか紹介します。

自分の自動車保険に他車運転特約を付ける

他車運転特約（他車運転危険補償特約）とは、他人の車を一時的に借りて運転しているときに起こした事故について、車の所有者ではなく自分の自動車保険を使って保険金を支払う特約です。他人には別居の親や別居の兄弟姉妹も含みますが、別居の未婚の子は含まれません。

注意点として、補償の範囲が自分の契約している自動車保険と同じ範囲になります。例えば、自分の自動車保険の契約でエコノミー型の車両保険をつけている場合は他車運転特約で補償されるのもエコノミー型での範囲です。自損事故などを起こした場合は補償を受けられません。

一日自動車保険に加入する

近年増えているのが一日自動車保険の活用です。一日単位で加入することができ、コンビニやスマートフォンから手軽に加入することができます。自動車保険を使えば等級が下がって翌年の保険料が高くなってしまいますが、一日自動車保険であれば等級への影響はありません。手軽な一日自動車保険ですが、一年の間に何度も繰り返し利用するのであれば車の持ち主の自動車保険で運転者限定を解除する方が費用負担が少なくなる場合もあるということにはご注意ください。

車の持ち主の自動車保険を使う

車の持ち主がかけている自動車保険でも対応することができます。このとき、運転者限定や運転者年齢条件で補償範囲を狭くしている場合は運転者が補償されるように条件を緩める必要があります。条件を緩くしている間は保険料が高くなり、仮に自動車保険を利用した場合は等級が下がって翌年以降の保険料が高くなってしまうので、事前にそのあたりの費用負担について確認しておく必要があります。

まとめ

親の車など他人名義の車で自動車保険に加入できるかは契約者と車両所有者の関係によります。車両保有車が契約者の配偶者または同居親族である場合には契約者と車両保有車の名義が異なっても自動車保険に加入することができるのが一般的です。車両所有者が配偶者や同居親族以外の場合はダイレクト型を中心として自分を契約者とした自動車保険に加入することができません。その場合は車両所有者の名義を変更する必要があります。

また、一時的に車を借りるだけという場合は、自分の自動車保険の他車運転特約を利用する、一日自動車保険を利用する、車両所有者の自動車保険を利用するといった方法があります。いずれかの方法をとって無保険状態で運転しないようには気を付けましょう。