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4ナンバーだと自動車保険や税金、車検に違いはある?

投稿日:2021年3月1日 更新日:

軽トラックなどの小型貨物自動車あるいは軽四輪貨物車に付けられる4ナンバーですが、4ナンバーの車は自家用車として多く見る3ナンバーや5ナンバーの車と自動車保険や税金などの面で何か違いはあるのでしょうか?

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4ナンバー車とは

4ナンバー車とは、自動車のナンバープレートの地名の横に記されている3桁や2桁の分類番号が4から始まる車のことです。

分類番号は車の用途や大きさなどによって分けられており、4ナンバーは小型貨物自動車(登録車)あるいは貨物自動車(軽自動車)にあたります。軽トラックやバンなどをイメージするとよいでしょう。

4ナンバーに分類される車は以下の条件を満たす必要があります。貨物車であっても条件を満たさない場合は1ナンバー(普通貨物自動車)となります。

  • 車両が「長さ4.70m、幅1.70m、高さ2.00m、排気量2,000cc」以下(ディーゼル車の場合は排気量の制限なし)
  • 荷物を載せるスペースの床面積が1m2以上あること(軽自動車の場合は0.6㎡以上)
  • 座席部分より荷物を載せるスペースが広いこと
  • 乗車定員の重量が荷物の積載可能重量よりも軽いこと(乗員一人55kgとして計算)
  • 荷物の積卸口は縦横80cm以上あること(軽自動車の場合は縦60cm以上、横80cm以上)
  • 荷物を載せるスペースと人が乗る席の間に壁や保護仕切りがあること(最大積載量500kg以下の場合は後部座席での仕切りでもよい)

自動車保険に違いはある?

4ナンバーの車は自動車保険(自賠責保険・任意保険)において、3ナンバーや5ナンバーの車と何か違いがあるのでしょうか?

自賠責保険

車を運転するのであれば必ず加入する必要がある自賠責保険ですが、4ナンバーのうちの小型貨物自動車では自賠責保険料が3ナンバーや5ナンバーの車と比べて高くなります。また、車検有効期間が新車登録時が2年間、以後は1年間ごと(軽自動車の場合は2年ごと)なので、車検有効期間分の自賠責保険に加入すると考えると、長期契約による割引が効かずにさらに割高となります。

2023年4月1日以降始期の自賠責保険料(離島・沖縄以外)
25か月24か月12か月
自家用乗用自動車18,160円17,650円11,500円
小型貨物自動車(自家用)20,950円20,340円12,850円
軽自動車(検査対象車)18,040円17,540円11,440円

出典:損害保険料率算出機構 自賠責保険基準料率表

任意保険

任意保険の保険料については契約者や契約内容によって異なるので一概にいくらとはいえませんが、3ナンバー車や5ナンバー車と明確に異なる点もあります。それは、型式別料率クラスがないことです。型式別料率クラスにより、自家用普通乗用車や自家用小型乗用車、自家用軽四輪乗用車は車の型式ごとに保険料が異なりますが、4ナンバーである自家用小型貨物車、自家用軽四輪貨物車には型式別料率クラスがなく、型式による保険料の違いはありません。

4ナンバー車の自動車保険料

では、4ナンバー車の自動車保険料はいくらくらいなのか、損害保険料率算出機構の「2023年度_自動車保険の概況」より用途・車種別の保険料の平均を紹介します。2022年度の契約全体の平均なので補償内容や等級の違いなどは加味していないことにご注意ください。

用途・車種保険料平均契約台数保険料合計
自家用貨物車(小型)65,148円2,449,770台159,598,757千円
軽四輪自動車(貨物車)43,267円5,045,915台218,321,520千円

出典:損害保険料率算出機構「2023年度_自動車保険の概況

自家用小型貨物車の保険料平均は65,148円、自家用軽四輪貨物車の保険料平均は43,267円です。参考までに、自家用普通乗用車、自家用小型乗用車、自家用軽四輪乗用車についても同じように損害保険料率算出機構の「2023年度_自動車保険の概況」のデータから計算すると、以下のようになります。

用途・車種保険料平均契約台数保険料合計
自家用乗用車(普通)72,331円17,478,306台1,264,229,069千円
自家用乗用車(小型)54,806円14,422,028台790,412,281千円
軽四輪乗用車49,511円18,751,412台928,405,974千円

年齢条件が適用できない?

自動車保険には運転者年齢条件特約というものがあり、契約する車を運転する人の年齢を21歳以上、26歳以上と限定することで保険料を安くできます。これは、10代や20代前半の事故率が他の年齢代と比べて高いことによります。

しかし、昔の自動車保険では4ナンバーである自家用小型貨物車や自家用軽四輪貨物車に運転者年齢条件を適用することができませんでした。このことが4ナンバーの車の任意保険の違いとされていることもありますが、現在の自動車保険では4ナンバーでも運転者年齢条件を付けられる会社が多くあります。なお、一部の保険会社では引き続き運転者年齢条件を付けることができないのでご注意ください。

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1日自動車保険は対象外

友人などの車を借りて運転する場合に便利な1日自動車保険ですが、4ナンバーの車は対象外となっています。対象となっているのは自家用の3ナンバー、5ナンバー、7ナンバーの車です。ちょっとした荷物の運搬に軽トラックを借りて運転するということが考えられますが、1日自動車保険は使えませんのでご注意ください。他車運転特約では4ナンバーも対象となるので、自分の車をもっている人は他車運転特約を確認してみましょう。

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車検、税金などその他の違いは?

