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車両保険は必要?判断基準とつけない場合のデメリット

投稿日:2018年11月26日 更新日:

自動車保険の補償内容を検討する際に悩むポイントの一つが、車両保険をつけるか否かということです。車両保険をつけておけば自分の車の修理費用を賄うことができますが、保険料が高くなってしまいます。車両保険が必要なのか、それともつけなくてもよいのか判断できるよう、そもそも車両保険とは何かというところから説明していきます。

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車両保険の加入率はどのくらい?

実際どれだけの人が車両保険に加入しているのでしょうか。損害保険料率算出機構「2023年度自動車保険の概況」によると、2023年3月末時点の保有車両数に対する任意保険の車両保険普及率は46.6%です。ただし、共済の数字は含まれていないので、実際の普及率はもう少し上がります。また、これは営業用の車なども含んだ数字です。用途車種を限定した場合、自家用普通乗用車では63.0%、自家用小型乗用車では52.5%、軽四輪乗用車では49.0%となっています。

車両保険の普及率
自動車種別普及率
自家用普通乗用車63.0%
自家用小型乗用車52.5%
軽四輪乗用車49.0%
全車種合計46.6%

自動車共済に加入している人や自動車保険に加入していない人の影響をなくすために、分母を自動車保険の対人賠償の付保台数(2023年3月末時点)とした場合は以下の通りになります。

車両保険の付帯率
自動車種別付帯率
自家用普通乗用車76.3%
自家用小型乗用車66.9%
軽四輪乗用車62.8%
全車種合計62.0%

保有車両数に対してだと5割弱、対人賠償付保台数に対してだと6割強の人が車両保険に加入しているようです。では、車両保険はどのような補償を受ける保険なのでしょうか。

車両保険とは?どんな補償をうけられる?

車両保険とは、自分の車の修理費等を補償してくれる保険です。車同士の事故で契約車両が壊れた場合の修理費の他、盗難やいたずら・落書きの被害に遭った、飛び石でガラスにひびが入った、洪水で車が水没してしまったという時にも利用することができます。車の修理費用や再購入費用を用意するのは厳しいという場合に役に立ちます。

車両保険を付けるとどのくらい高くなる?

車両保険をつけると保険料が大きく上がることもあり、車両保険をつける場合とつけない場合で保険料の違いに驚く人は多いです。

どのくらい高くなるかの例として、当サイト「保険の窓口インズウェブ」の自動車保険一括見積もりサービスで見積もりを取得された方の保険料を調査した結果の平均を紹介します。保険料は等級や年齢条件、運転者限定、車種、使用目的などによって変わるためあくまで参考データとして保険料の違いを確認ください。

記名被保険者の始期日年齢車両保険なし車両保険(一般)
18歳~20歳178,608円/年360,309円/年
21歳~25歳79,838円/年150,998円/年
26歳~29歳46,418円/年83,063円/年
30代32,763円/年59,637円/年
40代29,868円/年56,357円/年
50代28,543円/年55,276円/年
60代27,538円/年52,426円/年
70歳以上33,709円/年60,975円/年
記名被保険者の始期日年齢車両保険なし車両保険(一般)
18歳~20歳165,803円/年303,306円/年
21歳~25歳74,677円/年121,860円/年
26歳~29歳42,367円/年65,686円/年
30代30,814円/年48,287円/年
40代29,990円/年49,125円/年
50代28,860円/年47,253円/年
60代27,345円/年43,260円/年
70歳以上32,570円/年51,217円/年
記名被保険者の始期日年齢車両保険なし車両保険(一般)
18歳~20歳200,691円/年429,096円/年
21歳~25歳86,430円/年175,704円/年
26歳~29歳50,409円/年95,361円/年
30代34,671円/年67,493円/年
40代29,993円/年62,204円/年
50代28,626円/年62,291円/年
60代28,082円/年60,200円/年
70歳以上35,176円/年72,040円/年
記名被保険者の始期日年齢車両保険なし車両保険(一般)
18歳~20歳179,519円/年331,284円/年
21歳~25歳80,195円/年141,324円/年
26歳~29歳46,317円/年74,471円/年
30代31,551円/年53,226円/年
40代28,271円/年49,807円/年
50代27,043円/年49,583円/年
60代26,610円/年47,115円/年
70歳以上33,202円/年55,263円/年

