自分の車の修理費用等を補償してくれる車両保険、万が一のことを考えて入っておきたいという人も多くいるのではないでしょうか。しかし、自動車保険を契約する際に車両保険をつけられないことがあります。どのような場合に車両保険をつけられないのでしょうか。その代表的な事例について紹介します。
もくじ
車両保険をつけられないのはどんなとき?
どのような場合に車両保険をつけることができないのか、その代表的なケースを紹介します。
なお、実際に車両保険をつけられるか否かは以下の事項以外のことも総合的に判断して決められます。以下の事項に該当しても車両保険をつけられることもあれば該当しなくても車両保険をつけられないこともあります。あくまでも代表例であり、実際につけられるか否かは各保険会社にご確認ください。
初度登録年月から一定年数経過している場合
初度登録年月から一定年数を経過している車の場合、車両保険をつけることを断られることがあります。どれくらいの年数かは保険会社によって判断が分かれますが、15年~20年経過しているとかなり厳しいでしょう。
なぜ車両保険をつけることが難しくなるかというと、車両保険金額(車両保険から支払われる保険金の上限)は車の時価額を目安に決定されるからです。古い車は時価額を付けることができず、また、時価額があまりに低いと車両保険では修理代を補償しきれなくなるため、車両保険をつけることを断られてしまいます。
車両料率クラスが17の場合
車両料率クラスが17の場合、特にダイレクト型を中心として車両保険をつけられないことがあります。
自動車保険では「対人賠償」「対物賠償」「人身傷害」「車両保険」の4項目について、車の型式ごとに事故実績に基づき1~17の17クラスに分類しています。数字が大きいほど保険金支払いのリスクが高いことを表し、保険料率も高くなっています。そして、車両保険の料率クラスが最大の17の車については契約を引き受けることのリスクが大きいために車両保険をつけられないケースが多くあります。
自分が所有する車の料率クラスを知りたい場合は損害保険料率機構のサイト上で検索することができますので参考にするとよいでしょう。
なお、車両料率クラスが17となっているのは高級外車やスポーツカーなどが多いです。修理代も大きいため車両保険をつけたいという場合は購入したディーラーなどに相談してみるとよいでしょう。
車両保険金額が1000万円を超える場合
市場販売価格が1000万円を超えるような高級車は車両料率クラスが最大の17でなくても車両保険をつけられないことがあります。こうした高級車は事故時などの修理費用も高額となってしまいます。そうすると車両保険からの保険金も高額となり、保険会社としては痛手となります。車両保険をつけたいという場合は車両料率クラスが高い場合と同じように購入したディーラーなどに相談してみるのがよいでしょう。
何度も保険金を請求した場合
車両自体に問題はなくても前年度に車両保険を3回以上請求すると車両保険の契約を断られる場合があります。また、車両保険だけでなく自動車保険自体の契約も断られてしまうことも考えられます。自動車保険に入っているからといって適当な運転をするのではなく、安全運転を心がけることが大切です。
古い車の場合はそもそも車両保険が必要かも考えよう
初度登録年月が一定以上昔の車に車両保険をつけたいという場合、車両保険をつけられる保険会社を探し回る前に、そもそも車両保険が必要なのかもう一度考えてみましょう。
車両保険で受け取れる保険金は市場流通価格相当額が上限となります。古くても一定の価格を維持している車もありますが、市場流通価格が低い場合は修理代金がその価格を上回ってしまうことが多くあります。そうなってしまうと、車両保険だけでは修理費用を賄うことができません。それでもなお車両保険に入るべきか今一度考え直してみましょう。
車両保険は必要?判断基準とつけない場合のデメリット
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まとめ
初度登録年月から年数が経っている場合や車両料率クラスが最大の場合、車両保険をつけられないことがあります。特に車が古い場合などは本当に車両保険が必要なのか考え、必要だという場合は車両保険をつけられないのかいくつかの保険会社に個別に相談してみましょう。
著者情報
堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。