4ナンバーの車は自動車保険以外にも車検や税金などについても3ナンバーや5ナンバーの車と違いがあります。どのような違いがあるのか紹介します。

車検有効期間

4ナンバーの車の車検有効期間は、新車登録時は2年間、2回目以降は小型貨物自動車で1年間、軽自動車の貨物自動車で2年間です。3ナンバーや5ナンバーの車は新車登録時が3年間、2回目以降が2年間なので、4ナンバーの車の車検有効期間は短くなっていることが分かります。軽自動車の場合は初回の有効期間が1年短いだけなので大きな違いはありませんが、登録車の小型貨物自動車の場合は2回目以降の車検有効期間も短くなっているので、車検費用が多くかかることになります。

自動車税・軽自動車税

自動車税

3ナンバーや5ナンバーといった乗用車の自動車税は排気量によって税額が決まりますが、4ナンバーの車は排気量ではなく積載量で税額が決まります(最大乗車定員3人以下の場合)。乗用車の場合は最低の1リットル以下でも29,500円するのに対して、小型貨物自動車の場合は最低で8,000円と大きく安くなっています。

小型貨物自動車(最大乗車定員3人以下)
最大積載量自動車税(自家用)
1トン以下8,000円
1トン超 2トン以下11,500円
2トン超 3トン以下16,000円
3トン超 4トン以下20,500円
貨客兼用車(最大乗車定員4人以上)
最大積載量総排気量自動車税(自家用)
1トン以下1リットル以下13,200円
1リットル超 1.5リットル以下14,300円
1.5リットル超16,000円
1トン超 2トン以下1リットル以下16,700円
1リットル超 1.5リットル以下17,800円
1.5リットル超19,500円
2トン超 3トン以下1リットル以下21,200円
1リットル超 1.5リットル以下22,300円
1.5リットル超24,000円
乗用車
総排気量自動車税(自家用)
1リットル以下29,500円
1リットル超 1.5リットル以下34,500円
1.5リットル超 2リットル以下39,500円
2リットル超 2.5リットル以下45,000円
2.5リットル超 3リットル以下51,000円
3リットル超 3.5リットル以下58,000円
3.5リットル超 4リットル以下66,500円
4リットル超 4.5リットル以下76,500円
4.5リットル超 6リットル以下88,000円
6リットル超111,000円

※自動車税グリーン化特例の適用を受けない自動車の税率(年額)の抜粋です。

軽自動車税

軽自動車の税率は平成27年3月31日までに新規登録を受けたか、同年4月1日以後に新規登録を受けたかによって税率が異なりますが、いずれも4ナンバーである貨物の方が安くなっています。

種別旧税率新税率
四輪以上乗用(自家用)7,200円10,800円
四輪以上貨物(自家用)4,000円5,000円

自動車重量税

自動車重量税についても3ナンバーや5ナンバーといった乗用車の税率と異なります。なお、軽自動車の税率については一律で変わりません。

自家用小型貨物車
車両総重量車検時重量税(1年分)
1トン以下3,300円
1トン超 2トン以下6,600円
2トン超 2.5トン以下9,900円
2.5トン超 3トン以下12,300円
3トン超 4トン以下16,400円
自家用乗用車
車両重量車検時重量税(2年分/1年あたり)
0.5トン以下8,200円/4,100円
0.5トン超 1トン以下16,400円/8,200円
1トン超 1.5トン以下24,600円/12,300円
1.5トン超 2トン以下32,800円/16,400円
2トン超 2.5トン以下41,000円/20,500円
2.5トン超 3トン以下49,200円/24,600円
軽自動車
車検時重量税(2年分/1年あたり)
一律6,600円/3,300円

※エコカー減税適用なし、新規登録から13年以内の税率です。

高速道路の料金は同じ

高速道路の料金については3ナンバーや5ナンバーと同じです。4ナンバーの軽自動車であれば5ナンバーの軽自動車と同じ料金、4ナンバーの小型貨物車であれば5ナンバーの小型乗用自動車や3ナンバーの普通乗用自動車と同じ料金です。

まとめ

4ナンバーの自動車は3ナンバーや5ナンバーの自動車と自動車保険や税金などで異なる部分があります。自動車税については安くなりますが、自賠責保険料は高くなり、また、車検も毎年必要になります(軽自動車を除く)。維持費が安いというイメージだけで購入するのではなく、実際にかかる維持費を把握するようにしましょう。


堀田健太

著者情報

堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。

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