車両保険の2つのタイプ

車両保険には「一般型」と「エコノミー型」の2つのタイプが用意されていることが多いです。「エコノミー型」は「一般型」よりも補償範囲が狭い代わりに保険料が安くなるのが特徴です。具体的には、「エコノミー型」はガードレールにこすってしまったというような単独事故の場合や自転車との衝突で傷がついたといった場合には基本的に補償されません。

一般エコノミー
車やバイクとの事故
(相手が判明している場合)
自転車との衝突・接触×
電柱・建物などとの衝突や接触
(単独事故)
×
あて逃げ
転覆・墜落×
火災・爆発・台風・洪水・高潮など
盗難・いたずら・落書き
窓ガラスの損害・飛び石による損害
地震(津波や地震起因の火災含む)・噴火××

※あて逃げについて、保険会社によってエコノミー型でも補償対象となる場合とならない場合とに分かれています。

「一般型」、「エコノミー型」という名称は保険会社によって異なります。また、詳細な補償内容についても保険会社によって異なる場合があります。詳しくは保険会社または代理店にお確かめください。

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車両保険を使うと等級はどうなる?

車両保険を使った場合、事故の内容によって等級が3等級あるいは1等級ダウンします。対車との事故や単独事故では基本的に3等級ダウン、盗難やイタズラ、自然災害、飛び石などでは1等級ダウンとなります。

車両事故事例

等級が下がると保険料が上がってしまいます。そのため、車の修理費用が数万円の場合などでは、翌年からの保険料の値上がりを考えると車両保険を使わない方が得ということも起こりえます。車両保険を使うか使わないのか判断に迷うという場合には、保険会社に車両保険を使った場合の保険料の値上がりについてシミュレーションを出してもらうとよいでしょう。

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車両保険は必要?

事故相手からの賠償金で支払われるから不要では?

事故相手が自動車保険に加入している場合、相手の対物賠償から保険金の支払を受けることができます。しかし、それだけでは車両保険が不要であるということはできません。自分にも過失がある場合や自然災害について考える必要があります。

自分の過失分は自己負担

自分にも過失がある場合、過失相殺によって自分の過失割合分までは相手側から支払われません。もちろん0:10で自分が被害者である事故もありますが、自分に過失がある事故は絶対に起こさないと言い切れる人はいないのではないでしょうか。

車両保険に加入していなければ、例えば過失割合が3:7で自分に3割の過失がある場合、相手からの対物賠償の支払いは車の修理費用の7割しか支払われません。自分の過失分(3割)の車の修理費用は自己負担しなければいけないということです。一方で、車両保険があれば自分の過失分は車両保険で補償してもらうことができます。

自損事故や相手が分からない事故もある

そもそも事故相手が存在しないというケースや事故相手がわからないケースも考えられます。自損事故を起こしてしまった場合や当て逃げされて相手がわからない場合、盗難にあって見つからない場合などが当てはまります。こうした場合、相手から賠償金を受け取るということができません。車両保険に加入していなかった場合には、自己負担で修理・再購入しなければいけないということになります。

※自損事故については、「エコノミー型」での契約では一般に補償を受けることができません。詳しくは保険会社または代理店にお確かめください。

自然災害にも備えられる

近年、台風や豪雨による洪水で車が水没したり、雹(ひょう)でボンネットやルーフがへこんだりなど自然災害による被害が多く発生しています。例えば洪水で車が水没して故障してしまった場合、その修理費用を賠償してくれる人をおらず自分で負担しなければなりません。このようなケースでも車両保険があれば保険金を受け取ることができます。

なお、地震・噴火・津波については車両保険では補償を受けることができません。一部の保険会社では、地震・噴火・津波で車が全損した場合に一時金を受け取れる特約を用意している場合もあるので、これらに備えたい場合にはそうした特約がある保険会社を検討してみるのもよいでしょう。

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車両保険の判断基準

自分の車に車両保険が必要か否かの判断はどのようにすればよいのでしょうか。以下に判断基準の一例を紹介します。参考にしてみてください。

車両保険の判断基準

1.車の時価額が高いか否か

車両保険の保険金額(支払われる保険金の上限額)は契約時の車の時価相当額によって決められています。中古車や10年を超えて同じ車に乗っている場合は車の時価相当額が下がっているので、車両保険を使うことになっても支払われる保険金が十分でないということもありえます。そういう場合は車両保険をつける必要はないかもしれません。

