車を運転するのであれば自賠責保険だけではなく任意保険にも加入しておきたいですが、頻度が低い場合は特に保険料を安く済ませたいと思うのではないでしょうか?運転するときのみ1日単位で加入する1日自動車保険というのもありますが、自分の車は対象外です。ほかに安く抑える方法はないのでしょうか?
1日自動車保険は自分・配偶者の所有する車は対象外
車を持っていてもなかなか運転する機会がないという人もいると思います。自動車保険は1年契約が基本となるので、そうした方は1日単位で加入できる1日自動車保険の方が得ではないのかと感じるのではないでしょうか?しかし、1日自動車保険の対象となるのは友人や親など他人から借りた車です。自己所有の車については1日自動車保険に加入することはできず、通常の自動車保険に加入する必要があります。また、配偶者が所有している車についても同じく対象外となるのでご注意ください。
それでは名義が他人であればよいかというと、名義変更していないだけで実態上は所有しているのと変わらない車も対象外となります。事故を起こしてしまったときに補償を受けられないのであればお金の無駄どころではなく、多額の賠償金を自分で支払っていくことにもなりかねないので、変にごまかそうとせずに通常の自動車保険に入るようにしましょう。
途中解約するのであれば年払よりも月払の方が得なことが多い
自動車保険は1年間の契約が基本ですが、「自分の車で1日自動車保険に加入したい」という希望を持つようなケースでは、補償が必要なのは短期間のみで途中で解約することが決まっているということも多いでしょう。そうした場合、保険料の払い方としては年払よりも月払の方が得になることが多いです。
その理由は解約返戻金にあります。自動車保険で途中解約した場合、年払した保険料のうち未経過の分は解約返戻金として返ってきますが、その金額を計算するのに短期率というものを使う会社が多く、単純な月割で計算するよりも解約返戻金が少なくなることが多いからです。
期間 | 7日まで | 15日まで | 1カ月まで | 2カ月まで | 3カ月まで | 4カ月まで | 5カ月まで |
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短期率 | 10% | 15% | 25% | 35% | 45% | 55% | 65% |
期間 | 6カ月まで | 7カ月まで | 8カ月まで | 9カ月まで | 10カ月まで | 11カ月まで | 12カ月まで |
短期率 | 70% | 75% | 80% | 85% | 90% | 95% | 100% |
解約返戻金=年間保険料×(1-既経過期間に対応する短期率)
上の表に従って計算した場合、例えば15日超1カ月以内で解約したとすると、解約返戻金は年間保険料の75%です。1/12(約8.3%)よりも大きな金額が控除されます。
月払の方は未払い保険料がなければ以後の保険料の払込がなくなり、また、解約返戻金もないという形が多いです。元々の保険料としては年払の保険料の方が安い(正確には月払だと年払の保険料に5%ほどの金額が上乗せされている)のですが、年払の解約返戻金の計算上、途中で解約するのであれば月払の方が得なことが多いです。
保険料を安く抑えるには?
車の維持費はだれしもできるだけ抑えたいものですが、車にあまり乗らない人にとっては特にその気持ちが強くあるでしょう。そこで、自動車保険料を安く抑えるために確認すべきポイントについて紹介しますので確認してみましょう。
契約する保険会社を変更する
自動車保険料は契約する保険会社によって変わります。特に、現在の契約が代理店型自動車保険という場合は、インターネットなどから申し込むネット型自動車保険を検討してみましょう。ネット型自動車保険はダイレクト自動車保険、通販型自動車保険などとも呼ばれています。ネット型自動車保険は間に代理店を挟まない分、代理店手数料などを削減することができます。
また、ネット型自動車保険の多くは保険料が走行距離に応じて変わるようになっています。車にあまり乗らないという方は走行距離も少ないはずなのでこうした自動車保険に加入すれば保険料を安く抑えることができます。対面で相談できる代理店の担当者がいないということをあまりデメリットに感じないのであればネット型自動車保険も検討してみましょう。
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補償内容を見直す
自動車保険は補償内容が手厚くなるほど保険料も高くなります。必要以上の補償内容となっていないか契約内容を見直しましょう。いくつか代表的な項目について見直しのポイントを紹介します。
人身傷害保険の保険金額を見直す
人身傷害保険とは、自動車事故による自身や同乗者のケガの治療費(実費)や後遺障害による逸失利益などを過失相殺による減額無しに補償する保険です。自身のケガに対して有用な補償ではありますが、医療保険などに別途加入しているのであれば必要以上の保険金額に設定する必要はありません。無制限や1億円などの金額も設定できますが、3000万円や5000万円といった金額でも十分でしょう。
搭乗者傷害保険を外すことを検討する
搭乗者傷害保険についても自身のケガなどに対する補償として役立ちますが、人身傷害保険があれば必ずしも必要な補償ではありません。昔は自動車保険の主要な補償の一つでしたが、人身傷害保険が普及した現在では人身傷害の上乗せの補償というような位置づけとなっています。保険料を安くしたいのであれば搭乗者傷害保険を外すことも検討しましょう。
補償範囲を限定する
車に乗る人が決まっているのであれば運転者限定や運転者年齢条件で補償範囲を限定することで保険料を安くすることができます。運転者限定は本人限定や本人・配偶者限定などがあり、補償する人の範囲が狭いほど保険料が安くなります。運転者年齢条件は、21歳以上補償、26歳以上補償などがあり、最若年齢が高いほど保険料は安くなります。これは事故率が高い若年層を補償範囲から外すからです。昔契約したまま条件を見直していないという場合は条件が現状に合っているのか確認して、もし合っていなければ適切な内容で補償範囲を限定しましょう。
車両保険を外す、補償を限定する
自動車保険に車両保険をつけると保険料が大きく上がります。保険料を安くしたいのであれば車両保険が本当に必要なのか考えてみましょう。もちろん、ローンが多く残っているなど車両保険の必要性が高い場合は無理に外さなくても大丈夫です。車両保険が必要な場合は、保険料を安くするために補償範囲が限定されたエコノミー型での契約や免責金額を高くすることも検討しましょう。
まとめ
自分や配偶者が所有する車は1日自動車保険の対象とはなりません。通常の自動車保険を契約することになります。契約期間の途中で解約することが決まっている場合は解約返戻金の計算の関係上、年払よりも月払の方がお得になることが多いので覚えておくとよいでしょう。また、保険料を安くするためにネット型自動車保険の契約や補償内容の見直しを検討するようにしましょう。
著者情報
堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。