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2.貯蓄が十分にあるか否か

高額な修理費用や再購入費用に対して貯蓄で問題なく支払うことができるのならば、車両保険はつける必要がないかもしれません。

保険は期待値で考えるとマイナスですが多くの人が加入しています。それは、万が一の時のリスクが大きく、個人が持つ資産ではカバーすることが困難だからです。逆に、高額な修理費用や再購入費用というリスクを個人でカバーすることができるのであれば、車両保険は不要と考えることができます。

3.ローン残高が残っているか否か

自動車をローンで購入した場合で多額のローン残高が残っている場合は車両保険に加入したほうがよいでしょう。

仮に車が全損し再購入が必要になった場合に、車両保険に加入していた場合は元の車のローンの返済費用に充てることができますが、車両保険に加入していなかった場合は、元の車のローンの返済に加えて新しい車の購入費用も支払う必要が生じます。新しい車を購入しない場合でも、車が廃車になったのにローンは変わらず支払う必要があるという状況になります。

4.車を日常的に使うか否か

車を日常的に使う、公共交通機関などの代替交通手段が使いにくいという場合は車両保険の必要性が高まります。万が一の時にお金が足りず、いつまでも車がつかえない状況が続くのは相当の不便を強いられます。車が生活の必需品に近い場合は車両保険の加入を積極的に考えた方が良いでしょう。

5.運転歴が長いか否か

若年層は統計的に他の年代と比べて事故率が高いということが分かっています。若年層は、無謀な運転から事故につながることも多くあり、事故率が高いため保険料が高く設定されています。運転免許証を取得したばかりのような人、しばらく運転していなかったような人は運転経験が浅く事故が多いということもあります。

下記は「自動車等による死亡事故発生件数(第1当事者)の免許取得後経過年数別内訳(令和3年)」です。免許証取得5年未満で死亡事故を起こしてしまう件数は全体の12.54%です。10年以上は幅広いため割合も高いため10年以上を除くと2年未満の割合が高いことが分かります。

死亡事故に至らなくても運転経験が浅いため接触事故で車に修理が必要になることも多いです。運転歴の浅い人やたまにしか運転しないような人は車両保険で車の損害にも備えておけると安心でしょう。

免許取得経過年数交通死亡事故件数割合
1年未満86件3.84%
2年未満66件2.95%
3年未満46件2.05%
4年未満40件1.79%
5年未満43件1.92%
10年未満175件7.81%
10年以上1,751件78.17%
無免許・不明33件1.47%

内閣府_令和2年度 交通事故の状況及び交通安全施策の現状より

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車両保険の必要性が高い人はどんな人?

条項で車両保険をつけるかつけないかの判断基準を紹介しました。判断基準を踏まえたうえで車両保険をつけた方がいい人とは実際どのような人なのか紹介します。

車両保険の必要性が高い人

  1. 車の時価額が高い人
  2. 貯金が十分にない人
  3. ローン残高が残っている人
  4. 車を日常的に使う人
  5. 運転歴が浅い人

新車や高級車に乗っている人は、車両保険の保険金額を高く設定できます。新車や高級車の購入は多額の出費となります。事故で多くの修理費用がかかってしまったり、全損して買いなおさなければいけなくなるようなリスクを考えると車両保険に加入していると安心でしょう。

車両保険はいつまでつける?

当サイト「保険の窓口インズウェブ」の自動車保険一括見積もりサービスご利用者のうち、車両保険の種類(「一般」、「車対車プラス限定A(エコノミー)」、「無し」)の選択割合を車の初度登録経過年数別にまとめました。初度登録年から年数を経るにつれて車両保険を付帯する割合が減っていることがわかると思います。8年以上では、そもそもつけられないことも増えるというのもありますが、車両保険をつける割合がぐっと低くなります。一つの参考にしてみてください。


対象期間:2023年4月1日~2024年3月31日

※当データは保険の窓口インズウェブのご利用者の動向データであり、保険の窓口インズウェブが補償内容等をお勧めするものではありません。あくまで参考数値としてご覧ください。

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車両保険の必要性が低い人

一方で下記のような人は車両保険の必要性が低いといえるでしょう。

  1. 車の時価額が低い人
  2. 十分な貯金がある人
  3. 車に乗る機会が少ない
  4. 運転歴が長い

中古車や初度登録日から10年以上経過しており、十分な貯金があるため車の修理が必要になっても自己資金で負担できるという人は車両保険の必要性は低いでしょう。

車両保険をつけない場合にデメリットはある?

事故や災害で自分の車に損害が発生した場合に補償を受けられない

メインとして考えられるデメリットとしては自損事故や自然災害などで車の修理や買い替えが必要になったときに全額自己負担が必要となることが挙げられます。また、相手のある事故の場合にも過失分の費用は自己負担が必要となります。

貯蓄で賄えれば問題ありませんが、ローンで購入した場合ではローンの返済費用と修理費用・再購入費用が二重にかかってくるため注意が必要です。

車両保険が前提の特約をつけられない

身の回り品補償特約地震・噴火・津波危険車両全損時一時金特約など、車両保険をつけていないと付帯できない特約もあります。基本的に車両にかかわる特約なので車両保険をつけない判断をした場合には必要のない特約であることが多いと思いますが、一応デメリットとして挙げられるでしょう。

※身の回り品補償特約については車両保険なしでも付帯できる場合があります。

車両保険を安くするには

車両保険は必要だけど保険料は少しでも安くしたいという方のために、保険料を抑える方法を紹介します。

「エコノミー型」を選択する

既に紹介していますが、車両保険には「一般型」と「エコノミー型」の2つのタイプがあります。「エコノミー型」にすることで補償範囲は狭くなりますが保険料は「一般型」と比べて安く抑えることができます。

ただし、「エコノミー型」にすると自損事故などで補償を受けることができないので、それらのリスクにも対応したいという場合は「一般型」を選択して下さい。必要な補償を削ってまで保険料を下げることはお勧めしません。

(再掲)

一般エコノミー
車やバイクとの事故
(相手が判明している場合)
自転車との衝突・接触×
電柱・建物などとの衝突や接触
(単独事故)
×
あて逃げ
転覆・墜落×
火災・爆発・台風・洪水・高潮など
盗難・いたずら・落書き
窓ガラスの損害・飛び石による損害
地震(津波や地震起因の火災含む)・噴火××

※あて逃げについて、保険会社によってエコノミー型でも補償対象となる場合とならない場合とに分かれています。

免責金額を高く設定する

車両保険料を安くするための方法の一つとして、免責金額を高く設定するというものがあります。免責金額とはいわば自己負担金額です。例えば免責金額が5万円で車の修理費用が30万円の場合、5万円は自己負担し、残りの25万円は保険金が支払われます。免責金額が高い(=自己負担金額が多い)と、保険会社の支払額が減るので保険料も安くなります。

免責金額は多くの保険会社で1回目の事故と2回目以降の事故の組み合わせであらわされます。例えば、「0-5万円」の場合、1回目の事故は免責金額が0円で2回目以降の事故は免責金額が5万円、「5-10万円」の場合、1回目の事故は免責金額5万円、2回目以降の事故は免責金額10万円という具合です。

等級のことを考えて少額の修理では車両保険は使わないと決めている場合も、免責金額を「5-10万円」や「10-10万円」など高く設定しておくと保険料を安くできてお得でしょう。

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一括見積もりで保険料が安い会社を探す

車両保険料を直接安くする方法ではありませんが、自動車保険の一括見積もりで全体の保険料が安い会社を見つけることができれば、結果として保険料を抑えるという目的は達成できます。

自動車保険は同じ補償内容であっても保険会社によって保険料が異なります。「代理店型自動車保険」と「ネット型自動車保険(ダイレクト型自動車保険、通販型自動車保険)」の差だけではなく、「ネット型自動車保険」の間でも保険料の違いがあります。一社一社個別に見積もりを取ってもよいのですが、時間がかかりますし、同じ内容を何度も入力する必要があります。自動車保険一括見積もりサービスを利用すれば、一度の入力で複数の保険会社の見積もりをとることができるので、簡単に保険料の安い保険会社を見つけることができます。

車両保険をつけるかつけないかは自分の状況次第

車両保険は自分の車に修理が必要になったときにその修理費用を補償してくれる保険です。大切な車だからこそ車両保険に加入しておきたいところですが、車両保険に加入すると保険料が大きく高くなってしまいます。そのため、車両保険の必要性については車の時価額や修理費用を自己資金で賄えるかといった貯蓄状況、車に乗る頻度や運転歴などを考慮し選択するとよいでしょう。

車両保険をつけると保険料が高くなってしまいますが、車両保険をつけたうえで自動車保険料を抑える方法もあります。保険料を抑える方法として効果が出やすいのは保険会社を比較する事です。自動車保険料の比較には保険会社を一度に比較できる一括見積もりサイトが便利ですので利用してみましょう。

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堀田健太

著者情報

堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。

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